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2023年11月23日 (木)

不動産大手5社(三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産HD、野村不動産HD) 2024年3月期第2四半期決算短信が出揃う!

Tokyotrading220811
-不動産大手5社-
 不動産大手5社の2024年3月期第2四半期決算短信が出揃いました。2023年10月26日に「野村不動産ホールディングス」、11月7日に「東急不動産ホールディングス」、8月8日に「三井不動産」、8月9日に「三菱地所」、8月10日に「住友不動産」の決算発表がありました。

不動産大手5社の2024年3月期連結決算予想(売上高/営業利益)
1位 三井不動産-2,300,000百万円(335,000百万円)
2位 三菱地所-1,469,000百万円(264,000百万円)
3位 東急不動産HD-1,120,000百万円(115,000百万円) 
4位 住友不動産-970,000百万円(255,000百万円)
5位 野村不動産HD-750,000百万円(103,000百万円)

参考
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6位 ヒューリック-470,000百万円(143,000百万円)
7位 東京建物-375,000百万円(67,500百万円)

(備考)「三井不動産、三菱地所、東急不動産HD、住友不動産、野村不動産HD)」は2024年3月期決算、「ヒューリック、東京建物」は2023年12月期決算の数値です。「ヒューリック」のみアナリスト予想(コンセンサス)です。

不動産大手5社の2023年3月期連結決算(売上高/営業利益)
1位 三井不動産-2,269,103百万円(305,405百万円)
2位 三菱地所-1,377,827百万円(296,702百万円)
3位 東急不動産HD-1,005,836百万円(110,410百万円)
4位 住友不動産-939,904百万円(241,274百万円)
5位 野村不動産HD-654,735百万円(99,598百万円)

参考
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6位 ヒューリック-523,424百万円(126,147百万円)
7位 東京建物-349,940百万円(64,478百万円)


Tokyocompany220511
売上高1位 三井不動産

 「三井不動産」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高1,165,245百万円(前年比+10.2%)、営業利益179,734百万円(前年比+36.7%)です。

 三井不動産(PDF:2023/11/08)
 2024年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高2,300,000百万円(前年比+1.4%)、営業利益335,000百万円(前年比+9.7%)となっています。


Tokyocompany220512
売上高2位 三菱地所

 「三菱地所」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高587,933百万円(前年比△1.1%)、営業利益90,314百万円(前年比△36.4%)です。

 三菱地所(PDF:2023/11/09)
 2024年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2023年4月31日)の連結業績予想は、売上高1,469,000百万円(前年比+6.6%)、営業利益264,000百万円(前年比△11.0%)となっています。


Tokyocompany220514
売上高3位 東急不動産ホールディングス
 「東急不動産ホールディングス」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高490,696百万円(前年比+10.3%)、営業利益58,044百万円(前年比+26.5%)です。

 東急不動産ホールディングス(PDF:2023/11/07)
 2024年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高1,120,000百万円(前年比+11.4%)、営業利益115,000百万円(前年比+4.2%)となっています。


Tokyocompany220513
売上高4位 住友不動産
 「住友不動産」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高505,243百万円(前年比+6.4%)、営業利益149,775百万円(前年比+8.5%)です。

 住友不動産(PDF:2023/11/10)
 2024年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高970,000百万円(前年比+3.2%)、営業利益255,000百万円(前年比+5.7%)となっています。


Tokyocompany220515
売上高5位 野村不動産ホールディングス

 「野村不動産ホールディングス」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高368,318百万円(前年比+17.0%)、営業利益61,372百万円(前年比+25.5%)です。

 野村不動産ホールディングス(PDF:2023/10/26)
 2024年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高750,000百万円(前年比+14.5%)、営業利益103,000
百万円(前年比+3.4%)となっています。


Tokyocompany220516
売上高6位 ヒューリック
 「ヒューリック」の2023年12月期第3四半期(2023年1月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高278,529百万円(前年比△30.2%)、営業利益90,950百万円(前年比+17.7%)です。

 ヒューリック(PDF:2023/10/27)
 2023年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2023年12月期の連結業績予想
 2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績予想は、売上高470,000百万円(前年比△10.2%)、営業利益143,000百万円(前年比+13.3%)となっています。


Tokyocompany220517
売上高7位 東京建物

 「東京建物」の2023年12月期第3四半期(2023年1月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高238,199百万円(前年比△11.3%)、営業利益43,078百万円(前年比△21.7%)です。

 東京建物(PDF:2023/11/09)
 2023年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2023年12月期の連結業績予想
 2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績予想は、売上高375,000百万円(前年比+7.2%)、営業利益67,500百万円(前年比+4.7%)となっています。



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2023年11月15日 (水)

スーパーゼネコン(鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設) 2024年3月期第2四半期決算短信が出揃う 「鹿島建設」の強さが際立つ!

Tokyotrading220811
-スーパーゼネコン5社-
 非上場企業の「竹中工務店」を除く、スーパーゼネコン4社の2024年3月期第2四半期決算短信が出揃いました。2023年11月6日に「大林組」、11月7日に「清水建設」、11月13日に「鹿島建設、大成建設」の決算発表がありました。建設業界は、原材料価格の高騰などの影響を受けて、経営環境は厳しい状況が続いています。

 スーパーゼネコンは、「鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店(売上高順)」の5社を指します。「鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設」は上場企業ですが、「竹中工務店」は非上場企業です。

 ここ数年は「鹿島建設」の強さが際立っています。それを「大林組」が懸命に追う構図になっています。マンション建設に特化した「長谷工コーポレーション」は、売上高が1兆円を超えて、スーパーゼネコンに次ぐ位置を確保しています。

5社の2024年3月期連結決算予想(売上高/営業利益)
1位 鹿島建設-2,610,000百万円(営業利益144,000百万円)
2位 大林組-2,280,000百万円(74,000百万円)
3位 清水建設-1,945,000百万円(57,500百万円)
4位 大成建設-1,690,000百万円(64,000百万円)
5位 竹中工務店-1,490,000百万円(27,000百万円)
6位 長谷工コーポレーション-1,080,000百万円(88,000百万円)
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参考 大和ハウス工業-5,020,000百万円(385,000百万円)
参考 積水ハウス-3,080,000百万円(265,000百万円)

5社の2023年3月期連結決算(売上高/営業利益)
1位 鹿島建設-2,391,579百万円(123,526百万円)
2位 大林組-1,983,888百万円(93,800百万円)
3位 清水建設-1,933,814百万円(54,647百万円)
4位 大成建設-1,642,712百万円(54,740百万円)
5位 竹中工務店-1,375,400百万円(28,300百万円)
6位 長谷工コーポレーション-1,027,277百万円(90,162百万円)
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参考 大和ハウス工業-4,908,199百万円(465,370百万円)
参考 積水ハウス-2,928,835百万円(261,489百万円)

(備考)「鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、長谷工コーポレーション」は3月決算です。「竹中工務店」は12月決算です。「積水ハウス」は1月決算です。「竹中工務店」は非上場企業ですが、上場企業の「決算短信」に相当する「決算概要」を発表しています。


Generalcontractor220511
売上高1位 鹿島建設
 「鹿島建設」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高1,305,802百万円(前年比+14.8%)、営業利益66,439百万円(前年比+2.4%)です。

 鹿島建設(PDF:2023/11/13)
 2024年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高2,610,000百万円(前年比+9.1%)、営業利益144,000百万円(前年比+16.6%)となっています。


Generalcontractor220512
売上高2位 大林組

 「大林組」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高1,081,360百万円(前年比+17.0%)、営業利益30,843百万円(前年比△26.2%)です。

 大林組(PDF:2023/11/06)
 2024年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高2,280,000百万円(前年比+14.9%)、営業利益74,000百万円(前年比△21.1%)となっています。


Generalcontractor220514
売上高3位 清水建設

 「清水建設」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高936,878百万円(前年比+13.4%)、営業利益165百万円(前年比△98.5%)です。

 清水建設(PDF:2023/11/07)
 2024年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高1,945,000百万円(前年比+0.6%)、営業利益57,500百万円(前年比+5.2%)となっています。


Generalcontractor220513
売上高4位 大成建設

 「大成建設」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高738,133百万円(前年比+2.7%)、営業利益13,069百万円(前年比△41.7%)です。

 大成建設(PDF:2023/11/13)
 2024年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高1,690,000百万円(前年比+2.9%)、営業利益64,000百万円(前年比+16.9%)となっています。


Generalcontractor220515
売上高5位 竹中工務店

 「竹中工務店」は、非上場企業のため四半期ごとの決算は発表していません。

 竹中工務店(2023/02/27)
 2022年度(第85期)決算概要 及び 次期業績見通し

● 2023年12月期の連結業績予想
 2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績予想は、売上高1,490,000百万円(前年比+8.3%)、営業利益27,000百万円(前年比△4.7%)となっています。


Tokyohaseko230811
売上高6位 長谷工コーポレーション

 「長谷工コーポレーション」の2024年3月期第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は、売上高523,006百万円(前年比+17.1%)、営業利益43,276百万円(前年比+14.8%)です。

 長谷工コーポレーション(PDF:2023/11/10)
 2024年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高1,080,000百万円(前年比+5.1%)、営業利益88,000百万円(前年比△2.4%)となっています。



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2023年10月26日 (木)

キヤノンが世界初の実用化 「ゲームチェンジャー」となる可能性を秘めた技術 「ナノインプリント」技術を活用した半導体露光措置を発売!

Tokyocanon231011
-キヤノン-

 「キヤノン」は、は2004年からナノインプリント技術の研究を続けています。2009年以降は、ナノインプリント技術を用いた次世代半導体製造装置の量産を目指して大手半導体メーカーやアメリカの「Molecular Imprints(モレキュラーインプリント)」などと共同で開発してきました。

 2014年4月には「Molecular Imprints」を完全子会社化し、社名を「Canon Nanotechnologies」に変更し、技術開発に取り組んでいました。キヤノンは、第一弾を2015年にも発売すると発表しましたが、あまりにも高度な技術のため、満足の行く性能に達せず、2023年まで発売が遅れました。

 2004年から数えると20年近く経過しています。正に執念の技術開発です。正直言うと私は、「ナノインプリントリソグラフィ」の製品化は無理だろうと思っていました。

● FPA-1200NZ2Cを発売!
 「キヤノン」は、半導体デバイスの製造で最も重要な回路パターンの転写を担うナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」を2023年10月13日に発売しました。

 これまでの投影露光技術とは異なる方式でパターンを形成するナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術を使用した半導体製造装置を市場投入することで、半導体製造装置のラインアップを拡充し、最先端から従来の半導体デバイスまでの幅広いユーザーのニーズに応えます。

 引用資料 キヤノン(2023/10/13)
 ナノインプリントリソグラフィ技術を使用した半導体製造装置を発売 シンプルな仕組みで微細な回路パターン形成を実現し幅広い半導体製造を実現

 従来の投影露光装置は、ウエハー上に塗布されたレジスト(樹脂)に光を照射し回路を焼き付けるのに対し、新製品はウエハー上のレジストに回路パターンを刻み込んだマスク(型)をハンコのように押し付けて回路パターンを形成します。

 光学系という介在物がないため、マスク上の微細な回路パターンを忠実にウエハー上に再現できます。そのため、複雑な2次元、3次元の回路パターンを1回のインプリントで形成することも可能で、CoO2の削減に貢献します。

 キヤノンのNIL技術は、既存の最先端ロジック半導体製造レベルの5ナノノードにあたる最小線幅14nmのパターン形成ができます。さらに、マスクを改良することにより、2ナノノードにあたる最小線幅10nmレベルへの対応も期待されています。正に「ゲームチェンジャー」となる可能性を秘めた技術です。


Tokyocanon231012
「NILで形成した、半導体以外の 3次元立体微細構造の光学素子(光を当てると分光する素子)」です。


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キヤノンの連結決算

 「キヤノン」は成長企業のようなイメージがありますが、実は業績が長期に渡って低迷しています。過去最高の売上高4,481,346百万円、営業利益756,673百万円を記録したのは、リーマンショック前の2007年12月期連結決算です。それから15年以上経過していますが、未だに売上高・営業利益共にその時のレベルに到達していません。

 リーマンショック前は、デジタル一眼レフカメラや複合機(コピー、FAX、スキャナー、プリンターなど)が好調で、キヤノンの業績の頂点でした。その後、スマホの普及でデジタルカメラの衰退、ペーパーレス化で複合機が衰退して、売上高3兆円台がずっと続いていました。再び売上高4兆円を突破したのは2022年12月期連結決算です。

● 存在感が出てきたたメディカル事業!
 キヤノンの手をこまねいていた訳ではありません。苦境に陥っていた東芝グループから2016年(2016年12月19日に買収完了)に6,655億円で「東芝メディカルシステムズ(現:キヤノンメディカルシステムズ)」を買収しました。

 「キヤノンメディカルシステムズ」は、「CT」や「MRI」などの医療機器関係では世界的メーカーとなっており、キヤノン全体の売り上げの約12%を占めるほどになっています。

キヤノンの連結決算(売上高/営業利益)
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1995年12月   2,165,626百万円   153,838百万円
1996年12月   2,558,227百万円   221,036百万円
1997年12月   2,761,025百万円   274,034百万円
1998年12月   2,826,269百万円   260,778百万円
1999年12月   2,622,265百万円   176,056百万円
2000年12月   2,781,303百万円   245,999百万円
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2001年12月   2,907,573百万円   281,839百万円
2002年12月   2,940,128百万円   346,359百万円
2003年12月   3,198,072百万円   454,424百万円
2004年12月   3,467,853百万円   543,793百万円
2005年12月   3,754,191百万円   583,043百万円
2006年12月   4,156,759百万円   707,033百万円
2007年12月   4,481,346百万円   756,673百万円
2008年12月   4,094,161百万円   496,074百万円
2009年12月   3,209,201百万円   217,055百万円
2010年12月   3,706,901百万円   387,552百万円
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2011年12月   3,557,433百万円   378,071百万円
2012年12月   3,479,788百万円   323,856百万円
2013年12月   3,731,380百万円   337,277百万円
2014年12月   3,727,252百万円   363,489百万円
2015年12月   3,800,271百万円   355,210百万円
2016年12月   3,401,487百万円   228,866百万円
2017年12月   4,080,015百万円   321,605百万円
2018年12月   3,951,937百万円   342,952百万円
2019年12月   3,593,299百万円   174,420百万円
2020年12月   3,160,243百万円   110,547百万円
-----------------------------------------
2021年12月   3,513,357百万円   281,918百万円
2022年12月   4,031,414百万円   353,399百万円

2023年12月期予想
2023年12月   4,220,000百万円   400,000百万円(会)
2023年12月   4,311,945百万円   403,405百万円(コ)

(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2023年10月26日時点の数値です。



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2023年10月14日 (土)

ファーストリテイリング(ユニクロ、GU) 2023年8月期は売上高2兆7665億円、営業利益3810億円 2024年8月期は売上高3兆円突破を予想!

Tokyouniqlo231011
-ファーストリテイリング-
 
 「ユニクロ」などを展開する「ファーストリテイリング」は、2023年10月12日に「2023年8月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」を発表しました。2023年8月期の連結決算は、海外事業が好調で売り上げ、利益ともに過去最高となりました。2024年8月期は初めて売上高が3兆円を超えると見込んでいます。

 「ファーストリテイリング」の2023年8月期(2022年9月1日~2023年8月31日)の連結決算は、売上高が2兆7665億円(前年同期比20.2%増)、営業利益は3810億円(前年同期比28.2%増)となり、いずれも過去最高となりました。

 「ユニクロ」の海外事業の売り上げがグループ全体のうち初めて5割を超えるなど、業績が好調だったことが大きな要因です。中国では、コロナ禍からの回復に加え、高い気温が続いたことで機能性の衣料品の販売が好調だったほか、アメリカやヨーロッパ、それに東南アジアなどで業績が拡大しました。「ユニクロ」の国内事業も、コロナ禍からの回復のほか、業務の効率化を進めた結果、売り上げが過去最高となりました。

 2024年8月期の連結業績予想(2023年9月1日~2024年8月31日)については、海外事業の拡大などによって「ファーストリテイリング」として初めて売上高が3兆円を超えると見込んでいます。会見では「今後数年ほどで売り上げ5兆円を達成し、さらに10兆円の達成を目指す」と述べました。


Tokyouniqlo231012
ユニクロ シティ トウキョウ
 「ファーストリテイリング(FAST RETAILING CO., LTD.)」 は、「ユニクロ」や「GU(ジーユー)」などの衣料品会社を傘下にもつ持株会社です。本社は山口県山口市に、六本木本部は「ミッドタウン・タワー」に、有明本部は「ユニクロ シティ トウキョウ」にあります。

 世界のカジュアル衣料品の企業の中での売上高は、1位がZARAを擁する「インディテックス(スペイン)」、2位が「H&M(スウェーデン)」、3位が「ファーストリテイリング」となっています。

 「大和ハウス工業」と「ファーストリテイリング」は、東京都江東区有明一丁目に、ファーストリテイリング専用物流倉庫を建設しました。ユニクロの有明新本部「ユニクロ シティ トウキョウ」を2017年2月に稼働させました。

ユニクロ シティ トウキョウの概要
◆ 計画名-(仮称)Dプロジェクト有明Ⅰ新築工事
◆ 所在地-東京都江東区有明一丁目6-7
◆ 階数-地上6階、地下0階
◆ 高さ-最高部48.300m、軒高44.360m
◆ 敷地面積-36,309.00㎡
◆ 建築面積-19,546.78㎡
◆ 延床面積-113,148.63㎡
◆ 構造-鉄筋コンクリート造+鉄骨造
◆ 基礎工法-杭基礎
◆用途-倉庫、オフィス
◆ 建築主-ディエイチ・ディベロップメント・ワン特定目的会社
◆ 設計者・監理者-大和ハウス工業
◆ 施工者-大和ハウス工業
◆ 着工-2014年11月15日
◆ 竣工-2016年04月08日(工事完了)
◆ 可動-2017年02月(ユニクロ シティ トウキョウ)


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ファーストリテイリング連結決算
 「ファーストリテイリング」は、日本の企業では珍しい8月決算を採用しています。「ファーストリテイリング」は2023年10月12日に「2023年8月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」を発表しました。

 ファーストリテイリング 決算短信(PDF:2023/10/12)
 2023年8月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

 2023年8月期(2022年9月1日~2023年8月31日)の連結決算では、売上高2,766,557百万円(前年比20.2%増)、営業利益381,090百万円(前年比28.2%増)となりました。

● 2024年8月期の連結業績予想
 2024年8月期の連結業績予想(2023年9月1日~2024年8月31日)は、売上高3,050,000百万円(前年同期比10.2%増)、営業利益450,000百万円(前年同期比18.1%増)の業績予想をしています。売上高は3兆円突破を予想しています。

ファーストリテイリング連結決算(売上高/営業利益)

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1995年8月        48,692百万円      4,164百万円
1996年8月        59,959百万円      4,441百万円
1997年8月        75,020百万円      5,263百万円
1998年8月        83,120百万円      6,011百万円
1999年8月      111,081百万円     14,343百万円
2000年8月      228,985百万円     60,627百万円
-----------------------------------------
2001年8月      418,561百万円   102,081百万円
2002年8月      344,170百万円     50,418百万円
2003年8月      309,789百万円     41,308百万円
2004年8月      339,999百万円     63,954百万円
2005年8月      383,973百万円     56,692百万円
2006年8月      448,819百万円     70,355百万円
2007年8月      525,203百万円     64,963百万円
2008年8月      586,451百万円     87,493百万円
2009年8月      685,043百万円   108,639百万円
2010年8月      814,811百万円   132,378百万円
-----------------------------------------
2011年8月      820,349百万円   116,365百万円
2012年8月      928,669百万円   126,450百万円
2013年8月   1,142,971百万円   134,101百万円
2014年8月   1,382,935百万円   130,402百万円
2015年8月   1,681,781百万円   164,463百万円
2016年8月   1,786,473百万円   127,292百万円
2017年8月   1,861,917百万円   176,414百万円
2018年8月   2,130,060百万円   236,212百万円
2019年8月   2,290,548百万円   257,636百万円
2020年8月   2,008,846百万円   149,347百万円
-----------------------------------------
2021年8月   2,132,992百万円   249,011百万円
2022年8月   2,301,122百万円   297,325百万円
2023年8月   2,766,557百万円   381,090百万円

2024年8月期予想
2024年8月   3,050,000百万円   450,000百万円(会)
2024年8月   3,056,333百万円   431,260百万円(コ)

(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2023年10月14日時点の数値です。



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2023年8月27日 (日)

アメリカの半導体大手「エヌビディア(NVIDIA)」が驚異的な好決算! 来期には圧倒的王者だった「インテル」を売上高で抜くかも?

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-エヌビディア(NVIDIA)-
 アメリカの半導体大手「エヌビディア(NVIDIA)」の本社所在地は「2788 San Tomas Expressway Santa Clara, CA 95051 USA」です。「シリコンバレー」のど真ん中であるカリフォルニア州サンタクララにあります。「ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港」のすぐ西側です。「アップル」の本社とも比較的近いです(Googleマップの衛星写真を引用)。

 2023年8月23日に2024年1月第2四半期決算(2023年5~7月)を発表しましたが、超絶に凄い好決算だったので大変話題になっています。売上高が前年同期比101.5%増の135.1億ドル(1$=145円と仮定して1兆9589億円)となり、過去最高を更新しました。第3四半期決算(8月~10月)の売上高はさらに増加して前年同期比169.8%増の160.0億ドル(2兆3200億円)の見込みです。

● 急成長を牽引する超高性能GPU「H100」
 エヌビディアが得意とする「GPU(Graphics Processing Unit)」は、画像処理に特化した演算装置あるいはプロセッサです。最近は、生成AIのプロセッサとして注目されています。生成AIは文章や画像などを生成できる技術で、「ChatGPT(チャットGPT)」などの話題の技術の基礎となっています。

 元々「GPU」は、ゲーミング市場が中心でしたが、今は「データセンター」向けが圧倒的に多いです。「データセンター」のサーバーに大量の「GPU」が採用されています。

 成長を牽引するのが超高性能GPU「H100」です。エヌビディアはファブレス企業(自社で製造せず、半導体の開発・設計に特化)です。「H100」は、台湾の「TSMC」の4ナノラインで製造されています。「H100」は非常に高価ですが、各社が競って購入しています。

 エヌビディア
 NVIDIA H100 Tensor コア GPU


Nvidia230812

エヌビディアの連結決算
 「エヌビディア」は、1993年4月5日に設立されました。設立から約30年で、「(1)アップル、(2)マイクロソフト、(3)サウジアラムコ、(4)アルファベット、(5)アマゾン・ドット・コム、(6)エヌビディア」と世界6位の時価総額を誇る超優良企業に成長しました。2023年8月25日の終値時点での時価総額は1,136,644,600.00千ドルです。1$=145円と仮定して約165兆円です。凄すぎる・・・

エヌビディアの連結決算(売上高/営業利益) 
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2011年1月     3,543,309千ドル      255,747千ドル
2012年1月     3,997,930千ドル      648,299千ドル
2013年1月     4,280,159千ドル      648,239千ドル
2014年1月     4,130,162千ドル      496,227千ドル
2015年1月     4,681,507千ドル      758,989千ドル
2016年1月     5,010,000千ドル      747,000千ドル
2017年1月     6,910,000千ドル    1,934,000千ドル  
2018年1月     9,714,000千ドル    3,210,000千ドル
2019年1月   11,716,000千ドル    3,896,000千ドル
2020年1月   10,918,000千ドル    2,846,000千ドル
-----------------------------------------
2021年1月   16,675,000千ドル    4,532,000千ドル
2022年1月   26,914,000千ドル   10,041,000千ドル
2023年1月   26,974,000千ドル    4,224,000千ドル 

2024年1月期予想
2024年1月   55,000,000千ドル   27,300,000千ドル
(楽天証券の予想値)

2024年1月四半期別の売上高
第1四半期(02月~04月)     71.9億ドル
第2四半期(05月~07月)   135.1億ドル
第3四半期(08月~10月)   160.0億ドル(予想)
第4四半期(11月~01月)   未発表

● 来期には王者インテルの売上高を抜くかも?
 仮に第4四半期の売上高も160億ドルと仮定すると通期の売上高が527億ドル(1$=145円と仮定して7兆6415億円)となります。ちなみに「楽天証券」の予想は売上高550億ドル(7兆9750億円)、営業利益273億ドル(3兆9585億円)です。「インテル」の2022年12月期の売上高が630億ドル(正確には63,054,000千ドル)です。早ければ来期に売上高の逆転が起きそうです。

 アメリカで半導体の王者であるインテルの売上高を抜く企業が現れるなんて夢にも思っていませんでした。そういえば1960年代~1980年代まで圧倒的な強さを誇っていた「IBM」も今はあまり目立ちません。凄い企業が次々と現れて既存の序列をあっという間に変えていくのがアメリカの強さの根源だと思います。

インテルの連結決算(売上高/営業利益) 
-----------------------------------------
2018年12月   70,848,000千ドル   23,316,000千ドル
2019年12月   71,965,000千ドル   22,035,000千ドル
2020年12月   77,867,000千ドル   23,678,000千ドル
-----------------------------------------
2021年12月   79,024,000千ドル   19,456,000千ドル
2022年12月   63,054,000千ドル     2,334,000千ドル



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2023年8月18日 (金)

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(旧:ドンキホーテHD) 2023年6月期連結決算 25年(四半世紀)で売上高が約80倍に拡大!

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-PPIH-

 「PPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)」の本社は、東京都目黒区青葉台二丁目19番10号にあります。1978年10月に西荻窪に雑貨店「泥棒市場」を開業、1989年3月に府中市に「ドン・キホーテ」1号店となる府中店をオープンしました。

 1995年9月に商号を「ドン・キホーテ」に変更しました。2013年12月に商号を「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」に変更し、純粋持株会社体制に移行しました。

 2007年10月に総合スーパーの「長崎屋」を連結子会社化、2019年1月には、総合スーパーの「ユニー」の株式を60%追加取得したことにより、「ユニー」を連結子会社(完全子会社)としました。これにより会社規模が一気に拡大しました。

● 25年(四半世紀)で売上高が約80倍!
 2023年6月期の売上高1,936,783百万円を1998年6月期の売上高24,481百万円で割ると79.1になります。四半世紀(25年)で売上高が約80倍に拡大しています。

 2000年代中頃までは、「ドン・キホーテ」はどちらかというと流通業界の「異端児」扱いでしたが、2007年10に「長崎屋」を連結子会社化、2019年1月に「ユニー」を連結子会社したことにより企業規模を急拡大し、2024年6月期の連結業績では、売上高2兆円突破を予想しています。短期間で流通業界の「勝ち組」である凄い会社に成長しました。


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2023年6月期の連結業績

 「PPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)」は、2023年8月16日に「2023年6月期決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。売上高1,936,783百万円(前期比5.8%増)、営業利益105,259百万円(前期比18.7%増)と売上高・営業利益共に過去最高を記録しました。

 PPIH(PDF:2023/08/16)
 2023年6月期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年6月期の連結業績予想
 2024年6月期の連結業績予想(2023年7月1日~2024年6月30日)は、売上高2,062,100百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益111,000百万円(前年同期比5.5%増)の業績予想をしています。売上高2兆円突破を予想しています。

PPIHの連結決算(売上高/営業利益)
-------------------------------------
1997年6月       14,625百万円        755百万円
1998年6月       24,481百万円      1,303百万円
1999年6月       45,715百万円      3,131百万円
2000年6月       73,402百万円      4,639百万円
-----------------------------------------
2001年6月       94,716百万円      6,011百万円
2002年6月      115,428百万円      6,916百万円
2003年6月      158,619百万円      9,165百万円
2004年6月      192,839百万円     10,611百万円
2005年6月      232,778百万円     10,814百万円
2006年6月      260,779百万円     11,854百万円
2007年6月      300,660百万円     13,586百万円
2008年6月      404,924百万円     15,981百万円
2009年6月      480,856百万円     17,172百万円
2010年6月      487,571百万円     21,067百万円
-----------------------------------------
2011年6月      507,661百万円     25,336百万円
2012年6月      540,255百万円     29,320百万円
2013年6月      568,377百万円     32,369百万円
2014年6月      612,424百万円     34,292百万円
2015年6月      683,981百万円     39,103百万円
2016年6月      759,592百万円     43,185百万円
2017年6月      828,798百万円     46,185百万円
2018年6月      941,508百万円     51,568百万円
2019年6月   1,328,874百万円     63,110百万円
2020年6月   1,681,947百万円     75,424百万円
-----------------------------------------
2021年6月   1,708,635百万円     81,306百万円
2022年6月   1,831,280百万円     88,688百万円
2023年6月   1,936,783百万円   105,259百万円

2024年6月期予想
2024年6月   2,062,100百万円   111,000百万円(会)
2024年6月   2,053,188百万円   113,200百万円(コ) 

(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2023年8月18日時点の数値です。

 2019年6月期と2020年6月期に売上高が急激に増加しているのは、「ユニー」を連結子会社化したためです。連結子会社化が2019年1月と期中だったため、増加分が2019年6月期と2020年6月期に分散されました。



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2023年8月17日 (木)

超優良企業 半導体製造装置メーカーの「東京エレクトロン」 「東京エレクトロン」の決算に見るシリコンサイクルの振れ幅の凄まじさ!

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-東京エレクトロン-
 「東京エレクトロン」は、1963年11月に「東京放送(現:TBSホールディングス)」の出資により、「東京エレクトロン研究所」として設立されました。1978年10月には「東京エレクトロン」に社名変更しています。

 「東京エレクトロン」の本社は、「赤坂Bizタワー」にあります。なぜ「赤坂Bizタワー」にあるかというと「TBSホールディングス」と「東京エレクトロン」は親子関係にあるためです。現在は関係が薄れていますが、現在でも「TBSホールディングス」は、「東京エレクトロン」の株式の4%弱を保有しています。

 2022年時点で、「東京エレクトロン」は、世界3位の半導体製造装置メーカーです。1位は「アプライド・マテリアルズ(アメリカ)」、2位は「ASMLホールディング(オランダ)」、4位は「ラムリサーチ(アメリカ)」です。

● シリコンサイクルの谷間
 「東京エレクトロン」は、2023年8月10日に2024年3月期第1四半期の決算を発表しました。2023年4月1日~2023年6月31日の連結決算では、売上高3917億円(前年同期比17.3%減)、営業利益824億円(前年同期29.9%減)となりました。

 パソコンやスマートフォン市場の調整が長期化し、景気も減速する中で顧客が先端半導体向けを中心に装置への投資を抑えたことが響きました。決算説明会で、執行役員は「7月~9月期以降、売り上げは徐々に増えていく」と底打ち感を強調しています。


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東京エレクトロンの連結業績
 「東京エレクトロン」は、2023年8月10日に「2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結決算では、売上高391,746百万円(前年同期比17.3%減)、営業利益82,433百万円(前年同期29.9%減)となりました。

 東京エレクトロン 決算短信(PDF:2023/08/10)
 2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期の連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)は、売上高1,700,000百万円(前年同期比23.0%減)、営業利益393,000百万円(前年同期比36.4%減)と、売上高・営業利益共に大幅な減収減益を予想しています。

東京エレクトロンの連結決算(売上高/営業利益)
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1999年3月     313,820百万円     6,382百万円
2000年3月     440,728百万円    35,816百万円
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2001年3月     723,880百万円   121,086百万円
2002年3月     417,825百万円  △18,310百万円
2003年3月     460,580百万円      1,118百万円
2004年3月     529,653百万円    22,279百万円
2005年3月     635,710百万円    63,982百万円
2006年3月     673,686百万円    75,703百万円
2007年3月     851,975百万円   143,978百万円
2008年3月     906,091百万円   168,498百万円
2009年3月     508,082百万円    14,710百万円
2010年3月     418,636百万円   △2,180百万円
-----------------------------------------
2011年3月     668,722百万円    97,870百万円
2012年3月     633,091百万円    60,443百万円
2013年3月     497,299百万円    12,548百万円
2014年3月     612,170百万円    32,204百万円
2015年3月     613,124百万円    88,113百万円
2016年3月     663,948百万円   116,788百万円
2017年3月     799,719百万円   155,697百万円
2018年3月  1,130,728百万円   281,172百万円
2019年3月  1,278,240百万円   310,571百万円
2020年3月  1,127,286百万円   237,292百万円
-----------------------------------------
2021年3月  1,399,102百万円   320,685百万円
2022年3月  2,003,805百万円   599,271百万円
2023年3月  2,209,025百万円   617,723百万円

2024年3月期予想
2024年3月  1,700,000百万円   393,000百万円(会)
2024年3月  1,730,492百万円   401,933百万円(コ) 

(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2023年8月17日時点の数値です。

● シリコンサイクル
 2001年3月期のITバブル、2007年3月期・2008年3月期のプチバブル、2022年3月期・2023年3月期がピークとなっています。シリコンサイクルで好不況が周期的にやってくるため業績の振れが非常に激しいです。

 技術革新のスピードが早い半導体産業では、設備投資や在庫管理のタイミングの調整が非常に難しいです。製品の世代が変わる時期に、需給と供給のバランスが崩れやすいです。好景気には大量に発注が集中して供給が不足しますが、不景気には需要が急減して供給過剰となります。他の産業と比べても半導体産業は、特に山が高く、谷が深いです。



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2023年8月15日 (火)

スーパーゼネコン(鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設) 2024年3月期第1四半期決算短信が出揃う 強い「鹿島建設」、追う「大林組」の構図!

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-スーパーゼネコン5社-
 非上場企業の「竹中工務店」を除く、スーパーゼネコン4社の2024年3月期第1四半期決算短信が出揃いました。2023年7月28日に「清水建設」、8月7日に「大林組、大成建設」、8月9日に「鹿島建設」の決算発表がありました。建設業界は、原材料価格の高騰などの影響を受けて、経営環境は厳しい状況が続いています。

 スーパーゼネコンは、「鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店(売上高順)」の5社を指します。「鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設」は上場企業ですが、「竹中工務店」は非上場企業です。

 ここ数年は「鹿島建設」の強さが際立っています。それを「大林組」が懸命に追う構図になっています。マンション建設に特化した「長谷工コーポレーション」は、売上高が1兆円を超えて、スーパーゼネコンに次ぐ位置を確保しています。

5社の2024年3月期連結決算予想(売上高/営業利益)
1位 鹿島建設-2,480,000百万円(142,000百万円)
2位 大林組-2,280,000百万円(74,000百万円)
3位 清水建設-1,945,000百万円(57,500百万円)
4位 大成建設-1,760,000百万円(64,000百万円)
5位 竹中工務店-1,490,000百万円(27,000百万円)
6位 長谷工コーポレーション-1,080,000百万円(88,000百万円)
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参考 大和ハウス工業-4,920,000百万円(380,000百万円)
参考 積水ハウス-3,080,000百万円(265,000百万円)

5社の2023年3月期連結決算(売上高/営業利益)
1位 鹿島建設-2,391,579百万円(123,526百万円)
2位 大林組-1,983,888百万円(93,800百万円)
3位 清水建設-1,933,814百万円(54,647百万円)
4位 大成建設-1,642,712百万円(54,740百万円)
5位 竹中工務店-1,375,400百万円(28,300百万円)
6位 長谷工コーポレーション-1,027,277百万円(90,162百万円)
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参考 大和ハウス工業-4,908,199百万円(465,370百万円)
参考 積水ハウス-2,928,835百万円(261,489百万円)

(備考)「鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、長谷工コーポレーション」は3月決算です。「竹中工務店」は12月決算です。「積水ハウス」は1月決算です。「竹中工務店」は非上場企業ですが、上場企業の「決算短信」に相当する「決算概要」を発表しています。


Generalcontractor220511
売上高1位 鹿島建設
 「鹿島建設」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高583,471百万円(前年比+16.8%)、営業利益24,891百万円(前年比+31.9%)です。

 鹿島建設(PDF:2023/08/09)
 2024年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高2,480,000百万円(前年比+3.7%)、営業利益142,000百万円(前年比+15.0%)となっています。


Generalcontractor220512
売上高2位 大林組

 「大林組」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高487,444百万円(前年比+18.8%)、営業利益4,167百万円(前年比△50.6%)です。

 大林組(PDF:2023/08/07)
 2024年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高2,280,000百万円(前年比+14.9%)、営業利益74,000百万円(前年比△21.1%)となっています。


Generalcontractor220514
売上高3位 清水建設

 「清水建設」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高441,361百万円(前年比+14.7%)、営業利益5,937百万円(前年比+79.4%)です。

 清水建設(PDF:2023/07/28)
 2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高1,945,000百万円(前年比+0.6%)、営業利益57,500百万円(前年比+5.2%)となっています。


Generalcontractor220513
売上高4位 大成建設

 「大成建設」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高328,914百万円(前年比△0.2%)、営業利益△8,040百万円(前年比--%)です。

 大成建設(PDF:2023/08/07)
 2024年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高1,760,000百万円(前年比+7.1%)、営業利益64,000百万円(前年比+16.9%)となっています。


Generalcontractor220515
売上高5位 竹中工務店

 「竹中工務店」は、非上場企業のため四半期ごとの決算は発表していません。

 竹中工務店(2023/02/27)
 2022年度(第85期)決算概要 及び 次期業績見通し

● 2023年12月期の連結業績予想
 2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績予想は、売上高1,490,000百万円(前年比+8.3%)、営業利益27,000百万円(前年比△4.7%)となっています。


Tokyohaseko230811
売上高6位 長谷工コーポレーション

 「長谷工コーポレーション」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高263,919百万円(前年比+12.7%)、営業利益22,573百万円(前年比+13.1%)です。

 長谷工コーポレーション(PDF:2023/08/09)
 2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高1,080,000百万円(前年比+5.1%)、営業利益88,000百万円(前年比△2.4%)となっています。



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2023年8月14日 (月)

不動産大手5社(三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産HD、野村不動産HD) 2024年3月期第1四半期決算短信が出揃う!

Tokyotrading220811
-不動産大手5社-
 不動産大手5社の2024年3月期第1四半期決算短信が出揃いました。2023年7月27日に「野村不動産ホールディングス」、8月4日に「三井不動産」、8月7日に「東急不動産ホールディングス」、8月10日に「三菱地所、住友不動産」の決算発表がありました。

不動産大手5社の2024年3月期連結決算予想(売上高/営業利益)
1位 三井不動産-2,300,000百万円(330,000百万円)
2位 三菱地所-1,469,000百万円(264,000百万円)
3位 東急不動産HD-1,120,000百万円(112,000百万円) 
4位 住友不動産-970,000百万円(255,000百万円)
5位 野村不動産HD-750,000百万円(103,000百万円)

参考
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6位 ヒューリック-503,133百万円(141,378百万円)
7位 東京建物-413,000百万円(66,000百万円)

(備考)「三井不動産、三菱地所、東急不動産HD、住友不動産、野村不動産HD)」は2024年3月期決算、「ヒューリック、東京建物」は2023年12月期決算の数値です。「ヒューリック」のみアナリスト予想(コンセンサス)です。

不動産大手5社の2023年3月期連結決算(売上高/営業利益)
1位 三井不動産-2,269,103百万円(305,405百万円)
2位 三菱地所-1,377,827百万円(296,702百万円)
3位 東急不動産HD-1,005,836百万円(110,410百万円)
4位 住友不動産-939,904百万円(241,274百万円)
5位 野村不動産HD-654,735百万円(99,598百万円)

参考
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6位 ヒューリック-523,424百万円(126,147百万円)
7位 東京建物-349,940百万円(64,478百万円)


Tokyocompany220511
売上高1位 三井不動産

 「三井不動産」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高561,364百万円(前年比△2.7%)、営業利益80,410百万円(前年比+4.3%)です。

 三井不動産(PDF:2023/08/04)
 2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高2,300,000百万円(前年比+1.4%)、営業利益330,000百万円(前年比+8.1%)となっています。


Tokyocompany220512
売上高2位 三菱地所

 「三菱地所」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高292,465百万円(前年比△4.2%)、営業利益48,400百万円(前年比△42.0%)です。

 三菱地所(PDF:2023/08/10)
 2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2023年4月31日)の連結業績予想は、売上高1,469,000百万円(前年比+6.6%)、営業利益264,000百万円(前年比△11.0%)となっています。


Tokyocompany220514
売上高3位 東急不動産ホールディングス
 「東急不動産ホールディングス」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高253,104百万円(前年比+14.9%)、営業利益34,527百万円(前年比+38.7%)です。

 東急不動産ホールディングス(PDF:2023/08/07)
 2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高1,120,000百万円(前年比+11.4%)、営業利益112,000百万円(前年比+1.4%)となっています。


Tokyocompany220513
売上高4位 住友不動産
 「住友不動産」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高253,138百万円(前年比+3.9%)、営業利益78,151百万円(前年比+6.2%)です。

 住友不動産(PDF:2023/08/10)
 2024年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高970,000百万円(前年比+3.2%)、営業利益255,000百万円(前年比+5.7%)となっています。


Tokyocompany220515
売上高5位 野村不動産ホールディングス

 「野村不動産ホールディングス」の2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高209,366百万円(前年比+4.8%)、営業利益38,485百万円(前年比+3.2%)です。

 野村不動産ホールディングス(PDF:2023/07/27)
 2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想は、売上高750,000百万円(前年比+14.5%)、営業利益103,000
百万円(前年比+3.4%)となっています。


Tokyocompany220516
売上高6位 ヒューリック
 「ヒューリック」の2023年12月期第2四半期(2023年1月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高183,950百万円(前年比△25.6%)、営業利益66,650百万円(前年比+16.7%)です。

 ヒューリック(PDF:2023/07/28)
 2023年12月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2023年12月期の連結業績予想(コンセンサス)
 2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績予想は、売上高503,133百万円(前年比△3.9%)、営業利益141,378百万円(前年比+12.1%)となっています。「ヒューリック」は、売上高予想を発表していません。そのため「アナリスト予想(コンセンサス)」です。


Tokyocompany220517
売上高7位 東京建物

 「東京建物」の2023年12月期第2四半期(2023年1月1日~2023年6月31日)の連結業績は、売上高179,670百万円(前年比△16.5%)、営業利益36,050百万円(前年比△25.2%)です。

 東京建物(PDF:2023/08/10)
 2023年12月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

● 2023年12月期の連結業績予想
 2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績予想は、売上高413,000百万円(前年比+18.0%)、営業利益66,000
百万円(前年比+2.4%)となっています。



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2023年5月21日 (日)

リクルートホールディングス 「Indeed(インディード)」の買収で成長が加速 2023年3月期の売上高3,429,519百万円 売上高3兆円を大幅に突破!

Tokyorecruit220511
-リクルートホールディングス-
 「リクルートホールディングス(Recruit Holdings Co.,Ltd.)」は、求人広告、人材派遣、販売促進、ITソリューションなどのサービスを手掛けるリクルートグループの持株会社です。「ホットペッパー グルメ、じゃらんnet、SUUMO(スーモ)」などのサービスがお馴染みです。

 青色の反射ガラスで覆われた「リクルートGINZA8ビル」は、銀座八丁目のランドマークとなっています。リクルートの本社は「リクルートGINZA8ビル」にあると思っている方が多いと思いますが、「リクルートホールディングス」と「リクルート」の本社は、東京駅八重洲口の「グラントウキョウサウスタワー」にあります。

● 人材サービスで世界最大手が視野に!
 
「リクルートホールディングス」は、近年業績が急拡大しています。2023年3月期の連結決算では、売上高3,429,519百万円(前年同期比19.4%増)、営業利益344,303百万円(前年同期比9.1%減)となりました。売上高が3兆円を大幅に突破しました。

 人材サービスで世界最大手が視野に入って来ました。ちなみに世界最大手の人材サービス会社は「アデコ(スイス)」です。業績急拡大の多くの部分を求人検索サイト「インディード(Indeed)」が支えています。 ”♪ 仕事探しはインディード バイト探しもインディード ♪” のCMでお馴染みのあの「インディード」です。


Tokyorecruit220512
リクルートホールディングスの連結決算

 「リクルートホールディングス」は、2023年5月15日に「2023年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)」を発表しました。2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結決算では、売上高3,429,519百万円(前年同期比19.4%増)、営業利益344,303百万円(前年同期比9.1%減)となりました。

 リクルートホールディングス 決算短信(PDF:2023/05/15)
 2023年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期の連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)は、「リクルートホールディングス」は発表していません。ちなみにアナリスト予想(コンセンサス)では、売上高3,406,023百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益343,703百万円(前年同期比0.2%減)と予想しています。

リクルートホールディングスの連結決算(売上高/営業利益)
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2007年3月      756,973百万円  (経常利益161,469百万円)
2008年3月   1,006,635百万円  (経常利益162,925百万円)
2009年3月   1,083,932百万円  113,157百万円
2010年3月      793,329百万円    71,513百万円
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2011年3月      752,688百万円    90,483百万円
2012年3月      806,661百万円  115,043百万円
2013年3月   1,049,200百万円  124,900百万円
2014年3月   1,191,500百万円  117,400百万円

2014年10月16日 東京証券取引所市場第一部に上場

2015年3月  1,299,930百万円  122,499百万円
2016年3月  1,588,623百万円  114,032百万円
2017年3月  1,941,922百万円  193,513百万円
2018年3月  2,173,385百万円  191,794百万円
2019年3月  2,310,756百万円  223,090百万円
2020年3月  2,399,465百万円  206,011百万円
-----------------------------------------
2021年3月  2,269,346百万円  162,823百万円
2022年3月  2,871,705百万円  378,929百万円
2023年3月  3,429,519百万円  344,303百万円

2024年3月予想 
2024年3月  3,406,023百万円  343,703百万円(コ)

(備考)2024年3月期予想は、リクルートホールディングスが未発表のためコンセンサス(アナリスト予想)のみになります。


Tokyorecruit220513
人材業界のGoogleと呼ばれるIndeed(インディード)
 「Indeed(インディード)」は、アメリカのテキサス州オースティンに本社を置く求人情報専門の検索エンジンです。2012年10月に、アメリカ大手新聞「ニューヨーク・タイムズ」が保有していた株式をリクルートが買収、リクルートの完全子会社となりました。

 買収額は当時の為替レートで965億円でした。買収時は高値掴みとかいろいろ言われ、社内外では懐疑的な意見が大半でした。しかし、「インディード」の買収は大成功を収め、インディードは今や「人材業界のGoogle」と呼ばれるまでに大化けし、リクルートのドル箱となっています。

 「インディード」の買収効果によって、2012年3月期に3%だった「リクルートホールディングス」の海外売上高比率は2022年3月期で56%になるなど、10年ちょっとで大幅なグローバル化を遂げています。



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