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2015年2月21日 (土)

長周期地震動対策で先行する新宿副都心 新たに「新宿野村ビル」でも長周期地震動対策を実施!

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-新宿副都心の長周期地震動対策-

 最新の超高層ビルが「制震構造(制振構造)」や「免震構造」の採用により「長周期地震動対策」を施しているのに対して、新宿副都心の超高層ビル群は、多くが1970年代~1990年代に竣工したため「長周期地震動対策」がほとんど施されていません。

 「BCP(事業継続計画)」に対するテナントのニーズの高まりにより、ビル間の競争やエリア間の競争が激しくなっています。
 そこで、新宿副都心の超高層ビル群は、ビル所有者が独自の決断により「長周期地震動対策」を実施すようになりました。

 すでに「新宿センタービル、新宿パークタワー、損保ジャパン日本興亜本社ビル」の3棟は長周期地震動対策工事を実施済みです。「新宿三井ビルディング、東京都庁」でも長周期地震動対策工事を実施中です。

● 「新宿野村ビル」も長周期地震動対策を実施
 「野村不動産、野村不動産オフィスファンド投資法人、竹中工務店」は、「新宿野村ビル」の長周期地震動対策を実施する事を発表しました。

 引用資料 野村不動産・ニュースリリース(PDF:2015/02/19)
 「新宿野村ビル」において長周期地震動対策を実施(野村不動産、野村不動産オフィスファンド投資法人、竹中工務店) 

 「新宿野村ビル」において日本初の制振装置「デュアルTMD-NT」を建物52階・53階部分にあたる屋内に設置し、長周期地震動発生時の揺れを大幅に軽減します。

「新宿野村ビル」長周期地震動対策工事の概要
◆ 所在地-東京都新宿区西新宿一丁目26番2号
◆ 階数-地上53階、地下5階
◆ 高さ-最高部209.90m
◆ 延床面積-118,215.27㎡
◆ 構造-鉄骨造、一部(鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造)
◆ 用途-オフィス、店舗
◆ 竣工-1978年06月
◇ 概要-建物52階・53階部分にあたる屋内にTMD制振装置(1基=重り700トン)×2基を設置
◇ 工期-2015年01月~2016年09月予定
◇ 設計・施工-竹中工務店
◇ コンストラクションマネジメント-野村不動産


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「デュアルTMD-NT」の屋上設置イメージ
 「デュアルTMD-NT」を、建物最上部(52階・53階部分)内に2基設置します。


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「デュアルTMD-NT」の概念図
 1基のおもり(1基700トン)を2段積層ゴムとリニアスライダーで支持し、建物の揺れ幅が小さい時は積層ゴムが、揺れ幅が大きい時はリニアスライダーがおもりを支持するスライド式の機構となっています。


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長周期地震動対策の実施が決まった「新宿野村ビル」を別角度から見た様子です。


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「新宿センタービル」の長周期地震動対策
 「新宿センタービル」は、大成建設が2008年10月~2009年7月の工期で、長周期地震動対策として「軸力制御オイルダンパー」を合計288台設置しています。東日本大震災でも効果を発揮しました。

 大成建設(PDF)
 新宿センタービルの耐震バリューアップ工事の内容 

 大成建設(PDF)
 東北地方太平洋沖地震 新宿センタービルの観測結果と制振効果 


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「新宿パークタワー」の長周期地震動対策
 「新宿パークタワー」は、2009年に鹿島建設により「長周期地震動対策」を実施しています。制振装置には「鹿島建設」が開発した「HiDAX(開閉弁を組み込んだオイルダンパー)」を採用しています。


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「損保ジャパン日本興亜本社ビル」の長周期地震動対策
 「損保ジャパン日本興亜本社ビル」は、2012年10月~2014年12月の工期で「長周期地震動対策」を実施しました。9階~41階に348台の「制振ダンパー」を設置しています。

 損害保険ジャパン(PDF:2012/11/02)
 本社ビル 長周期地震動対策工事の開始 


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「新宿三井ビルディング」の長周期地震動対策
 三井不動産は、鹿島建設の施工により「新宿三井ビルディング」において、長周期地震動が発生した場合の揺れを大幅に低減させるため、超大型制震装置「TMD(チューンド・マス・ダンパー)」を屋上に設置中です。

 三井不動産・ニュースリリース(2013/07/29)
 「新宿三井ビルディング」で長周期地震動の揺れを半減 日本初 屋上に超大型制震装置(約1,800t)を設置

 「新宿三井ビルディング」屋上の棟屋の両側に、超大型制震装置TMD(D3SKY)×6基設置します。
 振り子式の1基300トンの錘(すい)×6基設置し、錘(すい)が揺れることで建物の振動エネルギーを吸収して地震の揺れを大幅に抑制します。

 更に、低層階コア部に高性能オイルダンパー(HiDAX-e)×48台設置し、建物の揺れに応じてダンパーのオイル流量を制御することにより地震の揺れを抑制します。


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「東京都庁第一本庁舎」の長周期地震動対策
 「東京都庁第一本庁舎、東京都庁第二本庁舎」は、2014年から予定している設備更新工事に合わせて「長周期地震動対策」を実施します。

 東京都 報道発表資料(2011/05/20)
 「都庁第一本庁舎・第二本庁舎における長周期地震動対策への取組」について

 「東京都庁第一本庁舎」は、「制振装置」を長辺方向×28ヶ所、短辺方向×66ヶ所に設置します。


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「東京都庁第二本庁舎」の長周期地震動対策
 「東京都庁第一本庁舎、東京都庁第二本庁舎」は、2014年から予定している設備更新工事に合わせて「長周期地震動対策」を実施します。

 東京都 報道発表資料(2011/05/20)
 「都庁第一本庁舎・第二本庁舎における長周期地震動対策への取組」について

 「東京都庁第二本庁舎」は、「制振装置」を長辺方向×33ヶ所、短辺方向×28ヶ所に設置します。


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「新宿住友ビル」の長周期地震動対策
 「新宿住友ビル」はまだ長周期地震動対策を発表していませんが、2015年2月17日に日経新聞が、「住友不動産」が2015年秋から「新宿住友ビル」を大規模に改修すると報じています。

 ”イベントホールを広げたりイベントスペースを新たに設けたりしてにぎわいを創る。投資額は100億円を超え、同社のビル改修では過去最大となる。” と報じていますが、長周期地震動対策も同時に行われる事が予想されます。

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