電通グループ テレワークの定着により「電通本社ビル」を売却 売却額は国内のビル取引として過去最大級の3,000億円規模になる見通し!
-電通本社ビル-
国鉄汐留貨物駅は、東京貨物ターミナル駅に機能を譲り1986年11月に廃止されました。旧汐留貨物駅跡地から浜松町駅に至る31haにおよぶ広大な敷地は、土地区画整理事業により11街区に分けられ、留地区再開発として東京都と民間が一体となって、業務、商業、文化、居住などが集まる複合都市として、国内最大級の再開発プロジェクトが行われました。街区の名称は「汐留シオサイト」です。
「電通本社ビル」は、「汐留シオサイト」の「A街区」に建設されました。国内広告代理店最大手の電通が本社が入る超高層オフィス棟を中核とし、商業施設と劇団四季の劇場などからなる「カレッタ汐留」と「汐留アネックスビル」で構成されています。超高層オフィス棟は、地上48階、塔屋1階、地下5階、高さ約213mです。
● 電通本社ビルを売却!
「電通グループ」が本社ビル売却を検討しています。新型コロナウイルスの感染拡大で社員のテレワークが定着し、都心に大型のオフィスを構えている必要性が薄れてきているためです。
産経新聞(2021/01/23)
電通などコロナで広がる本社売却 進む都心オフィスの空洞化、外資も触手
電通グループは、新型コロナの影響で広告収入は低迷、本社ビルに勤務する約9,000人の出社率は最近では2割程度にとどまり、余剰スペースが生じていることから、売却で資産の効率化を図ります。ビルの約7割を利用している電通のオフィス利用面積は半分程度に圧縮されるもようで、ビル売却後も大部分をグループで賃借し本社は移転しない方針です。
売却額は国内のビル取引としては過去最大級の3,000億円規模になる見通しです。不動産サービス大手の「ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)」によると、これまでのビル取引の国内最高額は、2006年に不動産ファンドが香港企業から取得したJR東京駅近くのオフィスビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」の約2,000億円だそうです。
電通本社ビルの概要
◆ 名称-電通本社ビル
◆ 所在地-東京都港区東新橋一丁目8番1号
◆ 交通(電通四季劇場を基準)-JR山手線・京浜東北線「新橋」駅徒歩約6分、東京メトロ銀座線「新橋」駅徒歩約7分、都営地下鉄浅草線「新橋」駅徒歩約5分、都営地下鉄大江戸線「汐留」駅徒歩約1分、新交通ゆりかもめ「汐留」駅徒歩約3分
◆ 階数-地上48階、塔屋1階、地下5階
◆ 高さ-最高部213.337m、軒高210.087m
◆ 敷地面積-約17,244㎡(A街区全体)
◆ 建築面積-約12,496㎡
◆ 延床面積-約231,701㎡
◆ 構造- 鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造
◆ 地震対策-制震構造
◆ 用途-オフィス、店舗、文化施設
◆ 建築主-電通
◆ 設計者・監理者-大林組、アトリエ・ジャン・ヌーベル ジャーディ・パートナーシップ
◆ 施工者-大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店JV
◆ 着工-1999年10月
◆ 竣工-2002年10月31日
◆ オープン-2002年11月01日
「電通本社ビル」は、「汐留シオサイト」にあります。
「浜離宮恩賜庭園から見た「電通本社ビル」です。その存在感は圧倒的で、「汐留シオサイト」のランドマークとなっています。
「電通本社ビル」はとにかく大きくて、「浜離宮恩賜庭園」側から見ると巨大な壁のように見えます。
上から見ると巨大なブーメラン
設計は、大林組とジャン・ヌーヴェル氏とジョン・ジャーディ氏のコラボレーションです。外観はユニークで、上から見ると左右非対称の「ブーメラン」のような形状をしています。独特の形状のため見る位置によってさまざまにその姿を変えます。
外壁の色が純白からダークグレーに変化するグラデーションになっているのは、「カーテンウォール」に「セラミックプリントガラス」を採用しているためです。更に、二重構造ガラスの間に空気を循環させる「エアフローシステム」を採用し、ガラス面で吸収した熱を室内に侵入させない省エネ設計となっています。西側(銀座側)には、12基のシースルーエレベーターが設置されています。
展望ロビー
「電通本社ビル」の46階と47階にはレストランがあります。フロアの一角に無料の「展望ロビー」が設けられており、東京湾方面を広範囲に眺める事が出来ます。ビルの所有者が変わって、仮に改修工事が行われたとしても「展望ロビー」は是非とも残して欲しいです。
| 固定リンク
« 中央区 地上45階、高さ約240mの「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」 2021年1月上旬の建設状況 | トップページ | 横浜市現市庁舎街区活用事業 に係る環境影響評価準備書の縦覧 「タワー棟」の階数が地上34階 → 地上32階、最高高さが約180m → 約170mに変更! »
「122 東京都・港区②」カテゴリの記事
- 整備中の「品川駅北口」の北側 JR線上空に「環状第4号線(港南・高輪)」を整備 東西の道路交通(自動車・自転車・歩行者)が劇的に改善!(2025.02.17)
- 高さ約150mの超高層ツインタワー 「(仮称)品川駅街区地区 南街区(南-a)」 & 「(仮称)品川駅街区地区 北街区」 「国土交通省」が詳細を公表!(2025.02.16)
- 高輪ゲートウェイシティ 「THE LINKPILLAR 1(ザ リンクピラー ワン)-高輪ゲートウェイ駅-港区立芝浦中央公園」を結ぶ歩行者デッキ!(2025.02.14)
- JR側の「(仮称)品川駅街区地区 北街区新築計画」 京浜急行本線(泉岳寺駅~新馬場駅間)連続立体交差事業 2025年1月中旬の状況(2025.02.06)