千代田区 竣工した大手町地区で最も高い超高層ビル「読売新聞東京本社ビル」
-読売新聞東京本社ビル-
「(仮称)読売新聞東京本社ビル」は、大手町の同じ場所にあった旧本社(地上10階、地下5階、延床面積約68,609㎡)を建て替えるプロジェクトです。
地上33階、塔屋2階、地下3階、高さ200.000m、延床面積約89,650.99㎡の超高層オフィスビルが建設され、「読売新聞東京本社ビル」として2013年11月28日に竣工しました。
竣工記念式典には、安部首相など約900人が出席して盛大な式典が行われました。2014年1月6日に開業して本格稼働しています。
高さ200.000mは、「大手町タワー」の199.70mをわずかに上回り、大手町地区で最も高い超高層ビルとなります。「新建築」の2014年4月号によると最高部200.000m、軒高186.080mのようです。
読売新聞東京本社ビルの概要
◆ 計画名-(仮称)読売新聞東京本社ビル
◆ 所在地-東京都千代田区大手町一丁目7番1号
◆ 交通-東京メトロ(千代田線、丸の内線、東西線、半蔵門線)「大手町」駅直結、都営地下鉄(三田線)「大手町」駅直結
◆ 階数-地上33階、塔屋2階、地下3階
◆ 建物高さ-最高部GL+200.000m、軒高186.080m
◆ 敷地面積-6,142.08㎡
◆ 建築面積-3,612.69㎡
◆ 延床面積-89,650.99㎡
◆ 構造-鉄骨造、一部(鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造)
◆ 基礎工法-直接基礎
◆ 地震対策-制振構造(粘性体制振壁、連層耐震ブレース、アクティブマスダンパー)
◆ 用途-オフィス、興行場、集会所、店舗、診療所、託児所
◆ 建築主-読売新聞東京本社
◆ 設計者・監理者-日建設計
◆ 施工者-清水建設
◆ 着工-2011年08月01日
◆ 竣工-2013年11月28日
◆ オープン-2014年01月06日
南西側から見上げた様子です。大規模災害時にもニュースを配信しつづけられるように「BCP(事業継続計画)」を非常に重視した超高層ビルとなっています。
特に地震対策に力を入れており、同クラスのビルより鉄骨を3割以上多く使って強度を上げたうえで、「粘性体制振壁、連層耐震ブレース、アクティブマスダンパー」の3種類の制振装置・耐震装置を設置しています。
「アクティブマスダンパー」は、ビル上部に長周期地震動を抑える装置として4基設置しています。電動で重りを揺れと逆の方向へ振ることで揺れを抑える仕組みです。
下層階の様子です。洪水などへの対応として、すべての入り口に可動式の防潮板を設けています。
「よみうり大手町ホール」などが入る低層部は、高さ24mのケーブルテンション支持の「ガラスカーテンウォール」となっており内部が見えます。
「ガラスカーテンウォール」と言っても厳密にはガラスを多用した「ACW(アルミカーテンウォール)」の場合がほとんどですが、ケーブルテンションで支持されたアルミのフレームを使用しない本物の「ガラスカーテンウォール」である事が分かります。
「ガラスカーテンウォール」以外の壁面は「花崗岩打ち込みPCカーテンウォール」となっています。
下層階のフロア構成
● 地下3階-設備機械室
● 地下2階・地下1階-駐車場
● 1階-エントランスホール、カフェ、ファストフード店、生花店、リラクゼーションサロン
● 3階-薬局と保育施設、グッズ販売店、ギャラリーや新聞社見学施設「ニュースラボ」
● 4階・5階-2つの多目的ホール(よみうり大手町ホール501席、よみうり大手町小ホール)
● 6階-診療所「読売クリニック」
● 7階-図書館
● 8階-メディア関連部門
● 9階~11階-新聞の編集に関わる中枢機能
西側にエントランスがあります。
狭いですが、植栽も行われています。
北西側から見上げた様子です。外壁の多くの部分はガラスを多用した「ACW(アルミカーテンウォール)」となっています。
セットバックした12階~33階はオフィスゾーンで、読売新聞グループ本社や読売巨人軍が入っています。
ビル全体を、読売新聞グループが使用するのかと思っていましたが、19階~24階はテナントフロアとなっています。
北西側から見た下層階の様子です。
南東側から見上げた様子です。
新建築2014年4月号
「新建築」の2014年4月号に「読売新聞東京本社ビル」の特集があります。「新建築」はいつもの月は超高層ビルが1棟か2棟しか載っていません。
しかし、2014年4月号は「あべのハルカス、日本橋室町東地区、ダイビル本館、新宿三井ビルディング制震工事、その他」など超高層ビル特集となっています。
5月に入るとすぐに5月号が発売されるので興味のある方は今月中に購入するといいと思います。
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