超高層ビルの撮影は天気次第! 「リーガロイヤルホテル小倉」編
-雨過天青雲破処-
「雨過天青雲破処:うかてんせいくもやぶれるところ」、3年くらい前にメインの「超高層ビルとパソコンの歴史」のコラムにも書きましたが、私個人が超高層ビルを撮影する上で理想と思う青空の色です。前回のコラムをそのまま書きますが、時代は中国の北宋の時代にさかのぼります。
北宋は開封を都として軍事力は歴代王朝の中でも弱かったのですが、芸術は大変栄えました。中でも北宋最後の皇帝となる徽宗(きそう)の時代に最も芸術が栄えました。 西暦1100年頃で有名な水滸伝の物語になった頃です。徽宗は 「風流天使」と呼ばれ政治を省りみず芸術にうつつを抜かしていました。そのせいもあり政治は腐敗し、堕落ていましたが芸術は非常に発達しました。
徽宗自身も素晴らしい芸術家で作品を多数残しています。彼が生涯で一番こだわったのが「青」の追求でした。 理想の青は「雨過天青雲破処:うかてんせいくもやぶれるところ」意味としては、「雨上がり、雲間からのぞく青空、やがてそこに広がる湿り気を含んだ青」その青を陶磁器に再現することが夢でした。彼の意を受けた陶工は汝官窯(じょかんよう)で素晴らしい「青」を生み出します。この青磁は現在は世界に60点くらいしか残っていなくて、北京や台北の故宮博物院の中でも最重要文物の一つです。
やがて北宋は北方の女真族の国「金」に攻め込まれ百万都市で「夢の都」と呼ばれ大変栄えた開封は占領され北宋は滅びます。徽宗は金の捕虜となり最果ての地に幽閉され1135年 に53歳で世を去ります。後世の皇帝がその「青」の再現を 試みましたがどうしても不可能でした。現在の最新技術を使って成分を分析しても同じものは造ることが出来ないそうです。それほど高度で微妙な技術だったということでしょう。
芸術的な夕日や風景写真として超高層ビルを撮影する場合は別ですが、資料的価値に重きを置くと、やはり背景は雲ひとつない快晴が理想です。快晴でも異様なほど空が青い時がありますが、あまりに青すぎてビル本体も青っぽくなって嘘っぽい写真になり、私個人としては雨上がりの後の湿り気を含んだやさしい青の快晴が好きです。でも天気以前に撮影技術をもっと磨かないと私の場合はダメですが・・・
上の写真のわずか1時間前の写真です。地元関西なら天気が悪くても何度も撮影出来るのであきらめますが、他の都市は1発勝負になります。昨日も書きましたが、私は「超雨男」なのでひたすら待ちました。日本の天気は変わりやすく、わずか1時間ですっかり天気が変わります。
写真の分野により難しさは違いますが、超高層ビルの場合は天気と時間(太陽の方向)が非常に重要な要素になります。
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