日本橋地区の再開発が止まらない! 三越伊勢丹ホールディングス 「日本橋三越本店」の再開発に動き出す方針!
-日本橋三越本店-
「日本橋三越本店」は、三越呉服店が1904年(大正3年)に設立し「デパートメントストア宣言」を行った後の1914年9月に竣工しました。その後、第2期~第6期の増改築(第3期は震災修築)が行われ、1964年10月に現在の姿になっています。2016年7月には「重要文化財」に指定されています。重要文化財の建物の百貨店は「日本橋高島屋」に続いて2例目です。
2005年9月~2008年5月にかけて、「清水建設」の施工で「免震レトロフィット(免震改修)」が行われ、「鉛プラグ入り積層ゴム×258基」と「弾性すべり支承×56基」の合計314基で建物を支持しています。
● 日本橋三越本店の再開発
「三越伊勢丹ホールディングス」は、「伊勢丹新宿本店」と「日本橋三越本店」の再開発に動き出す方針を明らかにしました。新型コロナ禍で百貨店業は苦戦が続いており、周辺との一体開発で保有不動産の価値を高め、収益力向上につなげます。
「日本橋三越本店」は、「重要文化財」に指定されているので、再開発にはいろいろと難題があると思いますが、歴史的建築物の建て替えには、「大丸心斎橋店 本館」の例もあるので、いろいろと参考になると思います。
「日本橋三越本店」の再開発は巨大プロジェクトになります。苦戦が続いている「三越伊勢丹ホールディングス」が、総事業費をすべてを負担するのは不可能だと思われます。
「三越伊勢丹ホールディングス」は、三井グループの「二木会」に所属しています。日本橋地区の再開発に社運を賭けている三井グループの「三井不動産」が協力企業として参加するのは間違いないと思われます。
日本橋三越本店の概要
◆ 所在地-東京都中央区日本橋室町一丁目4-1
◆ 交通-東京メトロ銀座線・半蔵門線 「三越前」駅より徒歩1分、東京メトロ東西線 「日本橋」駅より徒歩5分、都営地下鉄浅草線 「日本橋」駅より徒歩5分、JR「新日本橋」駅より徒歩7分、JR「東京」駅より徒歩10分
◆ 階数-地上7階、塔屋3階、地下3階
◆ 高さ-軒高31.10m
◆ 敷地面積-9,014.40㎡
◆ 建築面積-8,490.90㎡
◆ 延床面積-71,727.00㎡
◆ 構造-鉄骨鉄筋コンクリート造
◆ 基礎工法-直接基礎、場所打ち鋼管杭、深礎杭(免震改修前:松杭、直接基礎、深礎杭)
◆ 地震対策-基礎免震構造+中間階免震構造(2005年09月~2008年05月にかけて免震改修)
◆ 用途-百貨店、劇場
◆ 建築主-三越
◆ 設計者-横河工務所(現:横河建築設計事務所)
◆ 施工者-横河工務所(現:横河建築設計事務所)、清水建設(第4期以降)
◆ 着工-1911年07月(第1期)~1964年01月(第6期)
◆ 竣工-1914年09月(第1期)~1964年10月(第6期)
「日本橋三越本店」を南東側から見た様子です。 敷地面積9,014.40㎡、 建築面積8,490.90㎡(建物は東西約106m×南北約80m)とかなり大きいです。
● 免震レトロフィット(免震改修)
2005年9月~2008年5月にかけて、「免震レトロフィット(免震改修)」が行われて「免震構造(基礎免震構造+中間階免震構造)」の建物に生まれ変わっています。
「日本橋三越本店」を南東側から引いて見た様子です。メインストリートである「中央通り」では、100尺(約31m)ラインでデザインが統一されています。
日本橋三越本店新館(三越本店新館共同ビル)
「日本橋三越本店新館」は、2004年10月11日にオープンしました。地上13階、塔屋2階、地下4階、延床面積約50,954㎡(増築部約36,648㎡)です。「日本橋三越本店新館」も建て替えられるのかは不明です。
大丸心斎橋店 本館
日本の近代建築に大きな功績を残した、アメリカ出身の「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ」が手がけた「大丸心斎橋店 旧本館」。本館建て替えプロジェクトでは、街の象徴でもあり歴史的価値のある旧本館の採取可能な部材は現物による再利用を行い、困難な部材は原型の型取りの上、現在の技術により再現。継承すべき空間の再構築に挑みました。
ストアコンセプトを象徴する外装デザインは、旧本館の外壁そのものを最新の技術で保存。高層部は水晶塔を避けてセットバックしつつ、保存する外壁と調和するデザインを形成しました。「大丸心斎橋店 本館」は、2019年9月20日にグランドオープンしました。
大丸心斎橋店 本館の概要
◆ 計画名-大丸心斎橋店本館建替計画
◆ 所在地-大阪府大阪市中央区心斎橋筋一丁目7-1
◆ 交通-Osaka Metro御堂筋線「心斎橋」駅地下道直結
◆ 階数-地上11階、塔屋1階、地下3階
◆ 高さ-59.872m(申請以外82.432m)
◆ 敷地面積-10,755.72㎡(施設全体)
◆ 建築面積-9,819.34㎡(施設全体)、5,631.51㎡(本館)
◆ 延床面積-124,774.56㎡(施設全体)、66,562.54㎡(本館)
◆ 容積対象面積-120,479.13㎡(施設全体)、63,910.79㎡(本館)
◆ 構造-鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造
◆ 用途-百貨店
◆ 建築主-大丸松坂屋百貨店
◆ 設計者・監理者-竹中工務店
◆ 施工者-竹中工務店
◆ 解体工事-2016年02月15日~2016年12月31日
◆ 着工-2017年01月01日
◆ 竣工-2019年08月23日(竣工式)、2019年08月31日(竣工)
◆ 開業-2019年09月20日(09月18日報道向けの内覧会、09月19日プレオープン内覧会)
◆ 投資額-約380億円(本館建築工事、本館内装工事)
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