超優良企業 半導体製造装置メーカーの「東京エレクトロン」 「東京エレクトロン」の決算に見るシリコンサイクルの振れ幅の凄まじさ!
-東京エレクトロン-
「東京エレクトロン」は、1963年11月に「東京放送(現:TBSホールディングス)」の出資により、「東京エレクトロン研究所」として設立されました。1978年10月には「東京エレクトロン」に社名変更しています。
「東京エレクトロン」の本社は、「赤坂Bizタワー」にあります。なぜ「赤坂Bizタワー」にあるかというと「TBSホールディングス」と「東京エレクトロン」は親子関係にあるためです。現在は関係が薄れていますが、現在でも「TBSホールディングス」は、「東京エレクトロン」の株式の4%弱を保有しています。
2022年時点で、「東京エレクトロン」は、世界3位の半導体製造装置メーカーです。1位は「アプライド・マテリアルズ(アメリカ)」、2位は「ASMLホールディング(オランダ)」、4位は「ラムリサーチ(アメリカ)」です。
● シリコンサイクルの谷間
「東京エレクトロン」は、2023年8月10日に2024年3月期第1四半期の決算を発表しました。2023年4月1日~2023年6月31日の連結決算では、売上高3917億円(前年同期比17.3%減)、営業利益824億円(前年同期29.9%減)となりました。
パソコンやスマートフォン市場の調整が長期化し、景気も減速する中で顧客が先端半導体向けを中心に装置への投資を抑えたことが響きました。決算説明会で、執行役員は「7月~9月期以降、売り上げは徐々に増えていく」と底打ち感を強調しています。
東京エレクトロンの連結業績
「東京エレクトロン」は、2023年8月10日に「2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月31日)の連結決算では、売上高391,746百万円(前年同期比17.3%減)、営業利益82,433百万円(前年同期29.9%減)となりました。
東京エレクトロン 決算短信(PDF:2023/08/10)
2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
● 2024年3月期の連結業績予想
2024年3月期の連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)は、売上高1,700,000百万円(前年同期比23.0%減)、営業利益393,000百万円(前年同期比36.4%減)と、売上高・営業利益共に大幅な減収減益を予想しています。
東京エレクトロンの連結決算(売上高/営業利益)
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1999年3月 313,820百万円 6,382百万円
2000年3月 440,728百万円 35,816百万円
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2001年3月 723,880百万円 121,086百万円
2002年3月 417,825百万円 △18,310百万円
2003年3月 460,580百万円 1,118百万円
2004年3月 529,653百万円 22,279百万円
2005年3月 635,710百万円 63,982百万円
2006年3月 673,686百万円 75,703百万円
2007年3月 851,975百万円 143,978百万円
2008年3月 906,091百万円 168,498百万円
2009年3月 508,082百万円 14,710百万円
2010年3月 418,636百万円 △2,180百万円
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2011年3月 668,722百万円 97,870百万円
2012年3月 633,091百万円 60,443百万円
2013年3月 497,299百万円 12,548百万円
2014年3月 612,170百万円 32,204百万円
2015年3月 613,124百万円 88,113百万円
2016年3月 663,948百万円 116,788百万円
2017年3月 799,719百万円 155,697百万円
2018年3月 1,130,728百万円 281,172百万円
2019年3月 1,278,240百万円 310,571百万円
2020年3月 1,127,286百万円 237,292百万円
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2021年3月 1,399,102百万円 320,685百万円
2022年3月 2,003,805百万円 599,271百万円
2023年3月 2,209,025百万円 617,723百万円
2024年3月期予想
2024年3月 1,700,000百万円 393,000百万円(会)
2024年3月 1,730,492百万円 401,933百万円(コ)
(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2023年8月17日時点の数値です。
● シリコンサイクル
2001年3月期のITバブル、2007年3月期・2008年3月期のプチバブル、2022年3月期・2023年3月期がピークとなっています。シリコンサイクルで好不況が周期的にやってくるため業績の振れが非常に激しいです。
技術革新のスピードが早い半導体産業では、設備投資や在庫管理のタイミングの調整が非常に難しいです。製品の世代が変わる時期に、需給と供給のバランスが崩れやすいです。好景気には大量に発注が集中して供給が不足しますが、不景気には需要が急減して供給過剰となります。他の産業と比べても半導体産業は、特に山が高く、谷が深いです。
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