阪急の神戸市営地下鉄相互乗入れ JR三ノ宮駅北側の駅前広場の地下に新駅を設けて接続させる案を検討!
-JR三ノ宮駅北側の駅前広場-
「神戸新聞」は11月25日に、神戸市営地下鉄西神・山手線と阪急神戸線を相互乗り入れさせる構想で、「神戸市と阪急電鉄が、JR三ノ宮駅北側の駅前広場の地下に新駅を設けて接続させる案を検討している」と報道しました。
神戸新聞(2019/11/25)
「三宮に地下新駅」構想 神戸地下鉄と阪急相互乗り入れで
阪急王子公園駅と新神戸をつなぐ路線を新設して市営地下鉄に乗り入れる案なども浮上しましたが、三宮での接続が最有力となっています。ただし、構想実現に向けた課題は山積しており、調整は難航しそうです。
JR三ノ宮駅北側に地下駅の新設を検討するのは、現在の市営地下鉄三宮駅では接続しにくいからです。神戸市営地下鉄の既存駅は上下線を別々のフロアに分けざるを得ないほど周辺の地下空間が限られており、乗り入れに伴う乗降客の増加に対応で出来ません。
● 相互乗入れ事業費を2千億円規模と試算
「横浜市」では、「相鉄・JR直通線」が、2019年11月30日に開業しました。引き続き2022年度下期の開業を目指して「相鉄・東急直通線」の工事が行われています。
全体の建設費は約4022億円の見込みです。整備主体と営業主体が分離する「受益活用型上下分離方式」が採用され、費用の3分の1を「国」、3分の1を「横浜市、神奈川県」、3分の1を「鉄道建設・運輸機構(借金)」が負担します。横浜市の負担割合は、神奈川県と比べ2倍で、約894億円の見込みです。
阪急の神戸市営地下鉄相互乗入れの事業費は2千億円規模と試算されています。「相鉄・JR直通線」や「相鉄・東急直通線」と違って、新線や新駅が建設される訳ではありません。すでに高架化されているので地下化しても「踏切」が無くなる訳でもありません。2千億円規模の投資が、見合う効果を見込めるかが最大の焦点です。
事業費2千億円規模をどのようなスキームで調達するのかも大問題です。どのようなスキームになっても「神戸市」と「阪急電鉄」は、莫大な出費を強いられるのは確実です。
「阪急電鉄」は、「なにわ筋連絡線」と「新大阪連絡線」の事業化に前のめりになっています。「なにわ筋連絡線、新大阪連絡線、神戸市営地下鉄相互乗入れ」の3つの巨大プロジェクトを同時進行する程「阪急阪神ホールディングス」には資本力はありません。
JR三ノ宮駅北側の駅前広場です。「神戸市と阪急電鉄が、JR三ノ宮駅北側の駅前広場の地下に新駅を設けて接続させる案を検討している」と報道されました。
JR三ノ宮駅北側の駅前広場を北西側から見た様子です。そもそもこの土地はどこの所有でしょうか? JR西日本でしょうか?
JR三ノ宮駅北側の駅前広場を南西側から見た様子です。もし地下駅が実現したら工事に合わせて、地上には1階を「交通広場」とした駅ビルを建設したらどうでしょうか?
神戸市営地下鉄・三宮駅
「三宮駅」は、神戸市営地下鉄26駅のうち乗降客数が最も多いです。しかし、周辺の地下空間が限られています。そのため3層構造になっており、上下線も別々のフロアに分けています。
「三宮駅」は、こうのように複雑な構造のため阪急との相互乗入れの工事実施は極めて難しいです。そのために今回のJR三ノ宮駅北側の駅前広場の地下に新駅を設けて接続させる案が生まれました。
神戸市営地下鉄西神・山手線「三宮駅」のコンコースは地下1階にあります。
1番ホームの「新神戸・谷上方面」は、地下2階にあります。
2番ホームの「名谷・西神中央方面」は、地下3階にあります。
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