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2025年3月 9日 (日)

中野区 地上61階、高さ約262mの「NAKANOサンプラザシティ(仮称)」 協定解除に向けた協議 再開発は振り出しに!

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-NAKANOサンプラザシティ(仮称)-

 中野区では、「中野サンプラザ」と「中野区役所」を中心とする「中野駅新北口駅前エリア」における拠点施設整備の事業化推進のため、第一種市街地再開発事業の施行予定者となる民間事業者の募集・選定を行いました。審査委員会の審査結果を踏まえ、施行予定者候補及び次点候補を選定し、2021年1月29日に公表しました。

 「野村不動産」を代表とするグループ「(代表事業者)野村不動産、(共同事業者)東急不動産、住友商事、ヒューリック、JR東日本)」は、中野区とともに推進する「中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備事業」において、2021年5月6日に中野区と基本協定書を締結しました。

 「(仮称)中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」は、高さ約235m、延床面積約257,000㎡で計画されていましたが、高さ約262m、延床面積約298,000㎡に規模が拡大されました。

 中野区のJR中野駅北口にある「中野サンプラザ」が、2023年7月2日をもって閉館しました。「中野サンプラザ」は、1973年6月1日に開業しました。コンサートホールは、収容人員2,222人です。数々の人気アーティストが公演を開催し、都内でも有数の人気ホールでした。

 「野村不動産」を代表とするグループ「(代表事業者)野村不動産、(共同事業者)東急不動産、住友商事、ヒューリック、及びJR東日本」は、中野区とともに推進する「中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」について、2023年11月15日付で、中野区より都市計画決定の告示がなされました。

 当初は1,810億円だった総事業費ですが、2022年12月時点では2,250億円と試算されていました。しかし、建設資材費や人件費の高騰などにより、約250億円増加し、2,500億円以上となる見通しです。デザイン等が大幅に変更されています。

● 計画見直し、認可申請取り下げ! 
 「中野区」で2023年に閉館した複合施設「中野サンプラザ」跡地の再開発について、中野区は2024年10月11日に、「野村不動産」など事業者側から施行認可申請の取り下げがあったと明らかにました。建設費の高騰が理由です。総事業費は2,639億円と見込んでいましたが、更に900億円超の増額となる見通しとなっていました。

 「中野区」は事業者から新たな計画を求めていますが、2029年度中に予定していた完成は遅れることになります。「中野区」は区議会に対して計画を白紙撤回するわけではないと説明したうえで、今後、事業者と協議した上で、計画の内容を再検討していきたいとしています。

● 事業者との協定解除に向けた協議に入る方針を固める!
 中野区は、「中野サンプラザ」と「中野区役所」を中心とする再開発を巡り、「野村不動産」など事業者との協定解除に向けた協議に入る方針を固めました。再開発は建設コストの上昇を背景に停滞していました。事業者の同意を得て協定解除となれば、再開発は振り出しに戻ります。

 日本経済新聞(2025/03/07)
 中野サンプラザ再開発、白紙協議へ 区や野村不動産

<協定解除に向けた協議>
NAKANOサンプラザシティ(仮称)の概要
◆ 計画名-(仮称)中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業
◆ 所在地-東京都中野区中野四丁目1番、8番
◆ 交通-JR中央線・総武線・東京メトロ東西線「中野」駅から徒歩1分
◆ 階数-地上61階、塔屋2階、地下3階
◆ 高さ-最高部約262m、建築基準法の高さ約250m
◆ 敷地面積-約23,460㎡
◆ 建築面積-約18,800㎡
◆ 延床面積-約298,000㎡
◆ 容積対象面積-容積率約1,000%
◆ 地震対策-中間層免震構造(2層の免震層)

◆ 用途-オフィス、共同住宅、店舗、ホテル、ホール、駐車場など
◆ 総戸数-約1,100戸
◆ 施行予定者-(代表事業者)野村不動産、(共同事業者)東急不動産、住友商事、ヒューリック、JR東日本、(構成事業者・協力事業者)清水建設、日本郵政不動産、日本設計、電通、ジェイアール東日本ビルディング、野村不動産ホテルズ、野村不動産パートナーズ、東急コミュニティー、リージョンワークス合同会社
◆ 特定業務代行者-清水建設
◆ 解体-2024年度予定(当初計画)
◆ 着工-2025年度予定(当初計画)
◆ 竣工-2028年度予定(当初計画)
◆ 供用開始-2029年度予定(当初計画)
◆ 総事業費-2,639億円(更に900億円以上増加する見込み)


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2015年4月7日の野村不動産グループの案
 「中野区」は、「区役所・サンプラザ地区再整備」の事業構築に係る民間事業者として外部学識経験者を含む選定委員会の審査を経て、今から約10年前の2015年4月7日 に「三菱地所グループ」と「野村不動産グループ」の2グループを選定しました。

 引用資料 中野区・公式HP(2015/04/07) リンク切れ
 区役所・サンプラザ地区再整備の事業構築に係る民間事業者の提案概要書の公表について

 三菱地所グループの案は、「三菱地所グループ(東京建物、NTT都市開発、三菱地所レジデンス、鹿島建設)」、野村不動産グループの案は、「野村不動産グループ(清水建設、住友商事、第一生命保険、東急不動産)」により構成されていました。

● 推しは推せる時に推せ!
 「推しは推せる時に推せ!」という言葉があります。自分の好きなアイドルやアーティストなどは活動している今のうちに全力を持って推すべきだという意味です。引退やスキャンダルなどがあり今の状態がいつまでも続くわけではないという戒めです。

 プロジェクトも同じです。多少強引でも行けるときにどんどん行かないと経済状況が激変すると取り返しのつかない事態になります。ここ最近は再開発のニュースが激減しています。経済状況が激変して建設費が高騰しているのが理由です。

 「中野サンプラザ」と「中野区役所」を中心とする再開発はダラダラとなかなか進みませんでした。私は10年以上見守ってきましたが、その間に建設費がどんどん高騰していきました。特定業務代行者が2024年3月期に上場以来初の営業赤字に陥り余裕が無かった「清水建設」というのも痛かったです。

 今から思えば、「中野区」がもう少し急いでいたら結果は違っていたかも知れません。街のランドマークとしてJR中野駅周辺の「都市格」を大幅に上げるプロジェクトだっただけに本当に残念です。


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中野区新庁舎
 「中野区新庁舎」です。2024年5月7日から新庁舎に移転しています。「NAKANOサンプラザシティ(仮称)」を建設するための移転だったのですが、まさかこんな事態になるとは夢にも思わなかったです(写真提供読者さん)。

中野区新庁舎の概要
◆ 計画名-中野区新庁舎
◆ 所在地-東京都中野区中野四丁目2番139
◆ 交通-JR中央線「中野」駅、東京メトロ東西線「中野」駅より徒歩6分
◆ 階数-地上11 階、塔屋1階、地下2階
◆ 高さ-最高部52.650m、軒高51,800m
◆ 敷地面積-8,557.38㎡
◆ 建築面積-3,841.98㎡
◆ 延床面積-47,272.29㎡
◆ 構造-鉄骨造、一部(鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造)
◆ 基礎工法-直接基礎(べた基礎)
◆ 地震対策-免震構造(B1階柱頭部に免震装置「天然ゴム系積層ゴム、鉛プラグ入り積層ゴム、高減衰ゴム系積層ゴム」を配置)
◆ 用途-庁舎
◆ 建築主-中野区
◆ 設計者-(基本設計)日本設計、(実施設計)竹中・協永・明成・武蔵野・INA特定建設共同企業体
◆ 監理者-日本設計
◆ 施工者-竹中・協永・明成・武蔵野・INA特定建設共同企業体(竹中工務店、協永建設、明成建設工業、武蔵野建設産業、INA新建築研究所)
◆ 解体工事-2020年12月
◆ 着工-2021年06月24日(起工式)、2021年07月01日(工事着手)
◆ 竣工-2024年02月27日(工事完了)
◆ 開設-2024年05月07日(新庁舎に移転)



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