新国立競技場(仮称) 巨大アーチは維持、開閉式屋根の整備は先送り 総工費は2520億円!
-新国立競技場(仮称)-
すったもんだの末に、2020年東京オリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画の見直し案が6月29日に固まりました。
総工費は、基本設計時の1,625億円を大幅に上回る2,520億円と試算、開閉式屋根の整備はオリンピック終了後に先送りし、電動式の一部の客席(約15,000席)を仮設の「簡易着脱方式」に変更しました。
日刊建設工業新聞(2015/06/30)
新国立競技場/総工費2520億円、19年5月完成/文科省、巨大アーチは維持
2015年7月上旬に施工者と正式契約し、2015年10月に着工する予定です。2019年秋に開催予定のラグビーワールドカップに間に合うよう、当初予定より2ヶ月遅れの2019年5月完成を目指します。
「ザハ・ハディド・アーキテクツ」による新競技場の当選案を忠実に実現すると、建設費が最大で3,000億円程度に達する恐れのあることが判明したため、実現可能な形状に変更すると共に規模が縮小されました。
更に計画の見直しが行われ、開閉式屋根を先送りしました。それでも1,625億円を大幅に上回る2,520億円と試算されています。
過去に自分がUPした記事を見ると「ザハ・ハディド・アーキテクツ」による新競技場の当選案に大喜びしていました。
本当にこの案で建設出来るのか? 建設費は大丈夫なのか? などを考えもしないで、大喜びしていた自分が恥ずかしいです。
当選案をだったら5,000億円を超えても完成しなかったかも知れません。建設費の多くは税金なんですよね・・・
● 過去2大会のメインスタジアムの建設費
ちなみに北京オリンピックのメインスタジアムの建設費が約530億円(収容人数約91,000人)、ロンドンオリンピックのメインスタジアムの建設費が約950億円(収容人数約80,000人)です(いずれも現在の為替レート)。
ロンドンオリンピックのメインスタジアムは約55,000人分が仮設で、大会終了後にサッカーチームの本拠地に改修する工事が行われ、約530億円の追加費用がかかる見通しです。
新国立競技場(仮称)の概要
◆ 所在地-東京都新宿区霞ヶ丘町10-1他、渋谷区千駄ヶ谷一丁目15-1他
◆ 階数-地上6階、地下2階
◆ 高さ-最高部約70m
◆ 敷地面積-113,039.62㎡
◆ 建築面積-約78,400㎡
◆ 延床面積-約210,000㎡
◆ 構造-鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造
◆ 基礎工法-直接基礎
◆ 地震対策-免震構造
◆ 用途-観覧場、集会場、博物館、飲食店・物品販売業を営む店舗、自動車車庫、その他用途
◆ 収容人数-約80,000人(内仮設約15,000人)
◆ 陸上用トラック-国際規格9レーン(現在8レーン)
◆ 芝生-天然芝
◆ 建築主-独立行政法人日本スポーツ振興センター
◆ 設計者-日建設計・梓設計・日本設計・アラップ設計共同体
◆ 施工者-大成建設、竹中工務店
◆ 着工-2015年10月予定
◆ 竣工-2019年05月予定
◆ 概算工事費-約2,520億円(先送りされた開閉式屋根の設置費用は含まない)
北側のゲートが開いていました。歩いていた人たちがみんな喜んでバチバチ撮影していました(笑)。
旧国立競技場は、解体されて完全に姿を消していました。
たくさんの重機です。
係りの人がゲートが開いている事に気が付いてすぐにゲートは閉じられました。短い時間でしたがラッキー!
このゲートは、旧国立競技場の「千駄ヶ谷ゲート」だったようです。
西側の「東京体育館」側から見た様子です。
「東京体育館」側から見ても旧国立競技場は完全に姿を消していました。
「新国立競技場(仮称)」の建築計画のお知らせです。
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