新横浜に本社 超高収益企業 半導体検査装置メーカーの「レーザーテック」 2024年6月期の連結業績 売上高2,135億円、営業利益813億円の好決算!
-レーザーテック(Lasertec)-
新横浜駅近くの神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目10-1に「レーザーテック」の本社があります。「レーザーテック」は、EUVマスクプランクス欠陥検査装置やEUVマスク欠陥検査装置を供給する世界唯一のオンリーワン企業として注目されています。
「レーザーテック」は2024年8月7日に「2024年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。売上高2,135億円、営業利益813億円と、いずれも過去最高でした。
半導体の微細化に向けて競争が激しくなるなか、最先端の「EUV(極端紫外線)」露光技術に対応した検査装置の販売の好調が続きます。生成人工知能(AI)関連や「電気自動車(EV)」の普及によるパワー半導体の需要増なども追い風となります。顧客の半導体メーカーへ納入済みの台数が増加したことで、サービスの売上高も増えます。
● グローバルニッチ戦略
「レーザーテック」は、「グローバルニッチ戦略」を採用しています。グローバルニッチ市場とは、世界市場の中で高い技術力が必要ですが大企業が参入するほど市場は大きくなく、一方で中小企業には経験や技術の点で参入が極めて困難な市場です。
「レーザーテック」は、半導体製造装置の中でも「マスクブランクス(半導体デバイスを製造する元となるガラス基板)」と「マスク」の検査装置に特化して、EUV向け装置を供給する世界唯一のオンリーワン企業となっています。
最大のライバルは、アメリカに本社を置く半導体検査装置メーカーで世界シェアNo.1の巨人「KLAコーポレーション」です。「KLAコーポレーション」がEUV向け検査装置に参入するのは時間の問題だと思います。それまでに「レーザーテック」は企業規模を大きくして、「KLAコーポレーション」が参入しても資金力で対抗できる企業規模にしておく必要があります。
レーザーテックの連結決算
「レーザーテック」は、日本の企業では珍しい6月決算を採用しています。「レーザーテック」は2024年8月7日に「2024年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。
レーザーテック 決算短信(PDF:2024/08/07)
2024年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
2024年6月期(2023年7月1日~2024年6月30日)の連結決算では、売上高213,506百万円(前年比39.7%増)、営業利益81,375百万円(前年比30.6%増)となりました。売上高が遂に2,000億円を突破しました。
● 2025年6月期の連結業績予想
2025年6月期の連結業績予想(2024年7月1日~2025年6月30日)は、売上高240,000百万円(前年比12.4%増)、営業利益104,000百万円(前年比27.8%増)と、売上高・営業利益共に過去最高の業績予想をしています。
ちなみにアナリスト予想(コンセンサス)では、売上高260,867百万円(前年比22.2%増)、営業利益111,722百万円(前年比37.3%増)と好決算を予想しています。
レーザーテックの連結決算(売上高/営業利益)
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1998年6月 5,988百万円 1,103百万円
1999年6月 4,495百万円 665百万円
2000年6月 4,781百万円 762百万円
-----------------------------------------
2001年6月 6,550百万円 1,389百万円
2002年6月 6,524百万円 1,271百万円
2003年6月 6,156百万円 1,005百万円
2004年6月 7,504百万円 1,169百万円
2005年6月 9,972百万円 1,911百万円
2006年6月 12,033百万円 2,963百万円
2007年6月 15,874百万円 3,895百万円
2008年6月 14,136百万円 3,100百万円
2009年6月 9,266百万円 △657百万円
2010年6月 8,931百万円 746百万円
-----------------------------------------
2011年6月 12,722百万円 2,441百万円
2012年6月 12,337百万円 3,088百万円
2013年6月 11,397百万円 2,149百万円
2014年6月 13,607百万円 3,097百万円
2015年6月 15,187百万円 4,722百万円
2016年6月 15,291百万円 4,428百万円
2017年6月 17,369百万円 4,960百万円
2018年6月 21,252百万円 5,685百万円
2019年6月 28,769百万円 7,941百万円
2020年6月 42,572百万円 15,062百万円
-----------------------------------------
2021年6月 70,248百万円 26,074百万円
2022年6月 90,378百万円 32,492百万円
2023年6月 152,832百万円 62,287百万円
2024年6月 213,506百万円 81,375百万円
2024年6月期予想
2024年6月 240,000百万円 104,000百万円(会)
2024年6月 260,867百万円 111,722百万円(コ)
(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2024年8月11日時点の数値です。
2024年6月期 製品別業績ハイライト
「売上高」と「受注残」を見ると「ACTISシリーズ」が主力である事が分かります。EUV露光装置に対応したフォトマスク欠陥検査装置「ACTIS A150」、更に高性能の「ACTIS A300」の引き合いが活発になってます。「ACTIS A150」の価格は非開示ですが、推定で1台当たり80~100億円、「ACTIS A300」は更に高額と思われます。
引用資料 レーザーテック(PDF:2024/08/07)
2024年6月期 決算説明会資料
ACTIS A300シリーズ
最新型のアクティニックEUVパターンマスク欠陥検査装置 ACTIS 「A300」シリーズです。現時点では「レーザーテック」しか製造出来ない超高性能マシンのため1台当たり100億円を超えると言われています。
引用資料 レーザーテック
ACTIS A300シリーズ
新研究開発拠点InnoPa(Lasertec Innovation Park)
レーザーテックは、東芝グループの研修所やグループ会社の拠点として使用していた「新横浜東芝ビル」の取得を発表しています。新研究開発拠点の名称を「Lasertec Innovation Park(通称:InnoPa)」と決定しました。InnoPaは「イノパ」と読みます。
将来を見据えた業容拡大への対応及び業務効率の向上、経営基盤の強化を目的として、顧客からの需要増に応じた研究開発および製造能力の増強を企図しています。まずは、検査装置の新たな生産拠点として、クリーンルームを含む設備の建設を開始し、成長に即した研究開発、執務場所及び倉庫としての活用も検討しています。
Lasertec Innovation Park(通称:InnoPa)の概要
◆ 所在地-神奈川県横浜市港北区鳥山町555番地
◆ 交通-JR「新横浜」駅より徒歩16分(本社より徒歩10分)
◆ 敷地面積-約15,830㎡
◆ 現況-「新横浜東芝ビル」の名称で、東芝グループの研修所やグループ会社の拠点として使用(敷地内に5棟の建物 A棟、B棟、C棟、宿泊棟、機械実習棟)
◆ 第一期工事-機械実習棟のクリーンルームへの改修(2023年07月より稼働)
◆ 第二期工事-A棟、B棟、C棟、宿泊棟(2025年初頭に完了・稼働開始予定)
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