大阪ステーションシティ 「JR大阪三越伊勢丹」が60%売場縮小、「ルクア」との一体運営へ
-JR大阪三越伊勢丹-
昨日、衝撃的なニュースが流れました。かねてからウワサされていた通り、「JR大阪三越伊勢丹」は、競争の激化で売り上げの不振が続いていることから、売場面積をおよそ60%縮小し、代わりに若年層に人気のある専門店を入れることを柱とした再建策を発表しました。
JR西日本・プレスリリース(2013/01/21)
大阪ステーションシティ ノースゲートビルディング西館 商業施設の検討概要について
店舗名も変更する方針で、三越と伊勢丹の両ブランドを冠した「JR大阪三越伊勢丹 」の名称が残らない可能性も出てきました。
最近ヨドバシカメラの新棟のニュースが全然入ってきません。オーバーストア状態を警戒して様子を見ているのでしょうか?
● 大規模改装の内容は?
「JR大阪三越伊勢丹」は2014年夏から地下2階の食品売り場と10階のレストラン街の一部を除いて休業に入ります。
2014年夏から改装工事を始め、2015年春に開業する計画です。改装費は60億円の予定です。
JR西日本の子会社で、専門店街「ルクア」の運営を手がける「JR西日本SC開発」が現在の百貨店の入る建物を借りた上で、百貨店と専門店をテナントとして入れます。
大規模改装後は「ルクア」との連絡通路があるフロアを中心に、専門店と「三越伊勢丹」が持つブランドが同居する「ルクア」との一体運営に切り替えます。
● 大規模改装後の売場面積は?
現在は、「JR大阪三越伊勢丹」が延床面積約90,000㎡、売場面積約50,000㎡、「ルクア」が 延床面積約40,000㎡、店舗面積約20,000㎡となっています。
大規模改装後は、店舗面積約33,000㎡(ルクアと合わせて約53,000㎡)となります。(50,000㎡+20,000㎡)-53,000㎡=17,000㎡で、売場面積が約17,000㎡の減少になります。
売場面積約17,000㎡の約2倍が延床面積となるので、この広大な延床面積をどうやって埋めるかは今回のプレスリリースでは発表されていません。
● 2016年3月期売上目標約800億円は高すぎる
2014年3月期の売上高見通しは、「JR大阪三越伊勢丹」が320億円、「ルクア」が357億円です。合計すると677億円です。
大規模改装後の2016年3月期に計約800億円を目指すそうですが、明らかに目標が高すぎます。
「阪急うめだ本店」も「あべのハルカス近鉄本店」も高い目標を発表して、後から下方修正しました。
非上場企業ならまだしもこれらの会社は、会社自体もしくは親会社が東証一部に上場しています。
投資家からお金を集めて会社を運営している訳で、「目標達成出来ませんでした・・・」では投資家は納得しません。
● ジェイアール西日本伊勢丹
「JR大阪三越伊勢丹」の運営会社である「ジェイアール西日本伊勢丹」の株主構成は「JR西日本(西日本旅客鉄道)」が60%、「三越伊勢丹ホールディングス」が40%となっています。
「JR西日本(西日本旅客鉄道)」の連結子会社で、「三越伊勢丹ホールディングス」の持分法適用会社となっています。
だから「JR大阪三越伊勢丹」の経営不振は、「三越伊勢丹ホールディングス」より「JR西日本(西日本旅客鉄道)」の経営により深刻な打撃を与えています。
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