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2013年10月21日 (月)

東京ステーションシティ 東京駅丸の内駅舎 保存・復原工事の完成から1年

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-東京駅丸の内駅舎保存・復原工事-

 「東京駅丸の内駅舎」は、この10月で、保存・復原工事の完成から1周年を迎えました。完成後の様子をUPしていなかったので、この機会にUPしたいと思います。
 
 「東京駅丸の内駅舎保存・復原工事」は、約500億円をかけて行われた世紀の大工事です。500億円は、容積率の移転によりねん出しました。
 
 丸の内駅舎は、3階建てに復原しても容積率はかなり余裕があります。同じ東京ステーションシティ内の「グラントウキョウ ノースタワー」、「グラントウキョウ サウスタワー」は当然として、「東京ビルディング」、「新丸の内ビルディング」、「丸の内パークビルディング」等にも容積率を移転しています。
 
東京駅丸の内駅舎保存・復原工事の概要
◆ 所在地-東京都千代田区丸の内一丁目9-1
◆ 階数-地上3階(一部4階)、地下2階
◆ 高さ-最高部約46.1m(フィニアル含む)
◆ 敷地面積-約117,000㎡(うち特例敷地部分約24,600㎡)
◆ 建築面積-約9,800㎡
◆ 延床面積-約43,000㎡
◆ 構造-鉄骨煉瓦造、鉄筋コンクリート造、一部(鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造)
◆ 基礎工法-場所打コンクリート杭
◆ 地震対策-免震構造(アイソレータ×352台、オイルダンパー×158台)
◆ 用途-駅施設、ホテル、ギャラリー、駐車場
◆ 事業主-東日本旅客鉄道(JR東日本)
◆ 設計者-東日本旅客鉄道社、東京駅丸の内駅舎保存・復原設計共同企業体(ジェイアール東日本建築設計事務所、ジェイアール東日本コンサルタンツ)
◆ 監理者-東日本旅客鉄道、ジェイアール東日本建築設計事務所
◆ 施工者-東京駅丸の内駅舎保存・復原工事共同企業体(鹿建設、清水建設、鉄建建設JV)
◆ 工期-2007年04月~2012年10月
 
 
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「東京駅丸の内駅舎保存・復原工事」は、創建時の姿を復元しただけではありません。全長約335m、総重量7万トンもの駅舎を一度鉄骨の支柱で仮受けし、これまで駅舎を支えていた1万本以上の「松杭」を撤去しました。
 
 そして新たな基礎となる「場所打コンクリート杭」を構築し、更に駐車場として利用される地下躯体を構築し、免震装置に建物の荷重を移動しました。
 
 
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周囲をよく見ると分かりますが、「東京駅丸の内駅舎」と周囲の敷地はこのように隙間を開けて離しています。「東京駅丸の内駅舎」は免震ビルに生まれ変わったので、地震時の揺れで駅舎が破損しないようにするためです。
 
 通路などの接続部分には、地震時の揺れ、強風、温度変化による伸縮などを吸収する「エキスパンションジョイント」を設置しています。免震装置は「アイソレータ×352台、オイルダンパー×158台」となっています。
 
 
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「北ドーム部」です。
 
 
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「北ドーム部」を別角度から見た様子です。
 
 
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北ドーム内部を見上げた様子です。
 
 
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創建時の姿に復原されています。
 
 
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十二支のレリーフも創建当時の姿に復元されています。方向を示しているため、飾られている干支は12匹ではなく、「丑(北東)、寅(北東)、辰(南東)、巳(南東)、未(南西)、申(南西)、戌(北西)、亥(北西)」の8匹です。
 
 
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よく見ないと分かりませんが、ドーム全体に細かい網が設置されています。ハトなどの鳥が入って糞をするのを防ぐためでしょうか?
 
 
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「中央部」です。
 
 
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中央部の屋根には、「東日本大震災」の津波被害を受け、奇跡的に流失を免れた宮城県石巻市の雄勝産の「天然スレート」が使用されています。
 
 全体で約43万枚のスレートのうち約8万枚が再利用されました。創建当時と同様に天然スレートの「一文字葺き」という手法が使われました。
 
 
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「中央部」にある東京駅「丸の内中央口」です。
 
 
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「中央部」のこの部分から皇室の公式行事や外国大使の信任状捧呈の車列(儀装馬車など)が出発します。ここから「行幸通り」を通り、皇居に向かいます。
 
 
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両側にスロープがあります。
 
 
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「中央部」と「南ドーム部」の間に「東京ステーションホテル」の入り口があります。
 
 
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「東京ステーションホテル」の入り口です。「東京ステーションホテル」は、客室数150室(ツイン86室、ダブル64室)となります。
 
 
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「南ドーム部」です。
 
 
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レンガは、既存の部分と復元された部分の色や質感の違いが明確に分かりますが、年月と共に馴染んでくると思います。
 
 レンガは、総合住生活企業の「LIXIL」と、製造協力工場として、数々の歴史的建造物の復原に取り組んできた愛知県常滑市のタイルメーカー「アカイタイル」により製造されました。
 
 レンガの創建当時の製造技術の再現は困難を極め、2003年から試作を重ね、2010年の本生産が開始されるまで7年間も試行錯誤を繰り返し、試作品だけでも15,000枚を超える一大プロジェクトとなりました。
 
 
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目地は、中央部が「かまぼこ」のように盛り上がっている「覆輪目地(ふくりんめじ)」という職人技で施工されています。
 
 
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南ドーム内部を見上げた様子です。
 
 
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創建時の姿に復原されています。
 
 
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「南ウィング部」です。
 
 
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多くの銅板が使用されていますが、これらは、火であぶり叩いて形を造る「叩き出し」、折り曲げた銅板を組み合わせる「はぜ掛け」、へらで金属板を型に押し当て変形させる「へら絞り」などの伝統技法で復原されています。

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