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2021年4月 5日 (月)

株高で日本に富裕層が急増中! 大阪市に次々と超高層タワーマンションが建設される理由 急増する富裕層の囲い込みの側面も大きい!

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-大阪市で超高層タワーマンションが急増中-

 「三菱地所」を代表企業とするうめきた2期開発事業者JV9社は、2017年12月に「独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)」が実施した「うめきた2期地区開発事業者募集」にて開発事業者として選定された後、「(仮称)うめきた2期地区開発事業」について、工事に着手しました。

 三菱地所 公式HP(PDF:2020/12/21)
 「(仮称)うめきた2期地区開発事業」工事着手

 「うめきた2期」には、超高層タワーマンションが2棟建設されます。大阪駅周辺や御堂筋周辺は、空前の超高層タワーマンションの建設ラッシュになっています。建設中や建設予定の超高層タワーマンションの棟数や規模では、東京都区部が圧倒的に1位ですが、大阪市はダントツの2位になっています。

 掲示板等を見ると、大阪駅周辺や御堂筋周辺のビジネス街への超高層タワーマンションの建設は都市の衰退につながるという意見をよく見かけますが、大阪市は都心部への超高層タワーマンション建設は「ウエルカム」の姿勢で、 神戸市とは正反対の対応をしています。

● 大阪の富裕層は世界的に見ても多い!
 アメリカの調査会社「ウェルス-X(Wealth-X)」の2017年の資料では、保有資産3,000万ドル(1$=110円として約33億円)を上回る、「超富裕層」の世界の都市別の人数は、東京が3位で6,785人、大阪が10位で2,730人した。
 3年経過した2020年は、中国の都市が急成長しているので順位を落としている事が予想されますが、それでも大阪は15位以内に入っている可能性が高いです。

 実は日本は今、株高により富裕層が急増中です。大阪市の都心部への超高層タワーマンション建設に対して「ウエルカム」の姿勢には、大阪市の「富裕層の囲い込み」というしたたかな戦略があると私は思っています。

 YouTubeで金融機関で富裕層を担当した方の動画を見ると、日本の富裕層は、自宅・自家用車・服装などがごく普通でとても富裕層には見えない慎ましい堅実な生活を送っている方がとても多いそうです。それに、超高層タワーマンションの分譲価格はピンからキリまであるので、超高層タワーマンションの購入層=富裕層ではありません。

 しかし、超高層タワーマンションの上層階の億ションは、富裕層でないと買えないのも事実です。そのため、超高層タワーマンションを建設すると、富裕層が一定数確実に増加します。逆に言うと都心部への超高層タワーマンションの建設を禁止した神戸市は富裕層確保のチャンスを自ら放棄した事になります。

 都市の活力は、大企業の本社がある事が非常に重要ですが、人口を増加させる事が非常に重要です。中でも富裕層を増加させる事は、税収増にも直結するので非常に重要です。

● 日本で富裕層が急増中!
 「ビリオネア(個人資産10億ドル以上の超富裕層)」、1$=110円として、日本円で個人資産1,100億円以上の超富裕層は、アメリカと中国に圧倒的に多く、日本は極めて少ないです。

 日本は、ビリオネアクラスの超富裕層はほとんどいませんが、日本基準での富裕層が急増しています。資産額が増えた最大の理由は、アベノミクスによる株高と考えられます。

 「野村総合研究所」は、2019年の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模を、各種統計などから推計しました。また、2020年10月~11月に、全国の企業のオーナー経営者(主要株主かつ代表者)を対象に「NRI富裕層アンケート調査」を実施しました。

 引用資料 野村総合研究所(2020/12/21)
 野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計 〜いずれも前回推計(2017年)より増加、コロナ禍で富裕層の健康意識や家族とのコミュニケーションが強まる〜

 預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、総世帯を5つの階層に分類し、各々の世帯数と資産保有額を推計しました。

 不動産(土地、建物)、自家用車などは含みません。資産から負債を差し引いた「純金融資産額」というところがポイントで、資産と同じだけ借金があるという場合には富裕層にはカウントされません。そのため、本当の意味での富裕層と言えます。


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階層別に見た保有資産規模と世帯数

 純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および5億円以上の「超富裕層」を合わせると132.7万世帯で、内訳は、富裕層が124.0万世帯、超富裕層が8.7万世帯でした(引用:野村総合研究所)。


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階層別に見た保有資産規模と世帯数の推移
 富裕層・超富裕層の純金融資産保有総額は、世帯数と同様、2013年以降一貫して増加を続けています。過去10年近くにわたって富裕層・超富裕層の世帯数及び純金融資産保有額が増加している要因は、株式などの資産価格の上昇により、富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行したためと考えられます(引用:野村総合研究所)。


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東証1部時価総額の推移

 2005年12月~2021年4月までの東証1部の時価総額の推移です。2013年の「アベノミクス」から株価が本格回復します。2020年の「新型コロナウイルス」のパンデミックで、また株価暴落を覚悟しましたが、各国の中央銀行が大規模な金融緩和を行い株価暴落を食い止めています。

東証1部時価総額の推移
2005年12月30日  522,068,129百万円
2006年12月29日  538,629,548百万円
2007年12月28日  475,629,039百万円
2008年12月30日  278,988,813百万円(リーマンショック)
2009年12月30日  302,712,168百万円
2010年12月30日  305,693,030百万円
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2011年12月30日  251,395,748百万円(東日本大震災)
2012年12月28日  296,442,945百万円
2013年12月30日  458,484,253百万円(アベノミクス)
2014年12月30日  505,897,342百万円
2015年12月30日  571,832,889百万円
2016年12月30日  560,246,997百万円
2017年12月29日  674,199,186百万円
2018年12月28日  562,121,332百万円
2019年12月30日  648,224,522百万円
2020年12月30日  666,862,093百万円
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2021年04月02日 7,364,377億円(普通株式ベース)

 東証の個人の株式保有比率は、金額ベースで2割弱です。仮に2005年12月30日に、東証1部時価総額約522兆円の2割(約104兆円)を取得して、そのままずっと売らずに保有していると仮定すると2021年4月2日には約736兆円の2割(約147兆円)に増えています。

● K字型二極化の格差社会
 富裕層は色々な方法で資産を増やす事が出来ます。仮に今後も日本経済が成長しなくてGDPが増えなくても、 例えばアメリカの成長著しい「GAFAM」等に投資して資産を増やす事だって可能です。

 フランスの経済学者のトマ・ピケティ氏が唱えた「r>g」という不等式があります。「r(資産運用により得られる富)」は、「g(労働によって得られる富)」よりも成長が早いということです。

 分かりやすく言えば、「裕福な人」 はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は裕福になれないという悲しい現実です。いわゆる「K字型二極化」の格差社会です。この格差は今後ますます拡大して行くと思います。



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