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2015年2月 9日 (月)

文京区 大規模な改修工事が行われた「東京大学安田講堂」

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-東京大学安田講堂-
 東京大学の「安田講堂」は、学生運動鎮圧のために機動隊が投入された1969年1月の「東大安田講堂事件」ですっかり有名になりました。
 正式名称は「東京大学大講堂」で、「安田財閥」の創始者「安田善次郎氏の寄付により、1925年7月6日に竣工しました。

 東大紛争の後は、長期間閉鎖されていましたが、1990年に大規模な改修工事が行われ、1991年からは再び安田講堂にて卒業式が行われるようになりました。また1996年には登録有形文化財として登録されました。

● 東京大学安田講堂改修工事
 2011年3月11日の「東日本大震災」により、安田講堂も一部被害を受けました。大きな損傷はありませんでしたが、ガラスやタイルの一部が落下するなどの被害が生じました。
 完成から約90年が経過し、老朽化も進んでいました。東大内部で改めて検証したところ、耐震性が十分でなく、耐震改修を実施することが決まりました。

 工事は、それら耐震改修に加え、建設当初のオリジナルの計画案に近い形に全体のプランを修正する大掛かりな工事です。
 この改修で最も注目されるのは、東日本大震災で落下事故が相次いだ「つり天井」の構造である講堂大天井の耐震化です。

 これまでは屋根の骨組みから鉄の部品でつり下げられていましたが、改修工事では建物と一体で施工します。
 また、天井は繊維で補強した石膏で軽くしました。施工する清水建設は、震度7程度でも落ちないことを実験で確認しています。

 詳細な特集 日経ケンブラッツ(2014/08/06)
 東大安田講堂、姿変えず「落ちない天井」に大改修

東京大学安田講堂改修工事の概要
◆ 所在地-東京都文京区本郷七丁目3-1 東京大学本郷キャンパス
◆ 階数-地上5階、地下1階
◆ 延床面積-約6,988㎡
◆ 構造-鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
◆ 発注者-東京大学
◆ 設計者-東京大学キャンパス計画室(千葉 学教授)、同施設部、香山壽夫建築研究所
◆ 施工者-清水建設
◆ 着工-2013年06月12日
◆ 竣工-2014年12月26日
◆ 総工費-約23億円
◆ 主な改修内容-構造躯体の耐震化、講堂天井の耐震化、建設当初の意匠の保存・補修、居住環境の向上と省エネ、バリアフリー整備、内装改修

① 耐震壁、補強パネル設置等により、耐震性の向上を図る
② 建物外装や大講堂、ロビー、回廊等の意匠上重要な部分の補修・保存を図り、文化財としての価値を継承
③ 空調設備、照明設備、音響映像設備等の大講堂内の既存設備を改修するとともに、客席の補修、バリアフリー化のためのエレベータ及び多目的トイレの設置を行うことにより、講堂昨日の改善・拡張を図る


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大規模な改修工事が行われた東京大学の「安田講堂」です。工期は2013年6月12日~14年12月26日の予定だったので、計画通りなら工事は完了しています。


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少し角度を変えた様子です。


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仮囲いに竣工当時の写真と改修工事の完成予想図が掲示されていました。


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「安田講堂」の裏側です。

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