住友林業 2022年12月期の連結業績 住宅需要が旺盛なアメリカでの好調により、売上高・営業利益共に過去最高を予想!
-住友林業-
戸建て住宅大手の「住友林業」の本社は、東京都千代田区大手町一丁目3番2号の「経団連会館」にあります。「住友林業」の業績はずっと低迷していましたが、直近では売上高や営業利益が急増しています。
日本の戸建て住宅の市場は、日本の少子高齢化により毎年縮小しています。その中で売上高を伸ばすには、M&Aや多角化や海外への進出しかありません。M&Aや多角化で企業規模を拡大しているのが「大和ハウス工業」、海外への進出にで企業規模を拡大しているのが「住友林業」です。
● 桁違いに巨大なアメリカ市場
スーパーマーケットの「ウォルマート」、ホームセンターの「ホーム・デポ」、ドラッグストアの「ウォルグリーン」と日本の同業1位の売上高を比べるとアメリカ企業は日本企業の5倍~10倍くらいの売上高があります。人口差やGDP差以上にアメリカ市場は桁違いに巨大である事が分かります。
「信越化学工業、セブン&アイ・ホールディングス、ダイキン工業、リクルートホールディングス」は、直近で売上高・営業利益が急増しています。「信越化学工業」は塩化ビニール樹脂、「セブン&アイ・ホールディングス」は米スピードウェイの買収、「ダイキン工業」はエアコン販売、「リクルートホールディングス」は米「Indeed(インディード)」の成長が加速など、いずれもアメリカ市場での成功が大きいです。
海外で活躍するイメージがあまり無い「住友林業」ですが、実は海外進出が最も成功している企業の1つです。売上高の多くと利益のほとんどをアメリカから得ています。アメリカ市場での成功で「住友林業」は。今後ますます成長する事が予想されます。
住友林業の連結決算
「住友林業」は、2022年8月9日に2022年12月期第2四半期(2022年1月1日~2022年6月30日)の連結決算を発表しました。売上高782,784百万円(前年同期比23.7%増)、営業利益72,955百万円(前年同期比51.4%増)となりました。
住友林業 決算短信(PDF:2022/08/09)
2022年12月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
● 2022年12月期の連結業績予想
2022年12月期の連結業績予想(2022年1月1日~2022年12月31日)は、売上高1,613,000百万円(前年同期比16.4%増)、営業利益142,000百万円(前年同期比24.9%増)と、売上高・営業利益共に過去最高の業績予想をしています。
住友林業の連結決算(売上高/営業利益)
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1998年3月 713,728百万円 5,805百万円
1999年3月 620,615百万円 6,210百万円
2000年3月 699,594百万円 13,549百万円
-----------------------------------------
2001年3月 682,375百万円 15,999百万円
2002年3月 644,730百万円 3,040百万円
2003年3月 645,100百万円 8,772百万円
2004年3月 673,776百万円 17,576百万円
2005年3月 723,193百万円 18,466百万円
2006年3月 791,128百万円 15,446百万円
2007年3月 911,674百万円 20,405百万円
2008年3月 861,357百万円 7,235百万円
2009年3月 823,810百万円 6,837百万円
2010年3月 723,923百万円 9,747百万円
-----------------------------------------
2011年3月 797,493百万円 14,238百万円
2012年3月 831,870百万円 19,191百万円
2013年3月 845,184百万円 25,330百万円
2014年3月 972,968百万円 33,415百万円
2015年3月 997,256百万円 33,994百万円
2016年3月 1,040,524百万円 33,093百万円
2017年3月 1,113,364百万円 53,989百万円
2018年3月 1,221,998百万円 53,021百万円
2019年3月 1,308,893百万円 49,247百万円
2020年3月 1,104,094百万円 51,377百万円
-----------------------------------------
2020年12月 839,881百万円 47,462百万円(9ヶ月決算)
2021年12月 1,385,930百万円 113,651百万円
2022年12月予想
2022年12月 1,613,000百万円 142,000百万円
セグメント売上高及び経常利益
2022年12月期の売上高予想が1兆6130億円ですが、そのうち海外住宅・不動産が8,290億円を予想しています。海外住宅・不動産の比率が51.4%と5割を突破する予想です。海外住宅は、「アメリカ」と「オーストラリア」に注力していますが、「アメリカ」の比率が圧倒的に高いです。
引用資料 住友林業(PDF:2022/08/10)
2022年12月期決算 ~第2四半期実績及び通期予想~
● 経常利益の88.5%が海外住宅・不動産
2022年12月期の経常利益予想が1,750億円ですが、その内海外住宅・不動産が1,550億円を予想しています。海外住宅・不動産の比率が88.5%となっています。日本国内ではほとんど利益を生み出していない事が分かります。
海外戸建住宅事業の状況
アメリカでの販売戸数は、2021年12月期が11,230戸、2022年12月期が10,850戸(予想)です。販売単価は、2021年12月期が4,540万円(換算レート 1$=109.85円)、2022年12月期が6,260万円(換算レート 1$=123.08円)を予想しています。アメリカは販売戸数が桁違いに多く、販売単価も桁違いに高いので、アメリカで成功すると成長が加速します。
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