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2009年5月 7日 (木)

京都大学「iPS細胞研究拠点」 2009年5月3日の建設状況

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-iPS細胞研究拠点-

 「iPS細胞」は、「人工多能性幹細胞(Induced pluripotent stem cells)」の英語の頭文字を取ったもので、2007年11月に京都大学の山中伸弥教授らのグループによって世界で初めて作られ世界的な大ニュースになりました。
 当初は、京都大学を中心として日本がリードしていましたが、欧米諸国や中国が猛烈なスピードで追い上げ、山中伸弥教授が言うには「すでに並ばれ一部では抜かれている」そうです。特にアメリカは潤沢な予算と人材で世界をリードしようとしています。
 
 日本発の「iPS細胞」の研究レベルを世界トップクラスに維持するため、動きの遅い霞が関にしては珍しく「オールジャパン体制」で挑む事になりました。その中心が京都大学の「iPS細胞研究拠点」となります。
 運が良かったのは、山中伸弥教授が研究レベルだけではなく研究者としては珍しく営業センスも抜群だった事です。多くのテレビに積極的に出演し、「iPS細胞」の意義を説明していました。また霞が関にも自ら乗り込んで「オールジャパン体制」で挑むように何度も訴えていました。
 
 「iPS細胞」ばかり話題になりますが、京都大学は「ES細胞(胚性幹細胞:Embryonic stem cells)」の研究でも日本でも抜きんでたレベルにあります。
 日本政府は、クローン人間づくりにつながる恐れがあると倫理的な問題で「ヒトクローン胚」の利用に厳しい制限を課していました。しかし国際競争に大きく遅れる可能性が出てきたので規制緩和しました。

 体のさまざまな臓器などの元となる「万能細胞」を作るには、現在3種類の方法があります。1つ目が山中伸弥教授らが作った「iPS細胞」、2つ目が「クローン胚ES細胞」、3つ目が「ES細胞」です。
 「クローン胚ES細胞」と「ES細胞」は、共に受精卵を元に作ります。「クローン胚ES細胞」と「ES細胞」の違いは、「クローン胚ES細胞」は、受精卵の核を取り出し患者の体の細胞を入れるので拒絶反応が抑えられます。

 「万能細胞」は、どの方式が主流になるか現時点ではまだ分かりません。京都大学は、今後も「iPS細胞」、「クローン胚ES細胞」、「ES細胞」とも世界のトップレベルを走り続けていくと思います。
 
 
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「iPS細胞研究拠点」は、西構内の駐車場があった場所に建設されます。京都大学の医学部は広大で、3ブロックに分かれています。
 
 
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「iPS細胞研究拠点」の完成予想図です。
 
 
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「iPS細胞研究拠点」の「建築計画の概要」です。
 
 
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(おまけ) 鴨川納涼床です。京都は「床」の季節になりましたね。

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