
-横浜みなとみらい21地区-
「みなとみらい21地区」は、2023年11月8日に事業着工から40周年を迎えます。今後は、研究開発拠点や音楽施設、ミュージアムが重層的に集積する特徴を生かして、都市型の文化や産業を醸成・発信するとともに、社会的課題である脱炭素についても先行的に取組んでいきます。
あわせて、みなとみらい21地区着工40周年記念事業実行委員会は、40周年を契機に様々なイベントを展開し、これまでの軌跡や、みなとみらいの未来のビジョンを感じられるような機会を設けます。
一般社団法人横浜みなとみらい21
みなとみらい21 40周年
みなとみらいは、既に96%以上が開発され、商業の他、研究開発拠点、音楽施設、ミュージアムなどが集積し、様々な分野の人材が集まる街に成長しました。これからは、建設の時代から、次のステージへ向かいます。
● 東京から大企業の本社が次々と移転!
関西では「大阪市」に対して、「神戸市、京都市」が露骨にライバル心を燃やしています。理想は「関西は一つ」ですが、実際は「関西は一つ一つ」です。しかし、首都圏では「横浜市、さいたま市、千葉市」は「東京都」に対しては表立ってはライバル心を見せません。
東京都の発展が「横浜市、さいたま市、千葉市」の発展に繋がる事が分かっているからです。言い方は悪いですが、東京都に対する「小判鮫商法」ですが、これは非常に賢い戦略だと思います。
「みなとみらい21地区」は、東京の新宿や渋谷のように東京の副都心のような戦略をとっています。「東海道本線」を使うと東京駅-横浜駅間はわずか26分~28分程度です。
国際化が著しい「羽田空港」にも「京急エアポート急行」を使うと直結しています。交通至便な「みなとみらい21地区」には、企業誘致に熱心な横浜市の施策も功を奏し、企業の本社や研究開発拠点の集積が加速しています。
「みなとみらい21地区」には、東京から大企業の本社が次々と移転してきています。「みなとみらい21地区」はもはや東京の副都心の1つと言っても過言ではありません。
今回は、東京から「みなとみらい21地区」に本社を移転した年商2,000億円以上の5社「日産自動車、いすゞ自動車、オーケー、京浜急行電鉄、ジャパンマリンユナイテッド」を特集してみました。
日産自動車(東証プライム市場)
「日産自動車グローバル本社」は、日産自動車の本社機能やギャラリーなどを備えたオフィスビルです。「日産自動車」は、2009年8月に長らく本社のあった東京・東銀座から「横浜みなとみらい21地区」の「日産自動車グローバル本社」に本社を移転しました。
「日産自動車」の2023年3月期の連結決算は、売上高10,596,695百万円、営業利益377,109百万円です。2024年3月期の連結決算は、売上高12,600,000百万円、営業利益550,000百万円を予想しています。
日産自動車グローバル本社の概要
◆ 計画名-(仮称)日産自動車株式会社 本社屋 建築計画
◆ 所在地-神奈川県横浜市西区高島一丁目1番1号
◆ 交通-JR「横浜」駅徒歩7分、京急線「横浜」駅徒歩7分、みなとみらい線「新高島」駅徒歩5分
◆ 階数-地上22階、塔屋2階、地下2階
◆ 高さ-最高部99.404m、軒高98.444m
◆ 敷地面積-10,000.14㎡
◆ 建築面積-7,924.80㎡
◆ 延床面積-92,329.89㎡
◆ 構造-鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造
◆ 地震対策-制震構造
◆ 用途-オフィス、展示場、集会場、店舗
◆ 建築主-日産自動車
◆ 設計者・監理者-竹中工務店
◆ 施工者-清水建設
◆ 着工-2007年01月13日(起工式)
◆ 竣工-2009年08月02日(竣工式)
◆ オープン-2009年08月08日(日産グローバル本社ギャラリーオープン)、2009年08月18日(業務開始)
いすゞ自動車(東証プライム市場)
「いすゞ自動車」が創業の地である大森(東京都品川区南大井)から、2022年5月9日に本社を「横濱ゲートタワー」に移転し、業務を開始しました。
「いすゞ自動車」の2023年3月期の連結決算は、売上高3,195,537百万円、営業利益253,546百万円です。2024年3月期の連結決算は、売上高3,300,000百万円、営業利益260,000百万円を予想しています。
● UDトラックス(旧日産ディーゼル工業)を買収
「いすゞ自動車」は2019年12月にボルボとの業務提携を発表し、ボルボの完全子会社「UDトラックス(旧日産ディーゼル工業)」を買収すると発表し、2021年4月1日に買収手続きが完了しました。買収価格は2,430億円です。
「日産自動車」の傘下だった「UDトラックス(旧日産ディーゼル工業)」を「いすゞ自動車」が買収し、その「いすゞ自動車」が、「日産自動車グローバル本社」のすぐ近くに本社を移転したのは何か因縁めいたものを感じます。
横濱ゲートタワーの概要
◆ 計画名-(仮称)横濱ゲートタワープロジェクト
◆ 所在地-横浜市西区高島一丁目2番5号(みなとみらい21地区58街区)
◆ 交通-JR線・東急東横線・京急本線「横浜」駅徒歩6分、相鉄線「横浜」駅徒歩9分、横浜市営地下鉄ブルーライン「横浜」駅徒歩10分、みなとみらい線「新高島」駅徒歩1分
◆ 階数-地上21階、塔屋1階、地下1階
◆ 高さ-最高部109.56m、建築物108.01m、軒高97.11m
◆ 敷地面積-9,308.92㎡
◆ 建築面積-6,153.08㎡
◆ 延床面積-83,730.30㎡(公式HPでは約83,815㎡)
◆ 構造-(地上)鉄骨造、(地下)鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造
◆ 地震対策-制震構造
◆ 用途-オフィス、プラネタリウム、集会場、飲食店、物販店舗、駐車場
◆ 建築主-(代表企業)鹿島建設、(構成企業)三井住友海上火災保険、住友生命保険相互会社
◆ 設計者・監理者-鹿島建設
◆ 施工者-鹿島・鉄建・小俣建設共同企業体(鹿島建設、鉄建建設、小俣建設工業JV)
◆ 着工-2019年04月03日
◆ 竣工-2021年09月30日
◆ 開業-2022年03月24日
オーケー(未上場企業)
ディスカウントスーパーマーケットの「オーケー」は、横浜みなとみらい地区「MM59街区」の西側の敷地Aに地上11階、地下0階、高さ43.63m、延床面積48,995.02㎡の「オーケーみなとみらい」を建設しました。
2016年9月に東京都大田区から本社を「みなとみらい地区」に移転しました。「オーケーみなとみらい」は下層階が「オーケーみなとみらい店」、4階~8階が駐車場、9階~11階の3層が「オーケー」の本社となっています。
「オーケー」は、首都圏1都3県を中心に140店舗以上を展開しています。2023年3月期の連結決算は、売上高553,332百万円、営業利益32,396百万円です。
創業者の「飯田勧会長」は、兄の保氏が大手居酒屋チェーンを経営する「テンアライド」、弟の亮氏が大手警備サービス「セコム」を創業した華麗なる経営者一族です。
京浜急行電鉄(東証プライム市場)
「京浜急行電鉄」は、横浜みなとみらい21地区の「56-1街区」に、「京急グループ本社」を建設しました。「56-1街区」は、横浜高速鉄道みなとみらい線「新高島駅」直上の好立地です。東京都港区の「品川・高輪」から本社を移転し、グループ企業の本社機能を集約しました。
「京浜急行電鉄」をはじめとする京急グループ11社は、建設を進めていた「京急グループ本社」に、2019年9月17日から順次移転し、10月28日に入居予定の全グループ企業の移転が完了しました。
「京浜急行電鉄」の2023年3月期の連結決算は、売上高253,005百万円、営業利益10,819百万円です。2024年3月期の連結決算は、売上高296,300百万円、営業利益23,000百万円を予想しています。
京急グループ本社の概要
◆ 計画名-(仮称)京急グループ本社ビル
◆ 所在地-神奈川県横浜市西区高島一丁目2番8
◆ 交通-JR「横浜」駅徒歩7分、みなとみらい線「新高島」駅直上
◆ 階数-地上18階、塔屋1階、地下1階
◆ 高さ-最高部85.55m、軒高84.75m
◆ 敷地面積-2,603.91㎡
◆ 建築面積-1,914.36㎡
◆ 延床面積-25,831.99㎡
◆ 構造-鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
◆ 基礎工法-場所打ちコンクリート拡底杭
◆ 用途-オフィス(本社)、展示場、保育所
◆ 建築主-京浜急行電鉄
◆ 設計者・監理者-大成建設
◆ 施工者-大成・京急建設共同企業体(大成建設、京急建設JV)
◆ 着工-2017年07月01日
◆ 竣工-2019年08月31日(竣工)、2019年09月02日(竣工記念式典)
◆ オープン-2019年09月17日(2019年10月28日に入居予定の全グループ企業の移転が完了)
ジャパン マリンユナイテッド(未上場企業)
「ジャパンマリンユナイテッド」は、2013年1月1日に「ユニバーサル造船」と「アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド」が合併して誕生した造船会社です。
2018年5月7日に、東京都港区芝五丁目の「三田ベルジュビル」から「横浜ブルーアベニュー」に本社を移転しました。「横浜ブルーアベニュー(旧:パシフィックスクエア横浜みなとみらい)」は、2009年12月に竣工した地上17階、地下2階、高さ84.3m、延床面積51,571.14㎡の高層ビルです。
未上場企業 の「ジャパンマリンユナイテッド」の2023年3月期の連結決算は、売上高2,459億円、営業利益△159億円です。造船会社は、韓国や中国との競争が厳しくて苦境が続いています。