三菱航空機 三菱重工神戸造船所に小型旅客機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」の生産拠点!
-三菱重工神戸造船所-
ご存知のように現在の旅客機市場は、アメリカの「ボーイング」とヨーロッパの「エアバス」が市場を二分しています。2強が市場をガッチリ押さえているためこの市場に新たに参入する事は不可能です。
参入するとしたら「ボーイング737」や「エアバスA320(A318、A319、A321含む)」より小型で、「ボーイング」と「エアバス」が手がけない100席未満の機体です。
しかし、このクラスはすでに「エンブラエル(ブラジル)」と「ボンバルディア・エアロスペース(カナダ)」が市場を二分し、ロシアや中国も新たに参入します。決して甘い世界ではありません。
● MRJ(Mitsubishi Regional Jet)
「MRJ(Mitsubishi Regional Jet:三菱リージョナルジェット)」は、三菱重工業の子会社である「三菱航空機」により開発・製造が進められている小型旅客機です。
日本が独自の旅客機を開発するのは「YS-11」以来40年ぶりです。座席数70~90席で、高い燃費性能と低騒音が特長です。
公式HP → MRJ(Mitsubishi Regional Jet)
「エアバスA380」や「ボーイング787」の時もそうであったように旅客機の開発は困難を極めます。更に初号機納入後も初期トラブルが次々と起こります。
圧倒的に多い部品点数、それに自動車や船舶は故障したら停止すればいいですが、旅客機の停止は墜落=死を意味します。そのため開発の難しさは桁違いです。
「MRJ」は、当初の計画では、初飛行を2011年、初号機納入を2013年と見積もっていましたが、その後、3度も開発延期を発表しています。
現計画では2015年4~6月中の初飛行と2017年4~6月の1号機納入を目指していますが、再度延期される可能性も充分にあります。
「MRJ」は、計325機の受注を受けていますが、開発が遅れれば遅れるほど新規受注が「エンブラエル」や「ボンバルディア・エアロスペース」に流れます。またすでに受注している分もキャンセルされる可能性もあります。
● 三菱重工神戸造船所に生産拠点
「三菱重工業」は、2月12日に「MRJ」の生産拠点を発表しました。中部地区を中心に名古屋空港に隣接する新工場を建設する他、大江工場(愛知県名古屋市)、飛島工場(愛知県飛島村)、岩塚工場(愛知県名古屋市)、松阪工場(三重県松阪市)、神戸地区の神戸造船所(兵庫県神戸市)での生産展開を計画しています。
三菱重工業・ニュースリリース(2014/02/12)
MRJ量産に向け拠点展開構想まとまる名古屋地区を中心に展開
「三菱重工神戸造船所」は、2012年に100年余り続けた商船建造から撤退しており、その空きスペースの活用が課題になっていました。
神戸造船所では造船の一部建屋を再整備するとともに、空き地に建屋を新設します。機体の主翼の外板や骨組み、主翼と胴体を結ぶ中央翼を製造し、胴体部品の表面処理や塗装も行います。人員体制は未定となっています。
あくまでも名古屋地区中心の生産体制です。それに初飛行と1号機納入が実際に行われるまでは開発中止のリスクもあり安心は出来ません。
それでも神戸に生産拠点が出来る事は非常に明るいニュースです。兵庫県知事も「商船建造撤退で地域経済への影響が懸念されたが、新事業が活力を与えてくれると期待する」とコメントしています。
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