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2009年7月21日 (火)

理化学研究所・次世代スーパーコンピュータ 2009年7月18日の建設状況

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-理化学研究所・次世代スーパーコンピュータ-

 神戸市中央区のポートアイランド第2期内にある広さ約40,000㎡の敷地の北側半分を使って建設中です。外観がほぼ分かるようになりました。

 比較 → 2009年3月25日の建設状況
 
 比較 → 2009年2月12日の建設状況
  
 比較 → 2008年10月18日の建設状況
  
 比較 → 2008年7月25日の建設状況
  
 理化学研究所・次世代スーパーコンピュータ 公式ホームページ
 
 完成予想図・配置図
 
-大幅な設計変更-
 「文部科学省」は7月17日、官民共同で実施している次世代スーパーコンピュータの開発計画について、「富士通」1社と進めると発表しました。
 今年の5月に「NEC」と「日立製作所」が撤退を表明したためです。「富士通」だけとの共同開発が可能かを検討してきた「文部科学省」の専門委員会に了承されました。
 

 当初の目標通り世界最速の10ペタ(ペタは千兆)FLOPS(1秒当たりの浮動小数点演算の回数)の計算性能を狙う目標は変更しません。2010年度末に一部稼働させ、当初予定の2012年に完成させる計画です。
 

 従来は「NEC」+「日立製作所」の気候変動予測などに強い「ベクトル型」と「富士通」の遺伝子解析などに向く「スカラー型」のハイブリッド型で完成を目指していました。しかし「NEC」と「日立製作所」の撤退により継続が困難になりました。
 「スカラー型」だけでは目標の10ペタFLOPSの達成は困難ではないか? と心配しましたが、「スカラー型単独でも世界最速の性能が出せる」と結論を出したようです。
 
 現在(2009年6月時点)での世界最速は、アメリカの「ロスアラモス国立研究所」のIBM製「Roadrunner」です。2012年に計画どおり10ペタFLOPSが達成できたとしたら、現在の世界最速の約9倍の速度になります。
 
 理化学研究所(プレスリリース:2009/07/17)
 次世代スーパーコンピュータの新システム構成を決定
 
-アメリカの圧倒的な国力と技術力- 

 下記のランキングを見ても分かるようにアメリカがベスト10をほぼ独占しています。軍事・航空・宇宙と並びアメリカの独壇場という感じです。なんのかんも言ってもアメリカの国力は圧倒的です。
 
 またIBMをはじめとしてアメリカのメーカーは技術力が非常に高いです。更にIBMは計算速度を大幅に上げた次世代スーパーコンピュータの技術研究に乗り出しています。
 計算能力はなんと現時点で世界最速マシンの約1000倍!だそうです。日本の9倍と比較になりません。完成はかなり先になると思いますが、アメリカの国力と技術力のすさまじさを実感します。
 

世界ランキング(2009年6月現在)
① ロスアラモス国立研究所(米) (米IBM製-Roadrunner)-1.105ペタFLOPS
② オークリッジ国立研究所(米) (米Cray製-Jaguar)-1.059ペタFLOPS
③ ユーリヒ総合研究機構(独) (米IBM製-JUGENE)-825.5テラFLOPS
④ 米航空宇宙局(NASA)エイムズ研究所(米) (米SGI製-Pleiades)-487.01テラFLOPS
⑤ ローレンス・リバモア国立研究所(米) (米IBM製-BlueGene/L)-478.2テラFLOPS
⑥ 米計算科学研究所(米) (米Cray製-Kraken XT5)-463.3テラFLOPS
⑦ アルゴンヌ国立研究所(米) (米IBM製-BlueGene/P)-458.61テラFLOPS
⑧ テキサス大学オースティン校テキサス先端計算センター(米) (米Sun製-Ranger)-433.20テラFLOPS
⑨ ローレンス・リバモア国立研究所(米) (米IBM製-Dawn)-415.70テラFLOPS
⑩ ユーリヒ総合研究機構(独) (仏Bull製-JUROPA)-274.80テラFLOPS
 
(参考)ちなみに日本最速の「海洋研究開発機構」の「地球シミュレータ(NEC製)」は、122.4テラFLOPSで、世界では22位になります。
 
 
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「計算機棟」です。
 
 
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「熱源機械棟」です。計算機棟を冷却させる冷却設備が入っています。スーパーコンピュータは猛烈な熱を発生するためこのような設備が必要です。
 
 
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ポートライナーの車窓から見た「計算機棟」の様子です。「2010年5月竣工予定」と大きく書かれています。
 北側と西側がかなり掘り下げられている事が分かります。掘り下げられている部分に「計算機棟」を囲むように「研究棟」が建設されます。
 
 「計算機棟」は、鉄骨造の地上3階、地下1階、述床面積約10,500㎡、「研究棟」は鉄骨造の地上6階、地下1階、述床面積約9,000㎡となっています。手前の部分には公園が整備される予定です
 
 
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北東側(ポートライナーの車窓)から見た様子です。一番左側の小さい建築物は「特高施設」です。電源供給のための特高受変電設備となっています。スーパーコンピュータは猛烈に電気を消費します。
 
 
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南東側(ポートライナーの車窓)から見た様子です。敷地の北半分しか使用していない事が分かります。
 さらに次の世代はこの部分に建設されるのか? 日本の別の場所に建設されるのか? その頃はもう日本にそんな国力は残ってないのか? どうなるのでしょう・・・
 
 
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「神戸キメックセンタービル」の展望ロビーから見た様子です。

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