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2015年5月13日 (水)

糺の森第三期整備計画 えっ! 世界文化遺産の「下鴨神社(京都市左京区)」に高級マンション!?

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-糺(ただす)の森第三期整備計画-
 今年の3月に、京都市左京区の世界文化遺産「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」、通称「下鴨神社(しもがもじんじゃ)」にマンションが建設されると大ニュースになりました。

 「神社仏閣」大好き人間の私としてはビックリ仰天でしたが、なんでも物事は冷静に見て分析する必要があります。詳しく読むと、世界遺産の区域に建設する訳では無く、「下鴨神社」の事情も良く分かります。

 日経BP・ケンプラッツ(2015/03/05)
 下鴨神社に定借マンション、竹中の設計施工で

 「下鴨神社」は、古都京都の文化財の一つとして1994年に世界遺産に登録されました。マンション建設予定地は通りを1本挟んで世界遺産の区域外で、「下鴨神社」が所有する約12万㎡のうち、南端に位置する約9,647㎡のエリアです。

 「下鴨神社」は、敷地の一部に50年間の定期借地権を設定して、総戸数107戸の分譲マンションを建設します。事業主は「賀茂プロパティーズワン合同会社」で、設計・施工は「竹中工務店」が手がけます。

 「桂離宮」や「二条城二の丸御殿」などを参考に、地上3階、建物を8棟に分けて配置します。京都市の特別修景地域に指定されているため、建物高さを10mに抑えるほか、日本瓦をふいた和風の外観とします。

● 下鴨神社の維持には莫大な費用
 「下鴨神社」は、年間8,000万円の借地料を得て、社殿の修復や周辺の環境整備に充てる方針です。「下鴨神社」がマンションの開発によって借地料収入を得なければならない理由として、以下の二つを挙げています。

 一つは21年ごとに約70棟に及ぶ社殿を修復したり、屋根の檜皮(ひわだ)をふき替えたりする「式年遷宮」の費用を捻出するためです。
 遷宮には1回で約30億円の費用がかかるものの、国から受け取る補助金は8億円ほど、残りの約22億円は、企業などからの寄付で賄わなければならないそうです。

 もう一つは、マンションの建設予定地は古くから「糺の森」の一角を占めているにもかかわらず、文化財指定地や世界遺産の区域から外れ、環境の維持や保全に公的な補助が受けられないそうです。

 ここ最近、都市部でお寺や神社の敷地にタワーマンションを建設する例が増えています。どこのお寺や神社も少子高齢化で、維持管理が大変になっています。
 なんでもかんでも反対していては、物事は先に進みません。私は今回の事はしかたがないと思っています。

糺の森第三期整備計画の概要
◆ 所在地-京都市左京区下鴨泉川町60(住居表示)
◆ 交通-京阪・叡山電鉄「出町柳」駅徒歩5分
◆ 階数-地上3階、地下0階
◆ 高さ-約10m
◆ 敷地面積-約9,647㎡
◆ 延床面積-未定
◆ 構造-鉄筋コンクリート造
◆ 用途-共同住宅
◆ 総戸数-107戸
◆ 事業主-賀茂プロパティーズワン合同会社(エスアイ・アセットサービスのSPC)
◆ 設計者-竹中工務店
◆ 施工者-竹中工務店
◆ 着工-2015年11月予定
◆ 竣工-2017年02月予定


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参道を北側に歩くと鳥居が見えてきます。


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しばらく参道を北に歩きます。


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しばらく歩くと鬱蒼(うっそう)とした「糺の森(ただすのもり)」が見えてきます。写真右側の古い建物は、「旧浅田家住宅」です。

 「旧浅田家住宅」は、「下鴨神社」の周辺にかつて形成されていた神社に奉職する人たちが住んでいた「社家町(しゃけまち)」の名残です。「旧浅田家住宅」は、「下鴨神社」の資料館として保存されることが決まっています。


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「糺の森第三期整備計画」の予定地です。「糺の森第三期整備計画」の予定地は、世界遺産の区域外となっています。


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幅6mの南北の参道を、アスファルト舗装から石畳風の舗装や砂利敷きに変更します。道幅も現在の2倍以上となる14.5mに広げる計画です。


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北側から見た「糺の森第三期整備計画」の予定地です。「糺の森第三期整備計画」の予定地は、通りを1本挟んで世界遺産の区域外となっています。


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予定地の参道の東側には、1968年に竣工した地上3階、延床面積約1,955㎡の講堂などを備えた「研修道場」があります。老朽化しているうえ、耐震性にも問題があるので解体されます。


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予定地の参道の西側は有料駐車場として使用されています。


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通りを1本挟んだ北側が、世界遺産の対象区域となります。


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世界遺産の対象区域には、鬱蒼(うっそう)とした「糺の森(ただすのもり)」が広がっています。


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「糺の森(ただすのもり)」をしばらく北側に歩くと「賀茂御祖神社(下鴨神社)」の本殿が姿を現します。

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