理化学研究所・次世代スーパーコンピュータ 40億円減の約228億円で復活! 2009年12月18日の建設状況
-理化学研究所・次世代スーパーコンピュータ-
政府の行政刷新会議による「事業仕分け」で、2010年度の予算計上がほぼ見送りとされた「次世代スーパーコンピュータ計画」は、概算要求から約40億円減の約228億円が計上される見通しとなりました。
産業界や研究者から計画凍結に強い懸念の声が上がったことなどが配慮され、復活となりました。
1秒間に1京(10ペタFLOPS)回の計算ができる世界一の速度を目指す方針は変えない予定です。完成時期は2012年6月に設定、総事業費は1230億円から、110億円減の1120億円となる予定です。
今回の科学予算削減の経過を見ていて、普段はあまり表に出ることなく、意見もあまり発言しない科学者が積極的に発言したのが目立ちました。余程の危機感を持ったのでしょう。
特に、ノーベル化学賞受賞者で、「理化学研究所」の野依氏の「不用意に事業の廃止、凍結を主張するかたには将来、”歴史という法廷に立つ覚悟ができているのか”問いたい」という発言が印象的でした。
また「iPS細胞」の作成に成功した京都大学の山中伸弥教授の「”想像を絶する事態”で、今後の日本がどうなるのか深く憂慮している」と発言した時の悲痛な表情も忘れられません。
「事業仕分け」をする方々は、ムダを見直すのが仕事なのでこのような発言をした事は当然のことなのでしょう。
冷静に考えると自分に与えられた仕事を全力で全うしただけです。その事は分かってはいますが・・・
予算は減額ながら復活はしましたが、今回の出来事で科学者に与えた不信感は「日本にとって取り返しのつかない結果を招くのではないか?」と私は危惧します。
一流の科学者は、一流のスポーツ選手と同じで、プレーする場所を選びません。野球やゴルフの選手ようにアメリカを中心に活躍する日本人科学者も非常に多いです。
もし私が、優秀な科学者だったら科学に対する無理解な日本より、最初からアメリカを研究の舞台に選びます。このような考えが杞憂に終わる事を祈りますが・・・
比較 → 2009年9月25日の建設状況
比較 → 2009年7月18日の建設状況
比較 → 2009年3月25日の建設状況
比較 → 2009年2月12日の建設状況
比較 → 2008年10月18日の建設状況
比較 → 2008年7月25日の建設状況
理化学研究所・次世代スーパーコンピュータ 公式ホームページ
西側から見た様子です。
何事も無かったかのように工事は進んでいます。
「熱源機械棟」です。計算機棟を冷却させる冷却設備が入っています。
「ポートアイランド南駅」から見た全景です。
周辺の道路も整備が始まっています。手前の更地には「神戸大学」が進出する予定です。
「神戸大学」の看板です。「次世代スーパーコンピュータ」の計画が中止になったら、「神戸大学」の進出も無くなっていたかもしれません。
「次世代スーパーコンピュータ」計画の中止は、もはや単体だけの問題ではありませんでした。甲南大学はすでに進出し、企業の研究所も「次世代スーパーコンピュータ」を当てにして続々進出しています。
もし中止になったら神戸市や大学や企業にとって取り返しのつかない事態になるところでした。
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