「JR西日本グループ中期経営計画2022」見直し 3大プロジェクト(大阪駅西エリア、三ノ宮、広島)はどうなる? 三ノ宮駅ビル計画はいったん白紙!
-JR西日本グループ-
「JR西日本」は10月30日に、2020年4~9月期の連結決算を発表しました。最終損益が128,115百万円(1,281億円)の赤字(前年同期は804億円の黒字)でした。4~9月期の最終赤字は初めです。新型コロナウイルスの感染拡大が響き、主力の鉄道事業で利用者が急減しました。
JR西日本(PDF:2020/10/30)
2021年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
売上高は前年同期比48.8%減の389,971百万円(3,899億円)、運輸収入は60%減の1,825億円と新幹線など長距離を中心に落ち込みました。非運輸部門では物販飲食やホテル、旅行業が振るいませんでした。
2021年3月期通期は、売上高で前期比39.0%減の920,000百万円(9,200億円)、最終損益で240,000百万円(2,400億円)の赤字(前期は893億円の黒字)を見込む従来予想を据え置きました。
● 「JR西日本グループ中期経営計画2022」見直し
「JR西日本グループ中期経営計画2022」に基づき「めざす未来~ありたい姿」の実現に向け、グループ一体で取り組みを推進してきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、鉄道・創造事業ともに急激に業績が悪化しました。そのため大規模な資金調達を行うとともに、経費節減や設備投資の抑制に注力しています。
短期間での利用回復は見通せず、財務基盤が大きく損なわれたことで、中期経営計画2022の取り組みにも多くの影響が見込まれ、当初掲げた収支面の目標達成は困難な状況にあります。
このような状況のため「JR西日本グループ中期経営計画2022」見直しを行います。なお、当面の将来予測も難しい状況から、コロナ禍の収束状況を見ながら、随時修正します。
引用資料 JR西日本(2020/10/30)
「JR西日本グループ中期経営計画2022」見直し
● 3大プロジェクトはどうなる?
ビルヲタにとって一番気になるのは3大プロジェクト(大阪駅西エリア、三ノ宮、広島)がどうなるのかという事だと思います。具体的にどうなるのかは書いていないので、 ”「JR西日本グループ中期経営計画2022」見直し” の資料から推測するしかありません。
「設備投資計画 [中計期間総額(2018-2022)]」と「JR西日本グループ中期経営計画2022目標」です。
● 連結設備投資額の減額は▲200億円と少ない!
連結設備投資額は、2018年4月公表時は1兆2,700億円(うち単体9,980億円)でしたが、2020年10月見直しにより1兆2,500億円(うち単体9,200億円)に減額されました。減額幅が▲200億円(うち単体▲780億円)でした。私は▲1,000億円~▲1,500億円くらいの減額を覚悟していたのでホッとしました。
維持更新投資が▲600億円となっていますが、成長投資は4,600億円から5,000億円へと逆に400億円と増額されているので、3大プロジェクトは、規模の縮小やスケジュールの遅れがあっても継続される可能性が高いと思われます。
大阪駅西エリアは?
「地域共生の深耕 – 関西都市圏ブランドの確立」です。「大阪駅西エリア」の開発は今まで通り描かれているので継続される可能性が高そうです。「三ノ宮」は触れられていません。
● 三ノ宮駅ビル計画仕切り直し!
JR西日本は10月30日に、遅れている三ノ宮駅ビルの再整備について、社内で検討を進めてきた計画をいったん白紙にし、内容を見直すことを明らかにしました。駅ビルの需要に変化が生じているとし、改めて市場調査をした上で計画を決めます。
神戸新聞(2020/10/30)
三ノ宮駅ビル計画仕切り直し 長谷川・JR西社長「業種、業態ゼロから検証」
広島駅ビルは?
「地域共生の深耕 – 西日本各エリアの魅力創出」です。「広島駅ビル」は今まで通り描かれているので継続される可能性が高そうです。
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