全く正反対の選択をした横浜市と神戸市 横浜市の中心である「横浜駅」を経由しない「相鉄・JR直通線」が、2019年11月30日開業!
-相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線-
かつてはライバルだった「横浜市」と「神戸市」ですが、リーマンショック後に、横浜市が新規プロジェクトの手続きの簡素化など規制緩和に舵を切ったのに比べて、神戸市は高さ規制などの規制強化に舵を切りました。
鉄道に関しても正反対の選択をしました。「相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線」は、相鉄線から、東京都心と直結するプロジェクトです。横浜市の拠点である「横浜駅」を経由しない横浜市にとっては屈辱的でさえある新線ですが、横浜市は反対しませんでした。鉄道網の充実が横浜市の発展につながると判断したからです。
方や、神戸市は「阪急・神戸地下鉄連絡線」に三宮が素通りされて拠点性が損なわれると反対しました。今は方針を転換していますが、阪急が盛んに秋波を送っていた2000年代に合意していたら今頃は工事が始まっていたかも知れません。
● 横浜市の負担は約894億円
「相鉄・JR直通線」は、相鉄本線「西谷駅」とJR東海道貨物線「横浜羽沢駅」付近間に連絡線(約2.7km)を新設し、この連絡線を利用して相鉄線とJR線が相互直通運転を行うものです。
「相鉄・東急直通線」は、JR東海道貨物線「横浜羽沢駅」付近と東急東横線・目黒線「日吉駅」間に連絡線(約10.0km)を新設し、この連絡線を利用して相鉄線と東急線が相互直通運転を行うものです。
公式HP → 相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線
「相鉄・JR直通線」は、当初2015年4月の開業を目指していましたが、工事の遅れにより、開業は2019年11月30日(予定)となっています。「相鉄・東急直通線」は、当初2019年4月の開業を目指していましたが、工事の遅れにより、開業は2022年度下期(予定)となっています。
工事の遅れや建設費の上昇によって全体の建設費は、当初の約2739億円から1283億円増え、約4022億円の見込みです。整備主体と営業主体が分離する「受益活用型上下分離方式」が採用され、費用の3分の1を「国」、3分の1を「横浜市、神奈川県」、3分の1を「鉄道建設・運輸機構(借金)」が負担します。横浜市の負担割合は、神奈川県と比べ2倍で、約894億円の見込みです。
新ダイヤの路線図(2019年11月30日から)
相鉄グループの「相模鉄道」では、相鉄線とJR線が相互直通運転を行う相鉄・JR直通線の開業に伴い、2019年11月30日(土)から新ダイヤで運行します。
引用資料 相模鉄道(PDF:2019/07/16)
11月30日(土) 相鉄線は新ダイヤでの運行を開始
相鉄・JR直通線用新型車両「12000系」
「相模鉄道」は、相鉄・JR直通線用新型車両「12000系」を2019年4月20日に導入しました。相鉄・東急直通線用の車両として2018年2月11日に営業運転を開始した「20000系」に続く新型車両です。
引用資料 相模鉄道(PDF:2018/10/03)
相鉄・JR直通線用新型車両 「12000系」を来年春に導入 前方監視カメラと車内防犯カメラを初めて採用
相鉄・JR直通線用新型車両「12000系」は、1編成(10両編成)×6編成=60両が導入され、2019年春に1編成、2019年度末までには残る5編成が導入予定です。
相鉄・JR直通線用新型車両 「E233系電車(7000番台)」
JR東日本の「E233系電車」は、2006年12月26日の中央快速線を皮切りに、京浜東北線や常磐線各駅停車、東海道線、京葉線、東北本線などに大量投入されてきました。2013年6月30日には「埼京線」でも営業運転が開始されました。
「E233系電車(7000番台)」 は、埼京線、川越線、東京臨海高速鉄道りんかい線向け車両ですが、相鉄・JR直通線用新型車両も「E233系電車(7000番台)」になる予定です。
JR通勤型の「E233系電車」が「特急」として走行する可能性が高くなりました。通常、JR東日本であれば特急列車は有料かつ専用の特急型車両が充当される中で、通勤型車両が特急として走行する例はありません。鉄ちゃんや鉄子さんの間では、JR通勤型が「特急」の表示を掲出するシーンを期待して待っています。
西谷駅(にしやえき)
写真は、相鉄本線と相鉄・JR直通線が分岐・合流するするジャンクションとなる「西谷駅(にしやえき)」です。現在は「各駅停車」のみが停車ですが、「特急」と「快速」を新たに停車させ、乗り換えの利便性向上を図ります。大規模な改修工事が行われており一大拠点駅に変貌します。
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