宇都宮線・高崎線・常磐線の東京駅乗入れ「東北縦貫線」 2012年2月末の建設状況 Part1・「御徒町駅」周辺
-東北縦貫線-
「東北縦貫線」は、JR東日本の「上野駅」と「東京駅」を結び、「上野駅」止まりだった「宇都宮線・高崎線」と「常磐線」を「東京駅」まで乗り入れ、「東海道本線」と「直通運転」させるプロジェクトです。
工事区間は約3.8kmで、「上野駅」~「秋葉原駅」あたりまでの1.6kmと「東京駅」の少し北側までの0.9kmは留置線(電留線)や引上線があるので軌道の改良で済みます。
問題は、「神田駅」あたりの約0.6kmです。この部分は、用地が無いため「東北新幹線」の更に上に高架橋を建設して2階建て構造にする必要があります。
「秋葉原方アプローチ部」の約0.35km+「重層部」の約0.6km+「東京方アプローチ部」の約0.35km=約1.3kmで大規模な工事が必要になります。
2008年5月30日に着工し、2013年度の開業に向けて工事を進めていましたが、2012年4月12日に「JR東日本」から発表があり、「2014年度の開業を目指す」と変更になりました。東日本大震災などの影響により工事計画が一部変更になったためのようです。
開業は遅れますが、「E233系電車・3000番台」の「東海道線」への本格投入に続き、「宇都宮線・高崎線」への投入も予定され、開業に向けて着々と準備が進められています。
「御徒町駅」のホーム北端から北側を見た様子です。上野駅側から延々と防音壁が取り付けられている様子が分かります
上駅野~秋葉原間手前までの間は、宇都宮線・高崎線・常磐線の回送列車が秋葉原駅北側にある留置線(電留線)まで出入りするための線路が3本あります。
このうち内側の2本を「東北縦貫線」に転用します。留置線への運行を妨げないように3分割して1本ずつ工事が行われています。撮影時は、3本の中で真ん中の軌道の規格を本線用に改良していました。
新たに取り付けられた「防音壁」です。ガラスを多用して景色が見えるようになっています。
「御徒町駅」のホーム北端から南側を見た様子です。
この部分は、金属製の軌道になっています。この上に「合成まくらぎ」を取り付けます。鉄道ジャーナルの2012年2月号によると「H鋼」に「合成まくらぎ」を載せたメンテナンスの省力化を考えた軌条桁構造だそうです。
コンクリートの台座に「まくらぎ」が2本~3本で1組となって取り付けられています。何軌道と呼ぶのか調べても分かりませんでした。
まくらぎが「FFU(ガラス長繊維強化プラスチック発泡体)」の「合成まくらぎ」を使用しているため「分岐器」付近の特殊な軌道のようです。
「まくらぎ」を取り付ける前のコンクリートの台座です。
コンクリートの台座を設置する前の状態です。間に「H形鋼」が取り付けてあります。
「分岐器」付近以外は「ラダー軌道」になるようです。台座の上にプレストレストコンクリート製の「縦マクラギ(ラダーマクラギ)」が取り付けられ、その上にレールが取り付けられています。
「ラダー軌道」にはいろいろ種類があります。「角型防振装置式フローティング・ラダー軌道」のように見えますが、重要な部分が隠れて見えないので、どれに該当するのかよく分かりませんでした・・・
「御徒町駅」のホーム南端から北側を見た様子です。
「御徒町駅」のホーム南端から南側(秋葉原駅側)を見た様子です。秋葉原駅方向に延々と防音壁を取り付ける支柱が並んでいます。
「東北縦貫線」とは直接は関係無いですが、「JR御徒町駅」では、北口改札でバリアフリー工事が行われました。エレベーターも設置されました。
「JR御徒町駅」では、北口改札でバリアフリー工事が行われました。メインはバリアフリー工事ですが、コンコースも美装化されました。
「JR御徒町駅」の北口改札はボロボロだったので見違えるように綺麗になりました。写真は綺麗になった改札内コンコースです。
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