羽田空港 5本目の新設滑走路 C滑走路沖の「セミオープンパラレル」が最も空港処理能力拡大効果が高い!
-羽田空港 5本目の新設滑走路-
「国土交通省」は2014年7月8日に、交通政策審議会航空分科会基本政策部会内の首都圏空港機能強化技術検討小委員会中間とりまとめを発表しました。
2020年東京オリンピック前後の羽田空港や成田空港の拡大策(選択肢)を明らかにしました。
引用資料 国土交通省(2014/07/08)
首都圏空港機能強化技術検討小委員会の中間取りまとめについて
また、東京オリンピック以降の方策として、「滑走路増設」についても明記しています。現在の「C滑走路」と760m以上離れた距離に並行して配置する「セミオープンパラレル」が最も空港処理能力拡大効果が高いという結果を示しました。
● 配置が非常に難しい5本目の新設滑走路
羽田空港は、アメリカや中国のような広大な更地に新滑走路が建設できる訳では無く、数々の難しい諸条件の中で、難解なパズルを解くように配置を考える必要があります。
新設滑走路配置条件
① 陸域(市街地)への配置を避ける
② 「東京港第一航路」への影響を抑える(現在の航路を動かすことは困難)
③ 多摩川の流れを阻害しない(D滑走路の一部は桟橋方式を採用)
平行滑走路の種類と運用の比較
「平行滑走路」には、滑走路中心線間隔が760m未満の「クロースパラレル」、滑走路中心線間隔が760m以上~1,310m未満の「セミオープンパラレル」、滑走路中心線間隔が1,310m以上の「オープンパラレル」があります。
他の制約がなければ、「クロースパラレル」→「セミオープンパラレル」→「オープンパラレル」の順に、空港処理能力の向上効果が高くなります。
逆に整備費用は、「オープンパラレル」→「セミオープンパラレル」→「クロースパラレル」の順に低コストになります。
滑走路の配置案
既存の滑走路に平行に滑走路を1本増設する場合は、上記の5ヶ所の位置が考えられます。
① C滑走路に平行-オープンパラレル(1,310m以上間隔)
② A滑走路に平行-セミオプンパラレル(760m以上間隔)
③ C滑走路に平行-セミオプンパラレル(760m以上間隔)
④ D滑走路に平行-セミオプンパラレル(760m以上間隔)
⑤ B滑走路に平行-クロースパラレル(380m間隔)
滑走路を1本増設した場合の空港処理能力の比較
③の「C平行滑走路-セミオプンパラレル(760m以上間隔)」が、暫定時間値112回(出発58回、到着54回)で一番効果が高い事が分かります。
各案に対しては、「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」は具体的にはコメントを出していませんが、このブログでも何度も新滑走路の配置を妄想している私の感想を書いてみたいと思います。
① C滑走路に平行-オープンパラレル(1,310m以上間隔)
「C滑走路」の沖合を広大に埋立てる必要があります。さらに「東京港第一航路」に近いため、滑走路を嵩上げする必要があります(航行する船にも航空法が適用されるため)。
最大の効果を発揮するはずの「オープンパラレル」なのに効果が一番ではありません。理由は「D滑走路」と交差しているためです。
この案では、北風時も南風時も「D滑走路」を使用しない前提になっているので、「D滑走路」が無駄になってしまいます。
② A滑走路に平行-セミオプンパラレル(760m以上間隔)
この案はちょっと無謀です。何故なら整備したばかりの「羽田空港国際線旅客ターミナル」を潰す必要があるからです。数十年か先は分かりませんが、当面は検討に値しないと思います。
③ C滑走路に平行-セミオプンパラレル(760m以上間隔)
かねてより多くの専門家が提言している一番現実的な案です。私も5本目の「E滑走路」はこの場所しかないと思っています。
④ D滑走路に平行-セミオプンパラレル(760m以上間隔)
有力な案だと思います。この滑走路は更に将来、6本目の「F滑走路」として整備すればいいと思います。
⑤ B滑走路に平行-クロースパラレル(380m間隔)
現在の「B滑走路」は、全体的に南東側に移設していますが、移設前はこの場所に「B滑走路」がありました。
検討に値する案だと思いまが、この場所にはすでに「駐機場(エプロン)」が整備してあり、新たに「駐機場(エプロン)」の場所を確保する必要があります。
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