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2020年7月 2日 (木)

電子立国日本の自叙伝 キオクシア(旧:東芝メモリ) 四日市工場に「第7製造棟」を新設 総投資額は最大3,000億円規模!

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-電子立国日本の自叙伝-
 私の人生の中で一番素晴らしいと思ったテレビ番組は、HNKスペシャル「電子立国日本の自叙伝(第1回は1991年1月27日放送)」です。「第1回 新・石器時代」、「第2回 トランジスタの誕生」、「第3回 石になった電気回路」、「第4回 電卓戦争」、「第5回 8ミリ角のコンピューター」、「第6回 ミクロン世界の技術大国」の全6回でした。

 正に「HNKスペシャル」という素晴らしい内容で、当時毎晩VTRで見返していたので、1回~第6回を延べ100回以上は見たと思います。元々半導体産業には興味がありましたが、この番組で私の半導体の知識が100倍以上になったと思います。

 この記事を書くために「電子立国日本の自叙伝」を動画を探していました。テンポのいいオープニングテーマが大好きだったのですが、オープニングテーマがYouTubeにフルバージョンであったので思わず聞き入ってしまいました。懐かしくて涙が出そうになりました。

 動画(ニコニコ動画)
 電子立国「第01回 新・石器時代 ~驚異の半導体産業~」(01 of 02)

 YouTube(2分55秒)
 電子立国日本の自叙伝オープニングテーマ

 第1回のオープニングの一部に、 ”日本が海外に輸出する電気製品の総額は約10兆500億円、自動車輸出に次ぐ稼ぎ頭である。これらエレクトロニクス製品のすべてに大量の半導体素子が使われている。日本が昨年生産した半導体素子は、トランジスタ単体やダイオードも含めれば約600億個、これは全世界の生産量の半分を超える量である。” という解説があります。

 当時いかに日本が半導体で世界を席巻していたか分かります。特に「DRAM」の強さは圧倒的で、向かうところ敵なしでした。しかし 1990年代中頃からアメリカの復活や韓国や台湾などの猛烈な追い上げがあり、今は見る影もありません。

 1980年代後半には、日本企業が半導体売上高ランキングで、ベスト10をほぼ独占していましたが、2019年にはベスト10に1社も入っていません。放送があった1991年には、日本の半導体業界がこんなに苦境に陥るとは夢にも思っていませんでした。

● キオクシアが四日市工場に第7製造棟を新設!
 一番上の写真は、「キオクシアホールディングス」の主力工場である「四日市工場」の衛星写真です(Googleマップの衛星写真の3Dモードを引用)。

 すっかり影が薄くなった日本の半導体産業ですが、頑張っている企業もあります。NAND型フラッシュメモリーの「キオクシアホールディングス(旧:東芝メモリホールディングス)」、CMOSイメージセンサーの「ソニー」、車載用マイコンの「ルネサスエレクトロニクス」などです。

 「キオクシアホールディングス」は、NAND型フラッシュメモリーを生産する四日市工場の新製造棟建設を2020年5月27日に始めました。土地の造成から着手し、2020年12月以降に建屋の工事を予定です。

 日刊工業新聞(2020/05/27)
 キオクシアがNAND型メモリーの新製造棟に着手、コロナでも需要が旺盛な理由

 新型コロナウイルス感染拡大の影響はあるものの、外出自粛による動画配信サービス利用急増などでデータセンター向け需要が伸びます。コロナ禍でも当初計画通り増産投資に踏み切ります。

 最先端3次元(3D)NAND型フラッシュメモリーを生産する「第7製造棟」を新設し、2022年夏の完成を目指します。総投資額は最大3,000億円規模を見込みで、提携するアメリカの「ウェスタン・デジタル」と投資を分担するとみられます。


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東芝メモリ(現:キオクシア)四日市工場

 2017年10月の「四日市工場」の配置図です。どこに「第7製造棟」を新設するのか? 調べても分かりませんでした。

 引用資料 毎日新聞(2017/10/13)
 東芝 四日市半導体、新棟検討 年3000億円の投資継続


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四日市工場の沿革

 1992年に東芝の「四日市工場」として発足しました。1993年に「第1製造棟」が稼働開始しています。2018年には「第6製造棟」が稼働開始しています。「第1製造棟」と「第2製造棟」は現在はありません。

 引用資料 キオクシアホールディングス
 四日市工場概要

● ウェスタン・デジタルとの協業
 
東芝の「四日市工場」は、アメリカの「サンディスク」と共同で投資を行っていました。2016年に「サンディスク」が、アメリカの「ウェスタン・デジタル」に買収された後も協業は続いていました。

 しかし、「東芝」は経営危機に陥り、メモリ事業の分社・売却に追い込まれました。その際には、東芝とウェスタン・デジタルは、訴訟合戦にまで発展しましたが、和解して元のサヤに収まりました。

 「キオクシア」と「ウェスタン・デジタル」の関係は非常にユニークです。半導体の前工程で研究開発や生産を共同で行いますが、後工程と販売はライバル関係になります。

 半導体の投資は莫大です。「キオクシア」も「ウェスタン・デジタル」も1社だけでは莫大な投資に耐えられず、NAND型フラッシュメモリーのライバルである韓国の「サムスン電子」や「SKハイニックス」にとても太刀打ち出来ません。
 投資を「キオクシア」と「ウェスタン・デジタル」で負担し合うスケールメリットは非常に大きく、 両社はライバルでありながら協業する関係は今後も続くと思います。



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