JR東日本 「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書を公開 起点の田町駅付近での「東海道本線」との接続方法が判明!
-羽田空港アクセス線(仮称)整備事業-
JR東日本は、羽田空港と東京駅、新宿駅、新木場駅の3つの駅を結ぶ「羽田空港アクセス線構想」を発表しています。実現すれば、東京駅まで最短18分(現在は最短28分)、新宿駅まで最短23分(現在は最短41分)、臨海部の新木場駅まで最短20分(現在は最短41分)でいずれも乗り換えなしで結ばれ、空港へのアクセス時間が大幅に短縮されます。
(1) 東山手ルート(東京駅ルート)
最短18分(現在は最短28分):羽田空港(新設)→羽田空港新線(新設)→東京貨物ターミナル→大汐線(改修)→大汐短絡線(新設)→田町駅付近で東海道本線に合流→東海道本線→東京駅
(2) 西山手ルート(新宿駅ルート)
最短23分(現在は最短41分):羽田空港(新設)→羽田空港新線(新設)→東京貨物ターミナル→東品川短絡線(新設)→大井町駅~品川シーサイド駅間でりんかい線に合流→りんかい線→埼京線→新宿駅
(3) 臨海部ルート(新木場駅ルート)
最短20分(現在は最短41分):羽田空港(新設)→羽田空港新線(新設)→東京貨物ターミナル→りんかい線の引込線(複線化)→品川埠頭分岐部信号場→りんかい線→新木場駅
● 環境影響評価調査計画書を公開
「JR東日本」は5月30日に、東京都心部と羽田空港を結ぶ鉄道新線「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」に係る環境影響評価調査計画書を公開しました。今回はネットでも見る事が出来ます。だだし、PDFデータは閲覧は可能ですが、保存は出来ません。
計画ルートのうち「東山手ルート」と「アクセス新線」を対象とした環境アセスメント手続きで、全区間12.4km大きく4区間に分けて整備する計画を示しています。
引用資料 東京都環境局(2019/05/30)
「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書
私が一番興味を持っていたのは、起点の田町駅付近です。増線スペースが無い中で、どのように「東海道本線」に接続するのか興味津々でした。なんと「山手線、京浜東北線、東海道本線」を移設して増線スペースを確保します。
順序として、田町駅北側にある山手線の引き上げ線を撤去して、空いたスペースを使って「山手線外回り、京浜東北線南行、東海道本線上り」の線路3本を西側へ移設します。
田町駅付近からは、単線の地下トンネルを整備して東海道新幹線などの線路をくぐり、高浜西運河付近で休止中の東海道本線貨物線(大汐線)に接続します。
最も工事の難易度の高い田町駅付近です。
「a-a’ 断面(擁壁)」です。田町駅北側にある山手線引上げ線を撤去 して、増線スペースを確保を確保します。東海道本線の上り線と下り線のあいだに「単線」の線路を設置して東海道本線と接続し、高崎線・宇都宮線(上野東京ライン)方面からも直通できるようにします。
本来なら「複線」で別々に東海道本線の上り線と下り線に接続するのが理想ですが、スペースの関係で不可能です。運転計画では、15両編成の列車(1両の長さ約20m)に対応、運転本数は1時間8本、1日144本とされています。単線区間がネックになりそうですが、単線区間は距離が短いのでなんとかなりそうです。
(1)田町駅北側にある山手線引上げ線を撤去
(2)山手線外回りを西側に移設
(3)京浜東北線南行を西側に移設
(4)東海道本線上りを西側に移設
(5)計画線を敷設
「b-b’ 断面(シールドトンネル)」です。増線スペースが無いので、地下に単線の「シールドトンネル」を整備します。
「c-c’ 断面(擁壁)」と「d-d’ 断面(高架橋)」です。休止している複線の「東海道本線貨物線(大汐線)」を再利用します。
JR田町駅付近
JR田町駅付近の様子です。西側から「東海道本線(複線)、東海道新幹線(複線)、東海道貨物線(単線)」の順番になっています。「東海道貨物線」は、1998年1月30日から休止になっています。「東海道貨物線」のうち「浜松町駅~東京貨物ターミナル駅」間には「大汐線(おおしおせん)」の通称があります。
田町駅付近で東海道本線と分岐・合流にする事になっていますが、とても分岐・合流にするための増線スペースはありません。そのため田町駅北側にある山手線の引き上げ線を撤去して、線路を移設して増線スペースを確保します。
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