水都・OSAKAαプロジェクト 2007/11/22
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-雨過天青雲破処-
「雨過天青雲破処:うかてんせいくもやぶれるところ」、3年くらい前にメインの「超高層ビルとパソコンの歴史」のコラムにも書きましたが、私個人が超高層ビルを撮影する上で理想と思う青空の色です。前回のコラムをそのまま書きますが、時代は中国の北宋の時代にさかのぼります。
北宋は開封を都として軍事力は歴代王朝の中でも弱かったのですが、芸術は大変栄えました。中でも北宋最後の皇帝となる徽宗(きそう)の時代に最も芸術が栄えました。 西暦1100年頃で有名な水滸伝の物語になった頃です。徽宗は 「風流天使」と呼ばれ政治を省りみず芸術にうつつを抜かしていました。そのせいもあり政治は腐敗し、堕落ていましたが芸術は非常に発達しました。
徽宗自身も素晴らしい芸術家で作品を多数残しています。彼が生涯で一番こだわったのが「青」の追求でした。 理想の青は「雨過天青雲破処:うかてんせいくもやぶれるところ」意味としては、「雨上がり、雲間からのぞく青空、やがてそこに広がる湿り気を含んだ青」その青を陶磁器に再現することが夢でした。彼の意を受けた陶工は汝官窯(じょかんよう)で素晴らしい「青」を生み出します。この青磁は現在は世界に60点くらいしか残っていなくて、北京や台北の故宮博物院の中でも最重要文物の一つです。
やがて北宋は北方の女真族の国「金」に攻め込まれ百万都市で「夢の都」と呼ばれ大変栄えた開封は占領され北宋は滅びます。徽宗は金の捕虜となり最果ての地に幽閉され1135年 に53歳で世を去ります。後世の皇帝がその「青」の再現を 試みましたがどうしても不可能でした。現在の最新技術を使って成分を分析しても同じものは造ることが出来ないそうです。それほど高度で微妙な技術だったということでしょう。
芸術的な夕日や風景写真として超高層ビルを撮影する場合は別ですが、資料的価値に重きを置くと、やはり背景は雲ひとつない快晴が理想です。快晴でも異様なほど空が青い時がありますが、あまりに青すぎてビル本体も青っぽくなって嘘っぽい写真になり、私個人としては雨上がりの後の湿り気を含んだやさしい青の快晴が好きです。でも天気以前に撮影技術をもっと磨かないと私の場合はダメですが・・・
上の写真のわずか1時間前の写真です。地元関西なら天気が悪くても何度も撮影出来るのであきらめますが、他の都市は1発勝負になります。昨日も書きましたが、私は「超雨男」なのでひたすら待ちました。日本の天気は変わりやすく、わずか1時間ですっかり天気が変わります。
写真の分野により難しさは違いますが、超高層ビルの場合は天気と時間(太陽の方向)が非常に重要な要素になります。
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-九州大学・伊都キャンパス-
福岡や東京へ撮影に行くときは、ローテーションの都合上数ヶ月前に日程を決めます。だから当日の天気は、神様に祈るしかありません。しかし私は「超雨男」です。今回も九大学研都市駅に着いた途端雨が降ってきました。我ながら本当に情けないです。
情けなさに関しては、日本の株式市場に匹敵します。先週の日経新聞によると、世界の主要51市場の中で、年初来の騰落率を見ると東京市場は、何と50番目だそうです。日本より悪いのはベネズエラだけだそうです。最近の日本の市場を見ていると、情けなさを通り越して「吐き気」さえしてきます。
愚痴はこれくらいにして本題に戻りたいと思います。九州大学の新キャンパス(伊都キャンパス)は、九州大学の医学部系(医学部・歯学部・薬学部)を除くほとんどの部分を、福岡市西区・桑原地区、志摩町、前原市にまたがる丘陵地帯約275ヘクタールに移転する壮大なプロジェクトです。
あまりに規模が大きいので文章で概要を説明しても分かりにくいのと、規模が大きすぎて写真では雰囲気が伝わらないので、九州大学新キャンパス関係のLinkを貼っておきます。
★ 九州大学・新キャンパス 公式ホームページ
★ 伊都キャンパス・ゾーン図
★ 航空写真等(2000年~2007年)
★ 伊都キャンパス紹介映像(動画・パース一覧・建築模型等)少し高台から見たウエスト4号館(左)と生活支援施設ウエストⅡ(右)です。
九州大学の「ウエストゾーン」の入口です。手前の部分は「センターゾーン」になります。
この奥は造成中のため立入禁止です。この奥には農学系、工学系の実験施設、農場、運動施設等が整備される予定です。
先の造成中の丘陵地は、「イーストゾーン」で主に文系の施設が整備される予定です。
学園通線(県道567号線)です。九州大学・伊都キャンパス前からJR九大学研都市駅近くまで4車線の立派な道路で接続します。現在半分くらい完成しています。時間も遅く、他に撮影の予定もなかったので歩いて帰ることにしました。
このように歩道も立派です。途中、九州大学の学生と思われる自転車が私を何台も猛スピードで追い抜いていきました。
九大学研都市駅より少し近い「周船寺駅」まで歩きました。1時間もかかってしまいすっかり暗くなってしまいました。結論として余程時間が余ってない限り歩くの無理!です。周船寺駅は九大学研都市駅と違いローカル線の風情が残っています。
ホームは地上にあり島式の1面2線です。
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-伊都土地区画整理事業-
今回、福岡市を訪ねた目的は超高層ビルの撮影はもちろんですが、大学のキャンパスめぐり大好き人間としては「九州大学の新キャンパス」を見るのも大きな目的でした。私個人の勝手な基準として都市の格を決めるのは
(1)都市圏内に拠点空港があること
(2)新幹線の駅があること(札幌市を除く)
(3)旧帝大クラスの大学があること
(4)地下鉄があること
(5)都市高速道路があること
それプラス プロ野球チームとJリーグのチームがあること、巨大スタジアムがあること
と考えています。いろいろな本を読んでもだいたい同じ意見の方が多いです。福岡市にとっても九州大学は宝物なので、老朽化のため医学部・歯学部・薬学部以外の全面移転が決まった時も福岡市内への立地を死守しました。北九州市は福岡市と北九州市の中間あたりへの移転を提言していたためかなり対立しました。
旧帝大クラスの移転となると広大な敷地が必要になります。福岡市にはそのような広大な開発が可能な土地がありません。なんとか見つけ出したのが福岡市の西の端、前原市や志摩町との境の伊都の丘陵地帯です。現在、空前の規模で移転が行われています。規模の大きさから東京教育大学が筑波大学として筑波研究学園都市に移転したのと、広島大学が東広島市に移転したのに匹敵するか、それ以上だと思われます。
ただしこのあたりは何もなく、見渡す限りの田園地帯です。一番近い交通アクセスはJR筑肥線の周船寺駅でした。そこで福岡市は周辺一帯を大規模開発し副都心にするプロジェクトを立ち上げました。それが「伊都土地区画整理事業」です。かなりの広範囲で区画整理が行われています。その中核として高架の「九大学研都市駅」を新設しました。九大学研都市駅のホームです。島式ホームの1面2線です。JR筑肥線は地下鉄空港線と相互乗り入れしています。姪浜駅(めいのはま)以西がJRになりますが、姪浜駅以東はホームドア式の近代的な駅ですが、姪浜駅以西はローカル線的な雰囲気が漂っています。その中で唯一「九大学研都市駅」だけは近代的な駅です。
高架になっているのは「九大学研都市駅」だけで両側の駅は地上にあり、駅舎もかなり小さいです
駅の北西側です。先の丘陵地帯に九州大学の新キャンパスが建設中です。駅前はまだ見渡す限りの更地です。
駅の北東側です。駅前はまだ見渡す限りの更地です。
北口の駅前広場です。九州大学にはここからバスで行きます。
南口です。巨大な「イオンショッピングセンター」があります。その西側にもかなり大きい家電量販店エディオンの「デオデオ」があります。
場所はlここです。
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-香椎副都心土地区画整理事業-
香椎(かしい)副都心土地区画整理事業は、福岡市東区のJR千早駅周辺の再開発プロジェクトです。JR香椎駅南側に広がる旧:国鉄香椎操車場跡地の再開発で、JR鹿児島本線と西鉄宮地岳線を東側に数百メートル移動させ、連続立体交差化(高架化)して、新たにJR千早駅新設して副都心を整備するプロジェクトです。
写真は「香椎副都心土地区画整理事業」の中心となる。JRと西鉄の千早駅です。
UR都市機構・香椎副都心土地区画整理事業
高架になったJR千早駅のホームです。2面4線の立派な駅で、4線以外に追い越し線もあるので駅の幅はかなり広いです。千早駅と香椎駅の中間ぐらいで高架は終了します。
私が福岡に住んでた10年前は、箱崎駅から香椎駅の間に駅はありませんでした。それに線路はもっと西側の地上を走っていました。「香椎副都心土地区画整理事業」の中心地ということで駅を新設したようです。
高架になった西鉄宮地岳線の千早駅のホームです。1面2線の立派な駅です。駅は立派ですが、なんと自動改札ではなく手動改札です。西鉄香椎駅の少し先まで高架になっています。
私が福岡に住んでた10年前は、「名香野駅」という名称でした。それに線路はもっと西側の地上を走っていました。
千早駅の西口です。再開発を行っていますが、現在はまだ広大な更地が広がっています。
その一画に地上31階、塔屋2階のタワーマンション建設予定地があります。
概要を書いた「建築計画のお知らせ」らしきものです。「予定建築物についてのお知らせ」という名称ですが、数か所で見ましたが、福岡市は高さと竣工予定月は書かないようです。超高層ビルファンにとっては一番重要な項目なんですが・・・
千早駅西口にあるNTTドコモ九州香椎ビルです。現地でビルの標識を見ると正式名称は「NTTDoCoMo九州香椎ビル」のようです。再開発地区の先頭を切って完成しました。地上17階、地下1階、高さ114.3m(塔を含む)です。
場所はここです。
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-博多駅ビル(仮称)新築工事-
現在JR九州の博多駅は、2011年春の九州新幹線の全面開通に合わせて大改良工事を行っています。九州新幹線は全面開通後は、山陽新幹線との相互乗り入れも予定しており、鹿児島市内から大阪市内まで乗りかえなしで行けるようになります。
写真で見えるのは、現在の駅ビルの解体工の様子です。2011年春には地上10階、地下3階の巨大駅ビルに生まれ変わる予定です。延床面積は現在の駅ビルの約7倍です。屋根にある住友グループのマークに似ている井桁(いげた)のマークは、百貨店「井筒屋」のマークです。
現在の駅ビルの核テナントとして、「博多井筒屋」が入っていますが、新しい駅ビルの核テナントにはなりませんでした。井筒屋との交渉は難航しましたが、JR九州が井筒屋に保証金を支払うことで合意しました。
出店レースでは、当初は全国制覇を狙う「高島屋」が有力でしたが、より広い売場面積を要求した高島屋とJR九州の交渉がまとまらず、結局核テナントとして「阪急百貨店」が入居する事に決定しました。阪急百貨店の売場面積は約40,000㎡です。
新駅ビルの概要
◆ 名称-博多駅ビル(仮称)
◆ 規模-地上10階、地下3階
◆ 敷地面積-約22,000㎡
◆ 延床面積-約200,000㎡
◆ 構造-鉄筋コンクリート造および鉄骨造
◆ 施設構成-駅施設、百貨店、専門店、エンターテイメント、サービス
◆ 核テナント-阪急百貨店、東急ハンズ
◆ オープン-2011年春予定
詳しくは → JR九州・博多駅開発に関するプレス発表資料
-博多駅・大改修工事-
新幹線ホーム新設に伴い、JR九州の博多駅ホームも大改修工事を行っています。9番のりばの撤去し、7番と8番のりばの南半分が使用出来ないようにする工事ですが、すでに9番のりばは完全に姿消し、7番と8番のりばの南半分もほとんど姿を消しています。
現在の新幹線博多駅は2面4線の構造になっています。現在解体工事を行っているJR九州の在来線のホームの上に、高架で島式1面2線の新幹線ホームが増設される予定です。これにより新しい新幹線博多駅は3面6線のホームを持つ駅になります。
駅ビルのなかった部分は、すでにタワークレーンが建っており、先行的に工事が行われています。
博多駅のホームから見た建設工事の様子です。
新しい駅ビルは、一部ホームの上も使用することが分かります。駅ビルに近いホームの上に柱が何本も建っています。
南半分が解体された7番と8番のりばです。その奥が9番のりばだったのですが、解体されて影も形もありません。この部分に新幹線の島式1面2線の新幹線ホームが増設される予定です。奥に見えるのは新幹線の博多駅です。
南半分が解体工事中の7番と8番のりば跡です。博多駅は高架の構造になっているので駅のホームはすべてコンクリートで作られていると思っていましたが、よく見るとホームの下は盛り土の構造になっていたのですね。
駅の改良工事とは関係ないですが、JR九州の885系電車「かもめ」です。JR九州の特急はどれもカッコいいのですが、JR九州の車両は通常の電車もやたらきれいです。福岡・北九州都市圏だけかも知れませんが、普通電車でもクロスシートは当たり前で座席もすごくきれいで首都圏や近畿圏の通勤電車に見慣れた方は感動すると思います。
これも人気の787系電車「つばめ」です。
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-新・大阪富国生命ビル-
大阪富国生命ビルの建て替え計画が発表されたのはかなり前になりますが、梅田の超一等地にあるだけにテナントの移転交渉が難航し、なかなか前に進みませんでした。
しかし諸問題がクリアーされ、2007年11月15日に富国生命から正式に「新・大阪富国生命ビル」の概要が発表されました。
概要
◆ 所在地-大阪市北区小松町2番4号
◆ 階数-地上28階、塔屋1階、地下4階
◆ 高さ-約133m
◆ 敷地面積-約3,900㎡
◆ 延床面積-約62,400㎡
◆ 用途-オフィス、店舗、学校
◆ 設計-清水建設
◆ 施工-清水建設
◆ 着工-2007年11月(解体工事着手)
◆ 竣工-2010年下期予定
富国生命保険・ニュースリリース(PDF:2007/11/15)
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