海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」は凄かった! Part2
-地球深部探査船・ちきゅう-
2月15日(日)に地球深部探査船「ちきゅう」が、神戸六甲アイランド西側コンテナ岸壁で公開されました。前回の「Part1」は船外の様子でしたが、今回の「Part2」は船内の様子です。
「海洋研究開発機構(JAMSTEC)」が地球深部探査船「ちきゅう」の建造したのは、海底深く掘削する事で、日本周辺で海洋プレートの沈み込みによる地震が起きるメカニズムを探ったり、大昔の地球の様子を探ったり過酷な状態で生きている「地中生物」を見つけたりするのが目的です。
以前、石油会社に勤めている知人から聞いたことがありますが、深海の海底に深い穴を掘るのは超高度の技術が必要だそうです。
目的は違いますが、このような超高度な技術を持っているのは、海底油田を探査するエクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェルなどの「国際石油資本(メジャー)」などごく一部だけだそうです。深海での石油の掘削技術は当然最高機密となります。
「ちきゅう」は、現在は水深2500mまでの海底が掘削可能だそうですが、将来的には4000mまで可能になるそうです。
また海底地下は、7000mまで掘削可能なので、将来的には4000m+7000m=11000mまで可能になります。つまり海面から11kmです。
「操舵室」にある計器類です。すべて英語表記で通信の会話もすべて英語で行われていました。
「操舵室」です。「ちきゅう」航行をコントロールする部屋ですが、思ったほど広くありませんでした。
「デリック」です。「デリック」とは掘削やぐらのことで、高さは船底から約130m、海面から121mあります。超高層ビル並みですね。約1200トンまで吊り下げることができるそうです。
「ライザーパイプ」です。船と海底面に設置される「噴出防止装置」をつなぐパイプです。使用場所により異なるそうですが、一般的な「ライザーパイプ」は1本当たり、長さ27m、外径1.2m、重さが約27トンもあるそうです。
現在は水深2500mまでの海底が掘削可能だそうですが、将来的には4000mまで可能になるそうです。梅田から難波までの巨大な長さのパイプになるということですね!
海底面に有毒ガスなどの「噴出防止装置」を設置し、そこから海底の地下部分になります。束になっているパイプは「ケーシングパイプ」です。掘った穴が崩れないように守るパイプです。
海底地下は、7000mまで掘削可能なので、最大で7kmの「ケーシングパイプ」をつなぐことになります。凄すぎる・・・
「ライザーパイプ」、「ケーシングパイプ」、「ドリルパイプ(掘削用のパイプ)」などを海中もしくは海底地下に降ろす穴です。
場所を一定に保つ必要があるので「アジマススラスタ」と呼ばれる直径4mの巨大なスクリューを船底に6基備えています。人口衛星を利用した測位システム(DGPS)の情報を元に、推進方向を360°変えて船体位置を一定に保ちます。
まるで病院のような「X線CTスキャナーラボ」です。X線を使用した非破壊計測器で、医療用と同じものだそうです。海底の地中から掘り出した「コア試料」を物性や構造が変化してしまう前にスキャンします。
船内の通路はこのように狭く、階段の勾配も急です。表示はほぼすべて英語で日本語表示はほとんどありませんでした。研究スタッフにも外国人がかなり多かったです。
「ちきゅう」から見た六甲アイランドのコンテナ埠頭です。不況の影響もありますが、コンテナの数が極めて少ないです。世界のトップを争う香港でコンテナ埠頭を見たことがありますが、コンテナが山のように積み上げられて「ガントリークレーン」が休みなく動いていました。かつて世界一の貿易港であった神戸港の衰退ぶりを見ると日本の港湾行政の失敗を象徴しています。
「ちきゅう」から六甲アイランドの超高層ビル群を撮影してみました。「ちきゅう」は高さが高いので見晴らしが抜群でした。左から「ウエストコート3番街」、「イーストコート3番街」、「RICセントラルタワー」、「P&G日本本社」です。
かなり列は減ったとは言えまだこんなに並んでします。最終組は何時に入船出来たのでしょうか?
帰りにもう一度「ちきゅう」を撮影しました。4時半くらいだったのですが、1時間前は快晴だったのに外に出ると一面の雲でした。超高層ビルの撮影でも急に出てくる雲にいつも泣かされます。
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