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2009年11月 1日 (日)

成田国際空港 ILS(計器着陸装置)の「グライドスロープ」と「T-DME」の空撮!

Chibanarita091011
「グライドスロープ」と「T-DME」-
 少し前にUPした「VOR/DME(ヴォルデメもしくはボルデメと読みます)」に続き、今回もちょっとオタッキーな話になりますが、ご容赦下さい。「VOR/DME」と同じく知っていても多分、何の役にも立たないと思いますが・・・(笑)
 
 航空機の着陸は、常に天候がいい状態とは限りません。悪天候や霧などで極端に視界が悪い場合もあります。
 その時に威力を発揮するのが、「ILS: Instrument Landing System)」つまり「計器着陸装置」です。滑走路への進入コースを電波で発信し、着陸コースを形成します。
 
 「ILS」は、3つのシステムの複合体です。なぜ3つ必要かというと、航空機は縦・横・距離(奥行)の3次元運動で着陸するからです。
 航空機は、
「接地点標識」を目標に着陸しますが、「グライドスロープ」が縦方向、「ローカライザー」が横方向、「T-DME」が距離(奥行)の情報を提供します。
 
(1)グライドスロープ(GS:Glide Slope)
 航空機に着陸進入の角度情報を提供しています。進入角度の上下で異なる2種類の周波数の電波を出すことで”角度”を判定し、コクピットに伝えます。
 滑走路の「接地点標識」の左右どちらかに、多くの場合「T-DME」とセットで設置されています
 
(2)T-DME(Terminal Distance Measuring Equipment)

 航空機に接地点標識までの”距離”を電波で知らせます。滑走路の「接地点標識」の左右どちらかに、多くの場合「グライドスロープ」とセットで設置されています。
 距離を知らせるシステムには、空港外などの進入コースの真下に設置する「マーカービーコン」というのもありますが、日本には海上空港も多く、どこでも設置できる訳ではありません。
 
(3)ローカライザー(Localizer)
 滑走路の延長上に滑走路と垂直に設置された横長のアンテナ装置です。着陸のため進入中の航空機に対し滑走路中心から”左右のずれ”を電波によって示します。
 「ローカライザー」は、「グライドスロープ」や「T-DME」と違い、滑走路の反対側のランウェイ端に設置されます。「16R」側から着陸する場合は、「34L」側の「ローカライザー」を使用します。
 
 「グライドスロープ」、「T-DME」、「ローカライザー」の3点セットは大きな空港であればほとんど設置されています。
 ただし複数の滑走路がある空港ではすべての滑走路に設置されているとは限りません。また滑走路の片側のみに設置される場合がほとんどです。
 
 詳しくは → 国土交通省(ILS配置図)
 
 ILSは、性能がすべて同じではなくいろいろなカテゴリがあります。特に霧の発生が多い「
釧路空港」、「成田国際空港」、「熊本空港」などには「CAT-Ⅲb 」という最高カテゴリのILSが設置されています。
 「CAT-Ⅰ」、「CAT-Ⅱ」、「CAT-Ⅲb」 の違いは国土交通省のホームページで見る事が出来ます。特に「CAT-Ⅲb 」は、ほとんど滑走路が見えない状態で着陸できるすぐれものです。
 
 詳しくは → 国土交通省(
高カテゴリー運航の概要

(注意) 「接地点標識」は、「目標点標識(Aiming point marking)」に名称が変更になっています。
 
 
Chibanarita091012
「大阪国際空港」の「グライドスロープ」と「T-DME」です。背の高い方が「グライドスロープ」で、棒状のものが「T-DME」です。
 四角い箱状のものは、これらを制御する機器が入っています。航空法により赤と白に塗られています。

 
 
Chibanarita091013
「神戸空港」の「グライドスロープ」と「T-DME」です。
 
 
Chibanarita091014
「神戸空港」の「ローカライザー」です。

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