ユニコーン企業の数(2020年11月基準) アメリカ242社、中国119社に対して日本はわずか4社 最大の課題はベンチャーキャピタル!
-ユニコーン企業-
アメリカの「シリコンバレー」のようなベンチャー企業の活動拠点となる都市を整備するため、政府は、海外からの投資や人材の誘致などを促進する「グローバル拠点都市」に、東京、愛知、大阪、福岡を中心とする4つの都市圏を指定することになりました。
政府は設立10年以内の未上場で企業価値10億ドル以上の「ユニコーン企業」を各都市で5社以上生み出し、これで得られた資金やノウハウを活用して2022年までにベンチャー企業への投資額を倍増、日本経済全体の成長につなげたい考えです。
評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業を意味する「ユニコーン企業」の数は、アメリカの「CB Insights」による最近の集計によると、2020年11月19日基準で世界に500社あります。アメリカと中国が全体の72.2%を占め圧倒的です。
国別のユニコーン企業の数
01 アメリカ-242社
02 中国-119社
03 イギリス-24社
03 インド-24社
05 ドイツ-12社
06 韓国-11社
07 イスラエル-8社
08 フランス-7社
08 ブラジル-7社
10 インドネシア-5社
11 日本-4社
11 香港-4社
● アメリカと中国以外ではユニコーン企業の誕生は難しい
アメリカと中国以外では「ユニコーン企業」の誕生が極めて難しい状況になっています。なぜそうなるかというと「ユニコーン企業」の多くがIT企業だからです。IT企業は技術力を競う製造業と違って、参入するハードルが低く「アイデア×スピード×資金力×市場の大きさ」などで短期間で勝負が決まってしまいます。
アメリカは、熾烈な競争をしているシリコンバレーがあるので「アイデア」と「スピード」では世界を圧倒しています。資金力(多くのベンチャーキャピタル)、スタート時の市場の大きさ(アメリカ約3.3億人の人口+英語圏の人口)でも圧倒的に有利です。
中国はネットを外国に開放していないので、14億人を超える巨大市場が中国企業の独壇場になります。成功したアメリカ企業のアイデアを中国版にカスタマイズしてあっという間に「ユニコーン企業」が誕生します。
日本は、「アイデア×スピード」で頑張っても、乏しい資金力と日本語と言う小さい市場で、日本国内のローカル企業で終わってしまいます。日本で大成功しても英語版のサービスを開始する頃には、すでに類似するアメリカ企業が市場を席巻していて入り込む余地がほとんどありません。
● 最大の課題はベンチャーキャピタル!
英語の問題は一朝一夕には解決できません。その前段階として資金調達が最大の課題です。スタートアップ企業が事業を伸ばして「ユニコーン企業」になるには、「ベンチャーキャピタル(VC))」などからの大規模な資金調達が欠かせません。
しかし日本では、資金調達のハードルが高く、「新規株式公開(IPO)」での調達に頼らざるを得ない状況になっています。将来的に「ユニコーン企業」になる可能性を秘めていても資金調達で挫折する企業が多いです。この事が日本に「ユニコーン企業」が非常に少ない大きな要因となっています。
エアビーアンドビー(Airbnb)
「エアビーアンドビー(Airbnb)」は、宿泊施設・民宿を貸し出す人向けのウェブサイトの世界大手です。2008年8月に設立されました。本社所在地はカリフォルニア州サンフランシスコです。
2020年12月10日に、「エアビーアンドビー(Airbnb)」は、ナスダック市場で新規株式公開(IPO)を実施しました。時価総額は1,016億ドル(約10兆6千億円)に達しました。
ドアダッシュ(DoorDash)
「ドアダッシュ(DoorDash)」は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くオンデマンドフードデリバリーサービスの会社です。2013年5月にパロアルトで設立されました。
2020年12月9日に、「ドアダッシュ(DoorDash)」は、ニューヨーク証券取引所で新規株式公開(IPO)を実施しました。時価総額は約590億ドル(約6兆2千億円)に達しました。
● ソフトバンクグループが出資
「ソフトバンクグループ(SBG)」傘下の「ビジョン・ファンド(SVF)」はドアダッシュに累計6億8000万ドルを投資しています。新規株式公開(IPO)により、ソフトバンクグループが保有するドアダッシュの含み益は、一時100億ドル(約1兆円)を超える規模に膨らんだ事で話題になりました。
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