業界を越えた再編 「大和ハウス工業」が、準大手ゼネコン「フジタ」の全株式を取得して完全子会社化!
-大和ハウス工業がフジタ買収-
「大和ハウス工業」は、2012年8月10日に準大手ゼネコンの「フジタ」の全株式を取得し、完全子会社化すると発表しました。
ちなみに「大和ハウス工業」の2012年3月期の売上高は1兆8487億円です。「フジタ」の2012年3月期の売上高は3108億円で、建設業界では13位前後です。
「大和ハウス工業」は住宅業界、「フジタ」は建設業界なので業界の垣根を越えた再編になります。
「大和ハウス工業」は、年内に「フジタ」の持ち株会社から「フジタ」の全ての株式を約500億円で取得し、子会社化します。買収後も社名は変えず、フジタの社長も続投する方針です。
「大和ハウス工業」は、海外での建設、土木事業に実績を持つ「フジタ」を傘下に収めることで、グループ内で企画から施工まで一貫して取り組める態勢を構築し、中国や東南アジアを舞台に、住宅・マンションや工業団地事業の拡大を目指します。
住宅・建設業界が海外進出を急ぐ理由は、国内市場の大幅な縮小にあります、今年度の建設投資額は45兆3000億円で、ピークだった1992年の半分程度になる見通しです。
ただ海外での受注は、下請けや慣習などの違いによるカントリーリスクがあり、一筋縄ではいきません。
日本のスーパーゼネコンも大赤字や資金の回収が出来ないなどの大やけどを何度も負っています。
それに元々強い欧米勢に加え、最近は中国や韓国が躍進しており、日本勢は、コストパフォーマンスに優れている中国勢や韓国勢に入札でことごとく敗退しています。
昔は、建設企業の売上高の世界ランキングで日本のスーパーゼネコンが上位を独占していましたが、バブル崩壊後は売上高が減少しているので、日本の最大手でも世界ではやっと20位くらいです。
特に建設ラッシュの中国の建設企業は巨大で、世界の売上高ベスト3を独占しています。
1位の「中国建築工程総公司」が760億ドル、2位の「中国鉄建」が714億ドル、3位の「中国中鉄」が712億ドルとなっています。
1位の「中国建築工程総公司」の売上高だけで、日本のスーパーゼネコン5社の売上高の合計に匹敵します。海外ではこんなバケモノのような巨大企業と戦う事になります。
-フジタおよびフジタの本社-
「フジタ」は、「広島藤田組→藤田組→フジタ工業→フジタ」と何度も社名変更しています。2009年にはMOB(マネジメント・バイアウト)により、上場廃止となっています。
1991年3月に渋谷区千駄ヶ谷に本社ビルを建設しましたが、バブル崩壊によるリストラの一環で、2000年8月に「三井不動産」系の投資ファンドに本社ビルを売却しました。
本社機能は、すぐ北側の「修養団SYDビル」に移転しています。旧本社ビルの「GSK本社ビル」は、外資系製薬会社の「グラクソ・スミスクライン」が本社として一棟借しています。
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