米証券会社「リーマン・ブラザーズ」の経営破綻で思うこと
-リーマン・ブラザーズ-
写真は「六本木ヒルズ・森タワー」の空撮ですが、米証券会社「リーマン・ブラザーズ」のアジア太平洋地域の統括本部が入っています。
昨日、業績不振に陥っていた米証券会社4位の「リーマン・ブラザーズ」が、自力再建を断念し、連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請しました。
今年の3月に救済されるような形で「JPモルガン・チェース」に買収された米証券会社5位の「ベアー・スターンズ」、1週間前に公的資金の投入が決まった米政府系住宅金融機関の「ファニーメイ」と「フレディマック」とアメリカ政府は3度目の決断を迫られました。しかし今回は公的支援は行われず、「リーマン・ブラザーズ」は経営破綻しました。
次のターゲットと言われていた米証券会社3位の「メリルリンチ」も「バンク・オブ・アメリカ」に買収される事が決まり、アメリカの証券会社大手5社のうち3位、4位、5位がわずか半年の間に姿を消すことになりました。
市場はさらに次のターゲットを探しています。現在日本でもおなじみの大手保険会社が狙い撃ちされ株価が急落しています。
今の状況は、山一証券や北海道拓殖銀行が経営破綻した1997年11月頃の日本にそっくりです。
日本の場合はその後、「日本長期信用銀行(長銀)」や「日本債券信用銀行(日債銀)」の破綻処理(一時国有化)などと連鎖的に危機が続き、大手銀行に大規模な公的資金の投入が決まった1999年春まで金融危機は続きました。
「アメリカは、日本と違って傷が浅く、日本の失敗に学んで処理が早い」と言われていましたが、でも今起こっている状況を見ているととても傷が浅いとは思えません。
-何が正しいでしょうか?-
私は、アメリカは日本のバブル崩壊に学び、日本のような失敗は犯さないと思っていました。それにグローバル化や規制緩和は正しいと思っていました。
だから日本の内向きや改革に後ろ向きの姿勢にイライラしていました。このままでは日本はガラパゴス諸島のように進化に取り残され衰退していくと危機感を持っていました。
でも今回の状況を見ていると、金融工学が欧米の金融機関に比べて遅れている日本の金融機関が一番損害が少ないです。
遅れていたことが逆にプラスになり、まるでオセロをひっくり返したような状態で立場が逆転しています。
「何が正しい」のか「どのやり方が正しい」のかは後からでないと判断できない事を今回改めて思いました。
究極までに経済を自由化し金融に特化し空前の繁栄をしているイギリス、新興国と激烈な競争の中で製造業を究極まで追求し続け苦しむ日本、同じような島国ですがどちらの判断が正しいのかでしょうか?
今はイギリスの勝ちのように見えますが、オセロがひっくり返りました。今後どうなるかは「神のみぞ知る」ですね。
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