祝! 理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」 「TOP500」で9年ぶりに世界一 計算性能で史上初の4冠!
-富岳(ふがく)-
「理化学研究所」と「富士通は」は2020年6月22日に、共同開発した新型スーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が計算速度の世界ランキング「TOP500」で1位になったと発表しました。日本勢がトップに立つのは約9年ぶりの快挙です。
実際にソフトを動かした速さや人工知能(AI)向けの計算速度など4部門で首位を獲得しました。初採用の1部門を加え、「4冠」を達成するのは世界のスーパーコンピューターで初の快挙です。日本の技術力の高さを再び世界に示しました。
引用資料 TOP500(英語)
TOP 10 Sites for June 2020
引用資料 理化学研究所(2020/06/23)
スーパーコンピュータ「富岳」TOP500、HPCG、HPL-AIにおいて世界第1位を獲得
引用資料 理化学研究所(2020/06/23)
スーパーコンピュータ「富岳」Graph500において世界第1位を獲得
世界ランクは国際会議で約半年ごとに発表されます。日本は「富岳」の前身で、2019年8月に運用停止した「京(けい)」が2011年6月と2011年11月に連覇しましたが、その後はアメリカや中国に首位の座を奪われていました。
「富岳」の計算速度は、Rmax415,530.0(TFlop/s)です。分かりやすく書けば1秒間に41京5530兆回(京は1兆の1万倍)となります。前回の2019年11月に首位だった2位のアメリカ「オークリッジ国立研究所(テネシー州オークリッジ)」の「Summit(サミット)」に約2.8倍の大差をつけました。
● 熾烈を極める開発競争
「理化学研究所」は、「新型コロナウイルス」に対する薬の開発などに利用するため、整備途中の最新のスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」の運用を1年前倒しで始めました。国費約1,100億円が投じられ、2021年度の本格運用を目指しています。
アメリカや中国は1秒間に100京回の計算速度を持つスーパーコンピューターを2021年にも完成させるとみられており、開発競争は今後も熾烈を極めます。
今回は、「富岳」の運用の前倒し及び、中国が「富岳」の2倍の性能で今年デビューさせようとしていた新型が間に合わなかったこともあり、たなぼたで「ナンバーワン」の座が転がり込んできたラッキーな1位でした。1位の座は、2020年11月は守れる可能性がありますが、2021年6月には明け渡す事になると思います。それでも1位の記録は永久に残ります。
TOP500・2020年6月 (Rmax/Rpeak:TFlop/s)
01 富岳(日本)-415,530.0/513,854.7
02 Summit(アメリカ)-148,600.0/200,794.9
03 Sierra (アメリカ)-94,640.0/125,712.0
04 神威・太湖之光(中国)-93,014.6/125,435.9
05 天河2号(中国)-61,444.5/100,678.7
06 HPC5(イタリア)-35,450.0/51,720.8
07 Selene(アメリカ)-27,580.0/34,568.6
08 Frontera(アメリカ)-23,516.4/38,745.9
09 Marconi-100(イタリア)-21,640.0/29,354.0
10 Piz Daint(スイス)-21,230.0/27,154.3
TOP500・2020年6月 (設置場所)
01 富岳-理化学研究所計算科学研究センター(神戸市)
02 Summit-オークリッジ国立研究所(テネシー州オークリッジ)
03 Sierra-ローレンス・リバモア国立研究所(カリフォルニア州リバモア)
04 神威・太湖之光-国家超級計算無錫中心(江蘇省無錫)
05 天河2号-国家超級計算広州中心(広東省広州)
06 HPC5-イタリアの多国籍石油・ガス関連企業のEni
07 Selene-アメリカの半導体大手エヌビディア
08 Frontera-テキサス高等スーパーコンピューティングセンター
09 Marconi-100-イタリア・大学と研究機関の共同体シニカ
10 Piz Daint-スイス国立スーパーコンピューティングセンター
(注意) 上記のランキングは、「TOP500(英語)」を元に出来るだけ分かりやすく日本語にしました。私の英語力は小学生並み(笑)なので間違っている部分があるかも知れませんが、ご容赦下さい。
近年の歴代1位はアメリカ、中国、日本のみ
世界一のスーパーコンピューターを開発出来る国は、現在は世界に「アメリカ、中国、日本」の3ヶ国しかありません。「アメリカ、中国」とはGDPで大差がついてしまいましたが、今後も世界一のスーパーコンピューターを開発出来る国の座をなんとか維持して欲しいです。
引用資料 日本経済新聞(2020/06/23)
日本のスパコン「富岳」、8年半ぶり世界一奪還
「理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS)」です。
1棟に見えますが、2棟のハイブリッド構造です。白っぽい「計算機棟」を囲むように、ガラスカーテンウォールの「研究棟」が整備されています。スーパーコンピュータの「京(英語名:"K computer")」を稼働させるために建設されました。「富岳」は、役目を終えた「京」を撤去して設置作業が行われました。
「熱源機械棟」です。計算機棟を冷却させる冷却設備が入っています。
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