さようなら神戸製鋼所「神戸製鉄所」の高炉 「新第3高炉」を2017年度をめどに休止・・・
-神戸製鋼所・神戸製鉄所-
高度成長期には鉄は「産業の米」とか「鉄は国家なり」とか呼ばれていました。かつて日本は粗鋼生産量で世界一を誇っていましたが、新興国(特に中国)の伸びは凄まじく、粗鋼生産量で中国企業が上位を独占している状態です。
世界的な競争激化により「日本鋼管」と「川崎製鉄」が合併し「JFEホールディングス」に、「新日本製鐵」と「住友金属」が合併して「新日鐵住金」になりました。
「神戸製鋼所」は、「新日本製鐵」と提携していましたが、売上構成が鉄鋼以外にもアルミや銅の素材や「コベルコ建機」など産機・建機などの複合体のため今回の業界再編には参加しませんでした。
「神戸製鋼所」は先月末に、2017年度をめどに「神戸製鉄所」の高炉を休止すると発表しました。
高炉2基が稼働している「加古川製鉄所」に粗鋼生産を集約し、コストを年間150億円以上削減する予定です。
「神戸製鉄所」には、「加古川製鉄所」から粗鋼を運び込み、自動車部品向け鋼材の生産を続けます。約380人の従業員の雇用は配置転換で維持します。
神戸製鋼所の高炉の年産能力は、「神戸製鉄所」の1基(新第3高炉)で約140万トン、「加古川製鉄所」の2基(2号高炉、3号高炉)で約680万トンです。
現在は計3基で約700万トン製造しています。高炉の集約で、粗鋼の生産能力は2割弱の削減となりますが、生産は「加古川製鉄所」の稼働率を上げればカバーできるようです。
神戸製鋼所にとっては「尼崎製鉄所」の高炉を停止した1987年以来の大がかりな生産体制の見直しになります。
「神戸製鉄所」は、1959年に最初の高炉が稼働しました。高度成長期には3基が稼働していました。
1995年の阪神淡路大震災では、緊急停止した高炉を約2ヶ月半で復旧させ、産業復興の象徴とも言われていました。
この様子はNHKの「プロジェクトX 挑戦者たち 炎の突撃作戦 ~鉄鋼マン 大震災と闘う~」でも放送されました。
跡地に「石炭火力発電所」の建設を検討するそうです。これで大阪湾から高炉の火がすべて消える事になります。時代の流れとは言えさみしい限りです。
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