大規模にリニューアル工事中の阪神電気鉄道「甲子園駅」 Part3:「クスノキ」の大木を取り込んだ「西改札口」
-甲子園駅・リニューアル-
阪神電気鉄道「甲子園駅」では、大規模なリニューアル計画が行われています。リニューアルは「阪神本線連続立体交差事業(鳴尾工区)」と一体的に行われています。
島式・相対式4面4線の狭いホームは、プロ野球や高校野球の開催時に大混雑していましたが、島式・相対式3面4線の広いホームに生まれ変わりました。
ホーム中央部に白球や高校球児のユニホームの「白」をイメージした縦45m×横45mの大屋根を設置しました。自然光を通す膜素材を使用し、屋根の南北には壁を設けず、甲子園特有の「浜風」が吹き抜けるデザインを取り入れました。
甲子園駅改良工事の概要
◆ ホームの拡幅-上り線(梅田・大阪難波方面行き)ホーム、下り線(三宮方面行き)ホーム、下り線降車専用ホームを拡幅する。現在の最大幅5.6mの上下線ホームは、9m程度に拡幅される。これに伴い、上り線の降車専用ホームは廃止する。
◆ バリアフリー化-各ホームにエレベーターを設置(西改札口3基、東改札口2基)する。また東西改札口に多機能トイレを設置する。
◆ 西改札口の拡張-ホームに通じる新たな通路を、現在の通路の西側に設けるとともに、駅舎を改築しコンコー スを拡張する。
◆ 東改札口の改築- 駅舎を改築し、東口を新たに設け、駅東方面へのお客様の利便性を高める。また、上り線 (梅田・大阪方面行き)ホームへの通路と下り線(三宮方面行き)ホームへの通路を分離する。
◆ 大屋根の設置(縦45m×横45m)-ホームの中央付近、県道浜甲子園線の上部に、膜素材を用いた大屋根を設ける。
◆ 総工事費-54億円(総工事費のうち、国が1/5、地方公共団体(兵庫県・西宮市)が1/5を補助)
◆ 工期-2011年11月~2016年度末頃(当初計画)
(備考) 工事は少し遅れており、まだ一部完成していません。
クスノキの大木
「西改札口」内部に、自生していた「クスノキ」の大木を取り込むかたちで残しています。同じように「クスノキ」の大木を残した駅は他にも京阪「萱島(かやしま)駅」や阪急宝塚線「服部天神駅」などがあります。
「萱島駅」と「服部天神駅」のクスノキは「御神木」ですが、「甲子園駅」のクスノキは「御神木」ではありません。特に由緒がある木ではありませんが、甲子園の歴史を見守ってきた木と言う事で残しました。
● 自然万物に神様が宿ると考える日本人
日本人は古代から自然万物に神様が宿ると考える独特の宗教観を持っています。そのため、このような例は日本各地にあります。
この部分には屋根がありません。
「クスノキ」の大木と「発車標」の不思議な組み合わせです。
「クスノキ」は駅の外に自生していましたが、新しい「西改札口」の拡張部分にモニュメントとして取り入れました。かなりの面積がデッドスペースになっていますが、それでも残したのは非常に好感が持てます。
「降車専用ホーム(5番ホーム)」の南側に「クスノキ」が自生しています。
この「クスノキ」は樹齢100年以上だそうです。
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