-京都の企業-
京都の企業は大阪や神戸の企業と違って本社を東京にあまり移転しません。小粒のハイテク企業が多かった京都企業ですが、高い技術開発力を背景に、世界市場の中で特定分野において圧倒的競争力を持ち、急成長しています。
2018年3月期の連結売上高ランキング
1位 京セラ 1,577,039百万円
2位 日本電産 1,488,090百万円
3位 村田製作所 1,371,842百万円
4位 任天堂 1,055,682百万円
5位 SGホールディングス 1,045,032百万円
● 2019年3月期第2四半期の決算発表!
京都の大手電子部品メーカーの大手3社(京セラ、村田製作所、日本電産)が、2018年10月31日までに、2019年3月期第2四半期の決算発表を行いました。
2019年3月期の連結売上高の予想は、(1位)京セラが1兆6500億円(前期比4.6%増)、(2位)村田製作所が1兆6200億円(前期比18.1%増)、(3位)日本電産が1兆6000億円(前期比7.5%増)です。
1位 京セラ 1,650,000百万円
2位 村田製作所 1,620,000百万円
3位 日本電産 1,600.000百万円
4位 任天堂 1,200,000百万円
5位 SGホールディングス 1,100,000百万円
数年前までは、「京セラ」がダントツ1位でしたが、「村田製作所、日本電産」が猛追しており、売上高がほぼ横一線に並びました。2021年3月期には、連結決算の売上高が3社共に2兆円を突破すると予想されています。
売上高1位 京セラ
「京セラ」の本社は、京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地にあります。2018年3月期の売上高1,577,039百万円、営業利益95,575百万円です。
コンデンサーなど電子部品大手です。太陽電池モジュール、通信機器、複写機など多角化経営を行っています。現京セラ名誉会長・稲盛和夫氏が考案した「アメーバ経営」が有名です。
● 2019年3月期
通期の業績予想は、売上高1兆6500億円(前期比4.6%増)、営業利益1540億円(前期比同69.8%増)と大幅な増益を見込んでいます。
京セラ 決算短信(PDF:2018/10/30)
2019年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
現在、さまざまな車載技術の開発に取り組んでいます。今後、車載領域の研究開発を加速していきます。既存事業の拡大と新規事業の創出によって、2021年3月期の売上高2兆円を目指しています。
売上高2位 村田製作所
「村田製作所」の本社は、JR長岡京駅前の京都府長岡京市東神足一丁目10番1号にあります。2018年3月期の売上高1,371,842百万円、営業利益162,146百万円です。
電子部品大手で、世界トップのセラミックコンデンサーが柱です。原料からのセラミック技術に強みを持っています。高い技術力を背景に驚異的な利益率を誇っています。
● 2019年3月期
通期の予想を上方修正しました。売上高は前回予想比450億円増の1兆6200億円を見込んでいます。主力の電子部品「積層セラミックコンデンサー(MLCC)」が、スマートフォンの高機能化や自動車の電装化進展で好調です。
村田製作所 決算短信(PDF:2018/10/31)
2019年3月期 第2四半期決算短信(米国基準) (連結)
産業界では「積層セラミックコンデンサー(MLCC)」の品不足が深刻です。「MLCCが来ないから、製品が完成しない」というメーカーが続出しています。品不足を少しでも解消するために、「村田製作所」の2018年度の設備投資額は3400億円と過去最高を見込んでいます。
売上高3位 日本電産
「日本電産」の本社は、京都市南区久世殿城町338番地にあります。2018年3月期の売上高1,488,090百万円、営業利益167,637百万円です。
世界首位のHDD用など精密小型モーターから車載、産業用など中大型モーターまで展開しています。創業者であり会長兼社長である「永守重信氏」は超ワンマンですが、卓越した経営手腕により一代で巨大企業グループを築き上げました。
● 2019年3月期
通期の業績予想は、売上高1兆6000億円を据え置きました(エンブラコ含まず)。2021年3月期の売上高2兆円を目指しています。
日本電産 決算短信(PDF:2018/10/23)
2019年3月期第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
「日本電産」は、積極的な企業の合併・買収(M&A)を通じ成長を続けています。2018年4⽉25⽇にアメリカのワールプール社のコンプレッサ事業「エンブラコ」の買収を発表しています。
日本電産(PDF:2018/04/25)
⽶国ワールプール社コンプレッサ事業エンブラコ買収に関する参考資料
各国の競争規制当局の認可取得後に買収が完了しますが、クロージングは2019年度上半期を予定しています。「エンブラコ」の2017年12⽉期の売上⾼は、1,307百万ドルです。1$=110円と仮定して、約1,437億円になります。
売上高4位 任天堂
「任天堂」の本社は、京都市南区上鳥羽鉾立町11番地1にあります。2018年3月期の売上高1,055,682百万円、営業利益177,557百万円となっています。
● 2019年3月期
2019年3月期の通期の業績予想は、売上高が前年比13.7%増の1兆2000億円、営業利益が26.7%増の2250億の計画を据え置いています。
任天堂 決算短信(PDF:2018/10/30)
平成31年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2009年3月期には、売上高1兆8386億円、営業利益5552億円を記録しました。最盛期と比べて復活半ばですが、2017年3月に発売した「Switch」の大ヒットにより売上高が7年ぶりに1兆円を超え、奇跡の大復活を果たしました。
売上高5位 SGホールディングス
「SGホールディングス」の本社は、京都市南区上鳥羽角田町68番地にあります。2018年3月期の売上高1,045,032百万円、営業利益62,709百万円となっています。
「SGホールディングス」は、佐川急便グループの純粋持株会社です。国内宅配便ではヤマトホールディングスに次ぐ国内2位でシェアです。京都の本社は非常に小さく、実質的な本社は東京都江東区新砂二丁目にあります。
● 2019年3月期
通期の業績予想は、売上高1兆1000億円(5.3%増)、営業利益675億円(7.6%増)を見込んでいます。
SGホールディングス 決算短信(PDF:2018/11/02)
2019年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
将来的には「日立物流」と統合する可能性があります。「日立物流」の主要株主は、日立製作所29.9%、SGホールディングス28.9%となっています。