-京都の企業-
京都の企業は大阪や神戸の企業と違って本社を東京にあまり移転しません。小粒のハイテク企業が多かった京都企業ですが、高い技術開発力を背景に成長して、「京セラ」に続いて、「村田製作所」と「日本電産」が売上高で1兆円を超えました。
2018年3月期には「任天堂」も復活して7年ぶりに1兆円を超えました。これで連結決算の売上高が1兆円を超えるのは4社となりました。京都府内で4社となるのは初めてです。
特に技術力の高く、特定の分野で圧倒的な世界シェアを誇る「日本電産」と「村田製作所」は今後も成長が約束されています。経営判断を誤らない限り、2兆円企業、3兆円企業と成長してい行くのは間違いないと思われます。
● シアトルの空前の活況
人口約70万人(都市圏人口約400万人)の「シアトル」は、空前の活況を呈しています。シアトルの街を「アマゾン」がすっかり変えたと言われています。シアトルには「マイクロソフト」や「スターバックス」の本社もあります。
世界の時価総額ベスト5常連の「マイクロソフト」や「アマゾン」は企業規模が桁違いに大きいので、京都の企業と比較するのには無理がありますが、「シアトル」の空前の活況を見ていると急成長する世界的な大企業の本社がある事がいかに重要か思い知らされました。
京都の上場企業の連結売上高ランキング
1位 京セラ 1,577,039百万円
2位 日本電産 1,488,090百万円
3位 村田製作所 1,371,842百万円
4位 任天堂 1,055,682百万円
企業の価値である時価総額が大きいのも京都企業の特徴です。「任天堂、日本電産 村田製作所、京セラ、オムロン、ローム」の6社が時価総額で1兆円を超えています。1兆円超えは148社です。ほとんどが東京が本社となっています。京都府の人口から考えると6社もあるのは凄い事です。
京都の上場企業の株式時価総額ランキング
1位 任天堂 6,539,441百万円(上場企業中11位)
2位 日本電産 5,111,649百万円(上場企業中17位)
3位 村田製作所 3,184,212百万円(上場企業中45位)
4位 京セラ 2,555,723百万円(上場企業中57位)
5位 オムロン 1,262,353百万円(上場企業中123位)
6位 ローム 1,146,472百万円(上場企業中136位)
(備考) 2018年5月1日終値時点での時価総額
売上高1位 京セラ
「京セラ」の本社は、京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地にあります。2018年3月期の売上高1,577,039百万円、営業利益95,575百万円となっています。
京セラ 決算短信(PDF:2018/04/26)
2018年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)
コンデンサーなど電子部品大手です。太陽電池モジュール、通信機器、複写機など多角化経営を行っています。現京セラ名誉会長・稲盛和夫氏が考案した「アメーバ経営」が有名です。
売上高2位 日本電産
「日本電産」の本社は、京都市南区久世殿城町338番地にあります。2018年3月期の売上高1,488,090百万円、営業利益167,637百万円となっています。
日本電産 決算短信(PDF:2018/04/24)
平成30年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)
世界首位のHDD用など精密小型モーターから車載、産業用など中大型モーターまで展開しています。創業者であり会長兼社長である「永守重信氏」は超ワンマンですが、卓越した経営手腕により一代で巨大企業グループを築き上げました。
● 社長が交代
「吉本浩之副社長」が、2018年6月20日付で社長兼最高執行責任者(COO)に昇格し、永守重信会長兼社長は、代表権のある会長兼最高経営責任者(CEO)に就きます。
売上高3位 村田製作所
「村田製作所」の本社は、JR長岡京駅前の京都府長岡京市東神足一丁目10番1号にあります。2018年3月期の売上高1,371,842百万円、営業利益162,146百万円となっています。
村田製作所 決算短信(PDF:2018/04/27)
2018年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)
電子部品大手で、世界トップのセラミックコンデンサーが柱です。原料からのセラミック技術に強みを持っています。高い技術力を背景に驚異的な利益率を誇っています。
売上高4位 任天堂
「任天堂」の本社は、京都市南区上鳥羽鉾立町11番地1にあります。2018年3月期の売上高1,055,682百万円、営業利益177,557百万円となっています。
任天堂 決算短信(PDF:2018/04/26)
平成30年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
● 奇跡の大復活
2009年3月期には、売上高1兆8386億円、営業利益5552億円を記録しました。最盛期と比べて復活半ばですが、2017年3月に発売した「Switch」の大ヒットにより売上高が前年比115.8%増と7年ぶりに1兆円を超え、奇跡の大復活を果たしました。