日本ビルファンド投資法人(NBF) 1974年竣工の「新宿三井ビルディング」を取得 取得価額は最新鋭のビルと遜色の無い1,700億円!
-新宿三井ビルディング-
「日本ビルファンド投資法人(NBF)」は、「三井不動産」をメインスポンサーとする国内最大のオフィス特化型J-REITです。東京23区を中心に競争力の高いポートフォリオを構築し投資主価値の向上を目指しています。
「日本ビルファンド投資法人(NBF)」は10月9日に、「三井不動産」から「新宿三井ビルディング」と「グラントウキョウサウスタワー(持分)」の取得を発表しました。
引用資料 NBF(PDF:2020/10/09)
国内不動産の取得及び貸借の開始に関するお知らせ(「新宿三井ビルディング」及び「グラントウキョウサウスタワー」の取得)
「新宿三井ビルディング」は1974年竣工しました。「三井不動産」の旗艦ビルで、新宿副都心を代表するオフィスビルとして知られています。概要は、地上55階(登記簿上の表示は56階)、塔屋3階、地下3階、高さ223.6m、延床面積179,696.87㎡です。
総賃貸可能面積は101,255.03㎡で稼働率は97.8%、テナント数は93社、年間総賃料収入は約102億3,300万円となっています。取得価格は1,700億円で、「日本ビルファンド投資法人(NBF)」の全ポートフォリオの投資比率で12.3%となります。なお、「新宿三井ビルディング」の名称は残し、三井不動産もマネジメント事業への関与を継続します。
新宿三井ビルディングの概要
◆ 所在地-東京都新宿区西新宿二丁目1番1号(住居表示)
◆ 交通-都営大江戸線「都庁前」駅徒歩1分、東京メトロ丸の内線「西新宿」駅徒歩2分、JR線、東京メトロ丸の内線「新宿」駅徒歩6分、 京王線、小田急線「新宿」駅徒歩8分、都営新宿線「新宿駅」徒歩10分
◆ 階数-地上55階(登記簿上の表示は56階)、塔屋3階、地下3階
◆ 高さ-最高部223.6m、軒高209.40m
◆ 敷地面積-14,449.38㎡
◆ 建築面積-9,590.67㎡
◆ 延床面積-179,696.87㎡
◆ 構造-(地上部)鉄骨造、(地下部)鉄骨鉄筋コンクリート造
◆ 用途-オフィス、店舗 他
◆ 建築主-三井不動産
◆ 設計者-三井不動産、日本設計事務所(現:日本設計)、武藤構造力学研究所
◆ 施工者-鹿島建設、三井建設JV
◆ 着工-1972年04月
◆ 竣工-1974年09月30日(登記簿上の表示)
◆ オープン-1974年10月
取得価額は最新鋭のビルと遜色の無い1,700億円!
「新宿三井ビルディング」の取得価格が1,700億円(取得諸経費、固定資産税、都市計画税等の精算分及び消費税等を除く)と最新鋭のビルとほとんど遜色が無かったのでちょっと驚きました。
「新宿三井ビルディング」は、1974年竣工と築46年を経過しているものの、2000年以降エントランスロビー、エレベーターホール、共用部廊下などの内装を一新し、空調性能、電気容量等物件の基本性能を向上させるとともに、東日本大震災以降、非常用発電機の72時間対応化や、大規模制震装置の導入などBCP面での投資も行い、競争力を維持しています。
東京都庁の「南展望室」から見た様子です。
「基準階平面図」です。中央の「コア」の両側にオフィスフロアが配置されています。
屋上に設置された超大型制震装置
2013年8月中旬~2015年4月末日の工期で、「新宿三井ビルディング」の屋上に設置された超大型制震装置「TMD(チューンド・マス・ダンパー)」です。
新宿三井ビルディングの長周期地震動対策
最新の超高層ビルが「制震構造(制振構造)」や「免震構造」の採用により「長周期地震動対策」を施しているのに対して、新宿副都心の超高層ビル群は、多くが1970年代~1990年代に竣工したため「長周期地震動対策」がほとんど施されていませでした。
「BCP(事業継続計画)」に対するテナントのニーズの高まりにより、ビル間の競争やエリア間の競争が激しくなっています。そこで、新宿副都心の超高層ビル群は、ビル所有者が独自の決断により「長周期地震動対策」を実施すようになりました。
三井不動産・ニュースリリース(2013/07/29)
「新宿三井ビルディング」で長周期地震動の揺れを半減 日本初 屋上に超大型制震装置(約1,800t)を設置
引用資料 日経クロステック(2014/08/05)
長周期地震動対策で先行する新宿副都心
三井不動産は、鹿島建設の施工により「新宿三井ビルディング」において、長周期地震動が発生した場合の揺れを大幅に低減させるため、超大型制震装置「TMD(チューンド・マス・ダンパー)」を屋上に設置しました。
屋上の棟屋の両側に、超大型制震装置TMD(D3SKY)×6基設置しました。振り子式の1基300トンの錘(すい)×6基設置し、錘(すい)が揺れることで建物の振動エネルギーを吸収して地震の揺れを大幅に抑制します。
更に、低層階コア部に高性能オイルダンパー(HiDAX-e)×48台設置し、建物の揺れに応じてダンパーのオイル流量を制御することにより地震の揺れを抑制します。
TMDとオイルダンパーの設置により、直下型地震から長周期地震動まで、地震の規模や特性にかかわらず制震効果を発揮します。東日本大震災の長周期地震動に当てはめると揺れを半分以下に低減、揺れの時間も6分の1程度に抑えます。
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