
-建設費の高騰が凄まじい!-
準大手ゼネコンで「前田建設工業」を傘下に持つ「インフロニア・ホールディングス」は、2025年3月14日に、「三井住友建設」に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化すると発表しました。取得額は約940億円を見込みます。三井住友建設は「麻布台ヒルズレジデンスB」の建設で750億円損失を負って財務体質が悪化しています。
株式公開買い付け(TOB)が成功すると「インフロニア・ホールディングス」の2025年3月期の売上高847,548百万円+三井住友建設の2025年3月期の売上高462,982百万円=1,310,530百万円となり、売上高1兆3000億円を超えるゼネコンが誕生します。
建て替え移転の方針が固まった「千葉ロッテマリーンズ」の本拠地である「ZOZOマリンスタジアム」ですが、屋外型の球場となる見通しであことが分かりました。現在と同じ屋外型の場合約1,700億円、固定式ドームで約2,300億円、開閉式ドームで約2,500億円と試算していました。
ちなみに巨大開閉式屋根の球場「エスコンフィールド HOKKAIDO」は総工費約600億円でした。ここ数年の建設費の高騰は本当に凄まじいです。仮に「エスコンフィールド HOKKAIDO」を今から建設したら1,500億円~2,000億円くらいかかると思います。
ゼネコンを取り巻く環境は、建設費の高騰や人手不足で激変しています。少し前までは注文する「建築主」の方が立場が上で建設費が低く抑えられていましたが、今は利益が見込めない注文をゼネコンが受けなくなり、価格高騰がより激しくなりました。
● スーパーゼネコン5社
スーパーゼネコンは、「鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店(売上高順)」の5社を指します。「鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設」は上場企業ですが、「竹中工務店」は非上場企業です。
非上場企業の「竹中工務店」を除く、スーパーゼネコン4社の2025年3月期決算短信が出揃いました。2025年5月13日に「大林組、大成建設」、5月14日に「鹿島建設、清水建設」の決算発表がありました。
ここ数年は「鹿島建設」の強さが際立っていますが、「大林組」が猛烈に追い上げています。「鹿島建設」は売上高が2兆9000億円を突破して、あと少しで3兆円台になります。
5社の2026年3月期連結決算予想(売上高/営業利益)
1位 鹿島建設-2,950,000百万円(159,000百万円)
2位 大林組-2,560,000百万円(122,000百万円)
3位 大成建設-1,960,000百万円(101,000百万円)
4位 清水建設-1,910,000百万円(78,000百万円)
5位 竹中工務店-1,522,000百万円(3,700百万円)
6位 長谷工コーポレーション-1,230,000百万円(92,000百万円)
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参考 大和ハウス工業-5,600,000百万円(470,000百万円)
参考 積水ハウス-4,500,000百万円(362,000百万円)
5社の2025年3月期連結決算(売上高/営業利益)
1位 鹿島建設-2,911,816百万円(151,882百万円)
2位 大林組-2,620,101百万円(143,442百万円)
3位 大成建設-2,154,223百万円(120,160百万円)
4位 清水建設-1,944,360百万円(71,030百万円)
5位 竹中工務店-1,600,100百万円(53,100百万円)
6位 長谷工コーポレーション-1,177,353百万円(84,701百万円)
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参考 大和ハウス工業-5,434,819百万円(546,279百万円)
参考 積水ハウス-4,058,583百万円(331,366百万円)
(備考)「鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、長谷工コーポレーション」は3月決算です。「竹中工務店」は12月決算です。「積水ハウス」は1月決算です。「竹中工務店」は非上場企業ですが、上場企業の「決算短信」に相当する「決算概要」を発表しています。
売上高1位 鹿島建設
2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績は、売上高2,911,816百万円(前年比+9.3%)、営業利益151,882百万円(前年比+11.5%)となりました。
鹿島建設(PDF:2025/05/14)
2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
売上高2位 大林組
2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績は、売上高2,620,101百万円(前年比+12.7%)、営業利益143,442百万円(前年比+80.7%)となりました。
大林組(PDF:2025/05/13)
2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
売上高3位 大成建設
2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績は、売上高2,154,223百万円(前年比+22.1%)、営業利益120,160百万円(前年比+353.8%)となりました。
大成建設(PDF:2025/05/13)
2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
売上高4位 清水建設
2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績は、売上高1,944,360百万円(前年比△3.0%)、営業利益71,030百万円(前年比--)となりました。
清水建設(PDF:2025/05/14)
2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
売上高5位 竹中工務店
2024年12月期(2024年1月1日~2024年12月31日)の連結業績は、売上高1,600,100百万円(前年比△0.1%)、営業利益53,100百万円(前年比+16.3%)となりました。
竹中工務店(2025/02/28)
2024年度(第87期)決算概要 及び 次期業績見通し
売上高6位 長谷工コーポレーション
2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績は、売上高1,177,353百万円(前年比+7.6%)、営業利益84,701百万円(前年比△1.2%)となりました。
長谷工コーポレーション(PDF:2025/05/14)
2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)