JR東日本 羽田空港アクセス線構想の「東山手ルート(東京駅ルート)」 大改修を行って再利用される「東海道貨物線(大汐線)」の現状
-羽田空港アクセス線構想-
JR東日本は、2014年8月19日に国土交通省で開かれた今後の都市鉄道の在り方を検討する交通政策審議会(国土交通相の諮問機関)の小委員会で、羽田空港と東京駅、新宿駅、新木場駅の3つの駅を結ぶ「羽田空港アクセス線構想」を発表しました。
実現すれば、東京駅まで最短18分(現在は最短28分)、新宿駅まで最短23分(現在は最短41分)、臨海部の新木場駅まで最短20分(現在は最短41分)でいずれも乗り換えなしで結ばれ、空港へのアクセス時間が大幅に短縮されます。
今回は、メインのルートとなる「東山手ルート(東京駅ルート)」の中で、大規模改修を行い、再利用される「東海道貨物線(大汐線)」の現状を特集したいと思います。
(1) 東山手ルート(東京駅ルート)
最短18分(現在は最短28分):羽田空港(新設)→羽田空港新線(新設)→東京貨物ターミナル→大汐線(改修)→大汐短絡線(新設)→田町駅付近で東海道本線に合流→東海道本線→東京駅
(2) 西山手ルート(新宿駅ルート)
最短23分(現在は最短41分):羽田空港(新設)→羽田空港新線(新設)→東京貨物ターミナル→東品川短絡線(新設)→大井町駅~品川シーサイド駅間でりんかい線に合流→りんかい線→埼京線→新宿駅
(3) 臨海部ルート(新木場駅ルート)
最短20分(現在は最短41分):羽田空港(新設)→羽田空港新線(新設)→東京貨物ターミナル→りんかい線の引込線(複線化)→品川埠頭分岐部信号場→りんかい線→新木場駅
JR田町駅付近
JR田町駅付近の様子です。西側から「東海道本線(複線)、東海道新幹線(複線)、東海道貨物線(単線)」の順番になっています。
「東海道貨物線(大汐線)」です。1998年1月30日から休止になっているので、レールが埋もれつつあります。
「東海道貨物線」のうち「浜松町駅~東京貨物ターミナル駅」間には「大汐線(おおしおせん)」の通称があります。
報道では、田町駅付近で東海道本線と分岐・合流にする事になっていますが、とても分岐・合流にするための増線スペースはありません。
札の辻橋(ふだのつじばし)北側
「札の辻橋(ふだのつじばし)」の北側の様子です。西側から「東海道本線(複線)、東海道新幹線(複々線)、東海道貨物線(単線)」の順番になっています。
東海道新幹線は、「大井車両基地」方面と「品川駅」方面に分岐するためこのあたりで複々線になっています。
「東海道貨物線(大汐線)」です。休止になっているためレールは錆びていますが、軌道は草ボーボーになっていないので、メンテナンスは行っているようです。
「札の辻橋」の南側の様子です。
● 大汐短絡線
報道では、田町駅付近で「東海道本線」と分岐・合流にする事になっていますが、とても分岐・合流にするための増線スペースは無いので、「札の辻橋」の南側で分岐・合流する可能性が高いと思われます。
「札の辻橋」の南側で分岐・合流すると、カーブが少しきつくなりますが、分岐・合流にするための増線スペースは充分にあります。
「東海道本線」と「東海道貨物線(大汐線)」を結ぶ連絡線は、仮称で「大汐短絡線」という名称になっています。
「大汐短絡線」は、地下化される可能性が高いようです。「東海道貨物線(大汐線)」と「東海道本線」の間には、「東海道新幹線」が走っています。
「東海道新幹線」をオーバーパスするより地下からアンダーパスで「東海道本線」と分岐・合流する方が現実的です。
「東海道貨物線(大汐線)」です。
少し角度を変えた「札の辻橋」の南側の様子です。太い網目が写って見づらいですが、東側から「東海道貨物線(単線)、東海道新幹線(複々線)」の順番になっています。
「東海道貨物線(大汐線)」です。
東海道新幹線は、この先で「大井車両基地」と結ぶ「大井回送線」と「品川駅」方面に分岐します。
更に南側の「東海道貨物線(大汐線)」です。「東海道貨物線(大汐線)」は、この先で複線および高架になります。
「芝浦水再生センター」の北側では、写真奥の「東海道貨物線(大汐線)」はすでに高架になっています。 手前は新幹線の「大井回送線」です。
更に南東側の「東海道貨物線(大汐線)」です。架線は撤去されていますが、高架橋は大規模な改修を行えば充分再利用できます。高架区間はすべて複線となっているので増線も必要ありません。
重なって分かりにくいですが、写真手前が「東海道貨物線(大汐線)」で、奥が新幹線の「大井回送線」です。
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