地上48階、高さ約260mの「(仮称)新宿駅西口地区開発事業」 共同事業者候補として「東急不動産」を選定 外観デザインが大幅に変更!
-(仮称)新宿駅西口地区開発事業-
「小田急電鉄」は、新宿駅西口周辺の「小田急百貨店・本館(賃貸面積約61,000㎡)、小田急ハルク(賃貸面積約26,000㎡)、新宿ミロード(賃貸面積約約8,600㎡)、新宿スバルビル(賃貸面積約12,000㎡)」などの再開発計画の検討に入りました。
「小田急電鉄」および「東京地下鉄」が事業主体となる新宿駅西口地区の開発計画について、国家戦略特別区域会議の下に設置された東京都都市再生分科会が開催され、計画が内閣府のHPに公表されたことを踏まえて、計画概要が発表されています。
小田急グループの流通業の中核企業である「小田急百貨店」は、「小田急電鉄」が「東京地下鉄(東京メトロ)」と共同して推進する、国家戦略特別区域の都市再生プロジェクトである新宿駅西口地区開発計画の進捗に伴い、2022年9月末(予定)をもって、新宿店本館での営業を終了し、以降、新宿店は「新宿西口ハルク」にて営業を継続します。
● 共同事業者候補として東急不動産を選定!
「小田急電鉄」は2022年2月9日に、「小田急電鉄」および「東京地下鉄(東京メトロ)」が推進している「新宿駅西口地区開発計画」において、「東急不動産」を共同事業者候補として選定したと発表しました。総事業費のうち、小田急電鉄および東急不動産の投資予定額は、2,000億円程度を見込んでいます。
引用資料 小田急電鉄(PDF:2022/02/09)
新宿駅西口地区開発計画における新たな共同事業者参画に係るお知らせ
「新宿駅西口地区開発計画」は、地上48階、塔屋1階、地下5階、高さ約260m、延床面積約281,700㎡となり、高層部にはハイグレードなオフィス機能、中低層部には新たな顧客体験を提供する商業機能を備えます。
● 共同事業者の募集はコロナ禍のため?
ここからは私の勝手な推測ですが、本来なら小田急が開発する部分は、「小田急電鉄」の単独で行う予定だったと思われます。しかし、コロナ禍により「小田急電鉄」の経営は急速に悪化しています。
5,000億円を超えていた売上高が2021年3月期の連結決算では385,978百万円と4,000億円を切っています。営業利益に至っては24,190百万円の赤字です。2022年3月期の連結決算予想も売上高365,400百万円、営業利益5,400百万円と非常に苦しい予想をしています。
「東京地下鉄(東京メトロ)」を除く部分の投資予定額は2,000億円程度と巨額です。平時ならともかくコロナ禍の中で「小田急電鉄」が単独で行うにはリスクが高過ぎると判断したのだと思われます。
「東急不動産ホールディングス」は、2022年3月期の連結決算予想は売上高1,010,00百万円、営業利益80,000百万円と売上高1兆円超、営業利益800億円を予想しています。総合不動産大手の「東急不動産」が共同事業者候補になった事により資金面でのリスクは無くなりました。
「小田急電鉄」が「東急不動産」に敷地の一部を譲渡し、建物の共有持ち分を取得する「等価交換方式」の採用を前提とし、共同で計画を進める予定です。「小田急電鉄」にとって「金城湯池」の新宿の本拠地の敷地の一部を譲渡するのは苦渋の選択だと思います。
(仮称)新宿駅西口地区開発事業の概要
◆ 所在地-京都新宿区新宿三丁目および西新宿一丁目各地内
◆ 階数-地上48階、塔屋1階、地下5階
◆ 高さ-最高部約260m
◆ 敷地面積-約15,720㎡
◆ 延床面積-約281,700㎡
◆ 容積対象面積-約251,500㎡(容積率1,600%)
◆ 構造-鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造
◆ 基礎工法-直接基礎と杭基礎を併用
◆ 用途-商業施設、オフィス、駅施設 等
◆ 建築主-小田急電鉄、東京地下鉄(東京メトロ)、東急不動産
◆ 設計者-日本設計
◆ 閉館-2022年09月末予定
◆ 解体工事-2022年10月予定
◆ 着工-2022年10月予定
◆ 竣工-2029年度予定
◆ 供用開始-2029年度予定
◆ 小田急電鉄および東急不動産の投資予定額-2,000億円程度(東京地下鉄の投資予定額を除く)
2022年2月9日公開のイメージパース
2022年2月9日に小田急電鉄より公開された「計画建物イメージパース(西側から計画建物を望む)」です。下記の2020年9月9日に公開されたイメージパースと比べると外観デザインが大幅に変更になっています(引用:小田急電鉄)。
2020年9月9日公開のイメージパース
2020年9月9日に小田急電鉄より公開された「計画建物イメージパース(西側から計画建物を望む)」です。
引用資料 小田急電鉄(PDF:2020/09/09)
新宿駅西口地区の開発計画について
「2階・東西デッキ グランドシャフト」です(引用:小田急電鉄)。
「13、14階・ビジネス創発機能 吹き抜け」です(引用:小田急電鉄)。
断面図(南北断面)
最高部の高さは、「G.L.(平均地盤)」+約260mとなっています。建設予定地の、「G.L.(平均地盤)」は、「T.P.(東京湾平均海面:Tokyo Peil)+40mです(引用:東京都環境局)
● 高さ約260mは航空法の高さ制限ギリギリ!
「小田急百貨店・本館」の航空法での高さ制限を「羽田空港高さ制限回答システム」で調べると、制限表面の種類が外側水平表面、制限高(標高)が約301mとなっています。建設予定地の平均地盤面は、T.P.+40mなので、301-40=261mで、高さ約261mのビルまで建設可能です。
「配置図」です。南北に細長い敷地で、「小田急百貨店・本館、モザイク通り、新宿ミロード」が再開発の対象になります(引用:内閣府)。
小田急百貨店・本館
小田急百貨店の本丸である「小田急百貨店・本館」です。地上14階、地下2階、高さ約60mです。1966年9月に「新館」として一部開店し、1967年11月に「本館」として全面開業しました。
「京王百貨店新宿店」の奥にある「モザイク通り」や「新宿ミロード」も再開発の対象です。
工事期間中は新宿西口ハルクでの営業
工事期間中は「新宿西口ハルク」での営業とります。それに向けた改装工事に2022年春頃より着手します。改装後は、「食品、化粧品、インターナショナルブティック」中心の構成となる予定です。
● 小田急西口ハルク
「小田急西口ハルク」は、地上8階、地下3階、延床面積44,078.3㎡(賃貸面積約26,000㎡)、です。1962年11月の開業時にはこの建物が「小田急百貨店」の本館でした。当初「東京建物」が所有していましたが、2000年に「小田急電鉄」が買収しています。
2002年に大規模な改修工事「小田急ハルク・リニューアル計画」が行われ、テナントとして「ビックカメラ」を導入し、百貨店の売場は縮小しています。
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