成田空港の更なる機能強化 「B滑走路」を3,500mに延伸 「C滑走路(3,500m)を新設 構想中の「第4ターミナル(T4)」のイメージを発表!
-成田空港の更なる機能強化-
「成田国際空港会社(NAA)」は、3,500mの「C滑走路」の新設、2,500mの「B滑走路」を1,000m北側延伸などを計画しています。現在の空港区域の面積は約1,400haです。50万回の発着容量に対応するため、空港の敷地を新たに約1,000ha拡張することが必要となります。既存区域と合わせて約2,400haとなります。道路整備など関連工事の区域の約200haも含めると、空港敷地の面積は約2,600haとなります。
引用資料 成田国際空港株式会社(2024/04)
成田空港の更なる機能強化 滑走路整備計画の概要について
● 構想中の第4ターミナル(T4)のイメージを発表!
「成田国際空港会社(NAA)」は2024年6月6日に、成田空港のさらなる機能強化に向けた「『新しい成田空港』構想検討会」の第9回を東京都内で開催しました。その中で、新旅客ターミナルと新貨物地区の配置イメージも明らかにしました。
引用資料 トラベル Watch(2024/06/06)
成田空港が構想中の第4ターミナル(T4)のイメージを発表
旅客施設・貨物施設などを含めた事業費は8,000億円を想定しています。新ターミナル(T4)は2030年代前半に東部分を共用開始し、残りの西側部分も順次施工を進めて共用を開始していく予定です。
「滑走路工事計画の概要」です。
「B滑走路地区(空港整備計画)」です。東側の「B滑走路」を北側に延長2,500mから3,500m(幅員60m)に延伸します。「東関東自動車道」を超えて更に北側に伸びます。大規模に「盛土」と「切土」を行うので、雨水対策として大規模な「調整池」を整備します。
B滑走路の「滑走路縦断図」です。
● 東関東自動車道の上に滑走路を延伸!
現在のB滑走路付近の「東関東自動車道」は、「切土構造」で道路全体が地上に露出しています。新たに大規模な「地下函体構造物」のトンネルを構築し、その上を「盛土」で埋めてB滑走路を延伸します。
● 北総VOR/DMEも移転!
現在のB滑走路の北側(16L)の「進入灯」の延長上に「北総VOR/DME」がありますが、B滑走路が延伸されると「北総VOR/DME」を移転する必要があります。
「VOR(VHF Omnidirectional Range):超短波全方向式無線標識」は、放射状に広がる方位信号を発信する地上無線局のことです。航空機がどの方向にいるかを知ることが出来ます。
「DME(Distance Measuring Equipment):距離情報提供装置」は、航空機と地上局との距離を測定する事が出来ます。多くの場合「VOR」と「DME」は併設されています。
B滑走路の「滑走路横断図」です。「B滑走路」は幅員60mなので、延伸部分も幅員60mとなります。B滑走路の延伸予定地をGoogleマップの衛星写真で見てもあまり高低差が分かりませんが、実際は物凄い高低差があり、大規模な「盛土」を行う事が分かります。
「B滑走路地区(付替・補償道路計画)」です。
「今後の工事の進め方(B滑走路地区)」です。
「C滑走路地区(空港整備計画)」です。東側の「B滑走路」を南側に延長3,500m(幅員45m)の「C滑走路」を新設します。「誘導路」は北側の一部にしか整備しません。そのため「C滑走路」の運用は、南側からの着陸と北側からの離陸となります。
万一のために滑走路南端に航空機がUターン出来るスペースを設けています。Uターンした航空機は滑走路を誘導路として使用して北側に移動する事になります。「C滑走路」の東側にはかなりのスペースがあるので、将来的には「C滑走路」の運用が軌道に乗るとの「誘導路」を整備すると思われます。
C滑走路の「縦断計画図」です。
● 滑走路縦断はV字型
滑走路は、両端や中央の標高がほぼ同じの場合が多いですが、C滑走路の 滑走路縦断は「V字型」となっています。北端が標高約33m、中央が標高約20m、南端が標高約27mです。最大約13mの高低差があります。
「C滑走路」の建設予定地は、高低差がある丘陵や沢です。C滑走路を水平にするには、膨大な「盛土」と「切土」が発生します。建設費が莫大になるので、現状の地形を生かし、盛土と切土を最小限にした「V字型」としました。
C滑走路の「横断計画図」です。
● 滑走路幅員45m
既存の大規模な空港では、大型航空機の就航や航空機が滑走路から逸脱する可能性をより少なくすることを目的として、滑走路の幅員を60mとしていました。そのため成田空港の「A滑走路」と「B滑走路」は、幅員60mです。
滑走路の幅(最小値)に関するICAO(国際民間航空機関)基準が、最大幅60m以上を45m以上に改正されました。そのため世界最大の旅客機「エアバスA380」の離着陸も滑走路幅員45mで可能になりました。滑走路幅員を45mにすることで大幅に建設コストを抑える事が出来ます。
「C滑走路地区(付替・補償道路計画)」です。
「今後の工事の進め方(C滑走路地区)」です。
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