夢洲(ゆめしま) 2025年日本国際博覧会 & カジノを含む統合型リゾート(IR) 津波や高潮は大丈夫?
-夢洲(ゆめしま)-
2025年国際博覧会(万博)の開催国を決める博覧会国際事務局(BIE)の総会が、2018年11月23日にフランスのパリで開かれ、開催地が「日本(大阪)」に開催国に決定しました。
「国際博覧会(万博)」は、「IR(カジノを含む統合型リゾート)」を導入するための非常に重要なイベントです。大阪府と大阪市は、万博開催前年の2024年にも、夢洲内の隣接地に、「IR(カジノを含む統合型リゾート)」の開業を目指しています。
● 津波や高潮は大丈夫?
2018年9月4日に「関西国際空港」を「台風21号」が直撃しました。A滑走路や第1ターミナル、貨物エリアなどが浸水し、ターミナル内が停電、更にタンカーが連絡橋に衝突したことで台風通過後も関空島は孤立状態になりました。
関空島の孤立は正に想定外でしたが、日本は次々と想定外の災害に見舞われています。「2025年日本国際博覧会」の開催が決定し、「IR(カジノを含む統合型リゾート)」の導入もほぼ確実と言われている大阪市の「夢洲(ゆめしま)」は、津波や高潮は大丈夫でしょうか?
「万博用地」と「IR用地」です。
引用資料 大阪府・大阪市IR推進局(PDF)
夢洲まちづくり構想(案)について
計画地盤高さ
「計画地盤高さ(海面・津波高さとの関係)」です。まず基準となるのが「大阪湾最低潮位(Osaka Peil)」です。「O.P.」と略されます。似た用語に全国の標高の基準となる「東京湾平均海面(Tokyo Peil)」があります。こちらは「T.P.」と略されます。
「O.P.」は大阪湾最低潮位、「T.P.」は東京湾平均海面なので基準が異なります。「O.P.」の基準面は、「T.P.」の基準面より1.3m低いです。分かりやすく言えば、「O.P.+1.3m=T.P.+0m(標高0m)」という事です。
● 推定沈下後の地盤高さはO.P.+9.1m(標高7.8m)
「夢洲(ゆめしま) 」は、埋立地なので今でもゆっくり地盤沈下しています。現在のO.P.+11mより更に約2m地盤沈下して、O.P.+9.1mになると推定されています。
O.P.+9.1m(標高7.8m=O.P.+9.1m-1.3m)あれば、南海トラフの巨大地震の津波も超大型台風の高潮も大丈夫と言えるでしょう。逆に言うとO.P.+9.1mの「夢洲(ゆめしま) 」が冠水する規模の津波や高潮が大阪湾を襲うと、より低い大阪市の市街地は壊滅状態に陥ります。
カジノを含む統合型リゾート
「カジノを含む統合型リゾート(IR)」の誘致を目指す大阪府と大阪市は4月24日に、IR事業者から事業概要(コンセプト)を募る独自の要項を発表しました。
引用資料 大阪府・公式HP(2019/04/24)
(仮称)大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業のコンセプト募集について
大阪府と大阪市では、大阪・夢洲における特定複合観光施設区域の整備の早期実現をめざしており、特定複合観光施設区域整備法に基づき、国が基本方針を定めた後速やかに、実施方針の策定並びに特定複合観光施設を設置及び運営する事業を行う民間事業者の公募・選定を行うべく、準備を進めています。
要項では、将来的に夢洲から舞洲に鉄道を北に延ばすことも想定し、IRの予定区域を約60haから約49haに縮小して用地を確保しました。また夢洲北部の隣接地にクルーズ船などの船着き場を設けます。
今回は正式な公募ではないため、事業概要の評価や順位付けはせず、提案した事業者名のみを発表します。2019年8月までに計画を提出しなかった事業者も正式公募には参加できる形にしています。
コンセプト募集の概要
◆ 事業名称-(仮称)大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業
◆ 所在地-大阪府大阪市此花区夢洲中一丁目の一部ほか
◆ 面積-約49ha
◆ 主な事業条件
(1)中核施設の設置・運営
◇ MICE施設-(国際会議場)最大国際会議室収容人数6,000人以上及び、これと同数以上収容可能な中小会議室群、(展示等施設)展示面積10万平方メートル以上
◇ 魅力増進施設
◇ 送客施設
◇ 宿泊施設-3,000室以上の多様なニーズに対応できる宿泊施設
(2)中核施設以外の施設の設置・運営
◇ 国際競争力を有するリゾート形成
◇ エンターテイメント拠点の形成
(3)IRの魅力・持続可能性を高める取組み
◇ スマートなまちづくり
◇ 危機管理・防災対策
(4)懸念事項対策
◇ ギャンブル依存症対策
◇ 治安・地域風俗環境対策
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