半導体検査装置 半導体テスタでは世界第1位の「アドバンテスト」 2023年3月期の連結決算は、売上高・営業利益共に空前の好決算を予想!
-アドバンテスト-
「アドバンテスト(Advantest Corporation)」 は、半導体テスタ(半導体を自動で電気試験し、品質や性能、信頼性を評価する装置)では、現在世界第1位で、アメリカの「テラダイン」と世界シェアを二分しています。東証プライムに上場、本社は東京都千代田区丸の内一丁目6番2号の「新丸の内センタービルディング」にあります。
「アドバンテスト」 は、1954年に東京都板橋区に「タケダ理研工業」として創業しました。1985年に社名を「アドバンテスト」に変更、半導体試験装置市場におけるトップ・シェアを獲得、世界のトップメーカーになりました。
● 24年ぶりに営業利益を更新!
下記の業績の推移を見ても分かりますが、シリコンサイクルにより業績の振れ幅が凄まじいです。まるで「ジェットコースター」のような業績推移です。ここまで業績の振れ幅が凄まじい大企業は極めて珍しいです。
私は ”1998年3月期に記録した営業利益866億円を上回る事は二度と無い。” と思っていましたが、2022年3月期に営業利益1,147億円と四半世紀の24年ぶりに更新しました。
半導体業界は、半導体不足のため空前の活況が続いています。そのため半導体試験装置市場も活況です。2023年3月期の連結業績予想(2022年4月1日~2023年3月31日)は、売上高5,500億円、営業利益1,700億円と、売上高・営業利益共に過去最高の業績予想をしています。
しかし、雲行きが変わり、直近では「半導体バブル」が終焉する可能性がいろいろな半導体関連の指標を見る限り顕著に表れています。シリコンサイクルの谷間に入りつつある可能性があります。2023年3月期の連結業績予想は非常に高い数値ですが、是非とも実現して欲しいです。
アドバンテストの連結決算
「アドバンテスト」は、2022年7月28日に2023年3月期第1四半期(2022年4月1日~2022年6月30日)の連結決算を発表しました。売上高135,943百万円(前年同期比40.0%増)、営業利益44,783百万円(前年同期比71.4%増)となりました。
アドバンテスト 決算短信(PDF:2022/07/28)
2023年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
● 2023年3月期の連結業績予想
2023年3月期の連結業績予想(2022年4月1日~2023年3月31日)は、売上高550,000百万円(前年同期比31.9%増)、営業利益170,000百万円(前年同期比48.2%増)と、売上高・営業利益共に過去最高の業績予想をしています。
アドバンテストの連結決算(売上高/営業利益)
-----------------------------------------
1998年3月 257,418百万円 86,616百万円
1999年3月 141,714百万円 30,170百万円
2000年3月 167,123百万円 41,672百万円
-----------------------------------------
2001年3月 262,214百万円 72,613百万円
2002年3月 95,244百万円 △36,552百万円
2003年3月 97,740百万円 △16,743百万円
2004年3月 174,218百万円 30,960百万円
2005年3月 239,439百万円 60,719百万円
2006年3月 253,922百万円 64,458百万円
2007年3月 235,012百万円 56,792百万円
2008年3月 182,767百万円 22,716百万円
2009年3月 76,652百万円 △49,547百万円
2010年3月 53,225百万円 △11,639百万円
-----------------------------------------
2011年3月 99,634百万円 6,111百万円
2012年3月 141,048百万円 837百万円
2013年3月 132,903百万円 80百万円
2014年3月 111,878百万円 △36,369百万円
2015年3月 163,329百万円 14,619百万円
2016年3月 162,111百万円 12,597百万円
2017年3月 155,916百万円 13,905百万円
2018年3月 207,223百万円 24,487百万円
2019年3月 282,456百万円 64,662百万円
2020年3月 275,894百万円 58,708百万円
-----------------------------------------
2021年3月 312,789百万円 70,726百万円
2022年3月 416,901百万円 114,734百万円
2023年3月期予想
2023年3月 550,000百万円 170,000百万円
四半期売上高 事業セグメント別
半導体テスタは、大きく分けて「SoCテスタ(非メモリ・テスタ)」と「メモリ・テスタ」に分かれていますが、市場規模としては「SoCテスタ」の方が遥かに大きいです。
引用資料 アドバンテスト(2022/07/28)
2022年度第1四半期決算説明会および第2期中期経営計画アップデート
「SoCテスタ」は、「ロジック半導体(制御や加工、演算処理などを行う半導体、例としてCPUやGPUなど)」のテスタです。「メモリ・テスタ」は、「DRAM」や「NANDフラッシュメモリ」などのテスタです。
四半期売上高 地域(出荷先)別
「台湾」が一番売上高が多いです。世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリ)である「TSMC(台湾積体電路製造股份有限公司)」が最大の顧客だと思われます。
| 固定リンク
« 超優良企業の「信越化学工業」 2023年3月期の連結業績予想 売上高2兆5500億円、営業利益8250億円と驚異的な好決算を予想! | トップページ | 板橋区 JR板橋駅西口 地上38階、高さ約142mの「板橋駅西口地区第一種市街地再開発事業」 市街地再開発組合の設立を認可! »
「121 東京都・千代田区②」カテゴリの記事
- 総延床約110万㎡ 地上45階、高さ約232mの「内幸町一丁目街区南地区第一種市街地再開発事業 A棟」 タワークレーンのマストが登場 2025年1月中旬の建設状況(2025.01.15)
- 「三菱UFJ銀行本店ビル」の建て替え 地上28階、高さ約164m、延床面積約172,000㎡の「(仮称)M計画」 2025年1月中旬の状況(2025.01.14)
- 「東京海上ホールディングス」などの新本店ビル 地上20階、高さ約110mの世界最大規模となる「(仮称)東京海上ビルディング計画」 2025年1月中旬の状況(2025.01.13)
- TOKYO TORCH(トウキョウトーチ) 地上62階、 高さ約385mの「Torch Tower(トーチタワー)」 2024年12月25日の建設状況(2024.12.29)
「102 経済ニュース」カテゴリの記事
- ファーストリテイリング 「ユニクロ」の全世界店舗数が2,500店舗を突破! 2024年秋、欧州・北米・アジアで主要店舗が続々オープン!(2024.09.18)
- パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(旧:ドンキホーテHD) 2024年6月期連結決算 売上高2兆円突破、35期連続の増収・営業増益!(2024.08.19)
- JR東日本 怒涛の勢いで大規模オフィスビルを建設中 2024年3月期の不動産・ホテル事業の売上高4,058億円 大手不動産会社の7位に相当!(2024.08.10)
- アメリカの半導体大手「エヌビディア(NVIDIA)」 驚異的な好決算が続く 第2四半期から新型AI半導体「Blackwell」生産出荷開始!(2024.06.02)