南海本線(堺市)連続立体交差事業 Part1:浜寺公園駅編 完成予定は10年間延期されて2028年3月末!
-南海本線・浜寺公園駅(はまでらこうえんえき)-
「南海本線(堺市)連続立体交差事業」は、南海本線の「石津川」の鉄橋を過ぎたあたりから「羽衣駅」手前までの約2.7kmにおいて鉄道を高架化することにより7ヶ所の踏切を除却し、都市内交通の円滑化を図るとともに、分断された市街地の一体化により都市の活性化を図る事業です。
堺市 公式ホームページ
都市計画事業南海本線(堺市)連続立体交差事業について
● 完成予定が10年間延期
完成は、当初は2018年3月(予定)となっていましたが、誰が見ても遅れているのは明白で、2028年3月末(予定)と10年間延期されました。全国的に見ても「連続立体交差事業」が、10年遅れるのは珍しくもないので驚きはありません。
淡路駅周辺を高架化する「阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業」も、高架切替が2017年度末から2024年度末(予定)へ延期となり、全体完成が2020年度末から2027年度末(予定)と延期されました。
南海本線(堺市)連続立体交差事業
◆ 事業名称-南海本線(堺市)連続立体交差事業
◆ 延長- 約2.7km(堺市域:約2.3km、高石市域:約0.4km)
◆ 踏切除却数-7ヶ所
◆ 対象駅- 諏訪ノ森駅、浜寺公園駅
◆ 事業主体-堺市
◆ 工事完了-2028年03月末(予定)
◆ 総事業費- 約423億円
「浜寺公園駅(はまでらこうえんえき)」は、通過線2線を備えた相対式2面2線の高架駅に生まれ変わります。
標準高架橋の断面図です。一部を除き両側に側道がある構造になります。
浜寺公園駅の最優秀賞
「堺市」は、文化財的価値が高い南海本線の「浜寺公園駅」と「諏訪ノ森駅」の保存活用を図る提案競技を実施した結果、浜寺公園駅は「アプル総合計画事務所」、諏訪ノ森駅は「ジェイアール東日本建築設計事務所」の案を最優秀賞に選定しました。
堺市 公式ホームページ
浜寺公園駅・諏訪ノ森駅 駅舎及び駅前交通広場等計画提案競技の最優秀賞が決定しました!
基本的なコンセプトは、 ”現浜寺公園駅舎の文化財的価値・歴史的背景を尊重した計画づくり、地域の歴史的資源(現駅舎)の存在感と新駅舎の関係性の調和、周囲の閑静な住宅街と新駅舎の関係性の調和” となっています。
引用資料 浜寺公園駅(最優秀賞の詳細)
株式会社アプル総合計画事務所(PDF)
「南海本線(堺市)連続立体交差事業」が行われている「浜寺公園駅」です。
浜寺公園駅駅舎(閉鎖中)
「浜寺公園駅駅舎」の待合室は「南海ステーションギャラリー」として広く一般に開放されていましたが、「仮囲い」で囲まれて閉鎖されています。
「仮囲い」の一部が透明のアクリル板になっているので内部を見る事が出来ます。
浜寺公園駅駅舎(閉鎖前)
閉鎖される前の「浜寺公園駅駅舎」です。高架前のこの姿はもう2度と撮影出来ないので撮影しておいて本当に良かったです。
1998年に国の「登録有形文化財」に登録され、近畿の駅百選選定駅にも選ばれている「浜寺公園駅駅舎」は、次世代へ文化財的価値が継承できるように保存活用されます。
「浜寺公園駅駅舎」は、「東京駅丸の内口駅舎、日本銀行本店、大阪市中央公会堂」などを設計した「辰野金吾」氏の設計により、1907年に建てられた駅舎です。
木造、鉄板葺き、平屋建てのハーフティンバー様式の建物であり、最古級の木造駅舎の一つとして全国的にも非常に希少性は高いです。
現在は沖合が埋立てられてほとんど面影がありませんが、埋立てられる前は周辺は海水浴場などの海辺のリゾート地でした。「浜寺公園駅駅舎」はその玄関口でした。
「仮駅舎」が供用開始されて動線が大幅に変更になりました。
「仮駅舎」です。
「仮駅舎」には入口が2ヶ所あります。
南側は「西改札」です。
北側は、「東出口」に抜ける地下道の入口です。
地下道です。改札内と改札がフェンスで分けられています。
ここから東側は以前からある地下道です。以前からある地下道が西側に延伸されました。
ここから上りホームに出ます。以前の地下道への階段をそのまま使用しています。
上りホームです。
下りホームです。「浜寺公園駅」の下りホームはかなり北側にあり、ホームが「千鳥式配置」となっています。
南海本線・高師浜線(高石市)連続立体交差事業
「浜寺公園駅」の南側の次の駅は「羽衣駅」です。「南海本線・高師浜線(高石市)連続立体交差事業」が行われています。
2016年5月14日(土)の始発列車から下り線が高架に移行しており、「羽衣駅」も下りホームが高架に移行しています。
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