東京モノレール JR東京駅へ延伸検討 これって本当に可能?
-東京モノレールをJR東京駅へ延伸検討-
2014年8月20日に各マスコミが一斉に、「東京モノレール」が、現在のターミナル駅「モノレール浜松町駅」から北に約3km、JR東京駅まで延伸することを検討していると報じました。
「モノレール浜松町駅」は複線化し、途中に中間駅は設けません。工期は10年で、事業費は約1095億円の予定です。
実現すれば、東京駅から羽田空港まで乗り換えが無くなり、所要時間は約6分短縮されます。
ただ構想の実現には、今後、国や東京都などと建設費の分担などをめぐる協議が必要で、「構想段階で開業時期などは決まっていない」としています。
● 本当に建設可能??
これって本当に事実なんでしょうか? 「東京モノレール株式会社」の株式は、「JR東日本」が79%保有しています。実質的には、JR東日本が建設するという事になります。
羽田空港へのアクセスをめぐっては、JR東日本が、2025年前後に羽田空港地下に新駅を開設し、東京駅、新宿駅、新木場駅方面と直結する新線を開業する構想を打ち出しています。
いくらお金持ちのJR東日本と言えども、堅実なJR東日本が、こんな2重投資をするとは私には到底思えません。
外国人観光客はこれからも増えますが、日本は少子高齢化で首都圏と言えども人口が減っていきます。
一番の問題は、モノレールを延伸するスペースが無い事です。在来線の上に建設する重層構造になりますが、同じ重層構造の「東京上野ライン(東北縦貫線)」より遥かに重層部分の距離が長くなる超難工事になります。
「モノレール浜松町駅」の北端です。「モノレール浜松町駅」は現在は単線ですが、延伸に際しては複線化するという事です。
「モノレール浜松町駅」を外側から見た様子です。
「モノレール浜松町駅」は、「世界貿易センタービル」の東側にあります。「世界貿易センタービル」は建て替えられる事が決定しています。
「世界貿易センタービル」と共に「モノレール浜松町駅」も「モノレール棟」として建て替えられますが、現時点では北側への延伸を考慮していない設計になっています。本当に延伸するのなら再設計が必要になります。
建て替え後の北東側から見た完成イメージです。「モノレール棟」は北側への延伸を考慮していない設計になっています。
引用資料 JR東日本・プレスリリース(PDF:2012/10/18)
「浜松町二丁目4地区」都市計画提案の提出について
「モノレール浜松町駅」以北への延伸を考えるのなら「モノレール浜松町駅」をJR浜松町駅の東側に移設する必要があります。
そうしないと「モノレール浜松町駅」北側のビルを避けるために急カーブになります。JR浜松町駅の東側にはかなりの広さの拡張用地があります。
「世界貿易センタービル」の展望台から北側を見た様子です。
「東海道新幹線」と「ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線」の間には延伸可能なスペースがあります。
しかし、「トッパンフォームズビル」以北からは延伸するスペースが無くなります。ここから北側は、在来線の上に建設する重層構造になります。
JR新橋駅では、「東海道線新橋駅改良工事」」が行われています。南北コンコースの一体化、東海道線ホームの拡幅を行い、混雑緩和を図る工事ですが、同時に老朽化した屋根を「大屋根」に架け替える工事が行われています。
延伸区間に中間駅は設けないようですが、「大屋根」の設置を見ても、JR東日本が「東京モノレール」の延伸を真剣に考えているとは私には到底思えません・・・
と言うか、立体トラスの大屋根がの上にどうやって「東京モノレール」の高架橋を建設するのでしょうか?
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