総投資額1,800億円! 岐阜県大垣市に本社を置く「イビデン」 「河間事業場」に新棟を建設 高機能ICパッケージ基板の生産能力増強!
-世界的な半導体不足-
私は昔から半導体産業が大好きです。本来なら日本の主力産業になるべきですが、1991年にNHKスペシャル「電子立国日本の自叙伝」が放送された頃を頂点として、日本の半導体産業は急速に衰退して行きました。
日本企業は半導体部門は次々とリストラして行きました。花形産業のであるべきなのにまるでお荷物扱いです。「日本政府」も苦境に陥った半導体企業を積極的には助けませんでした。こんなことをしていたら日本はいつか大変な目に合うと思っていたら予想通りそうなりました。
コロナ禍からの経済の急回復で、世界的な半導体不足に陥っています。世界的な半導体不足に陥って「日本政府」も「経済産業省」もやっと事の重大性に気がつきました。ハッキリ言って遅すぎですが、半導体産業の重要性に気がついたのがせめてもの救いです。
日本は半導体製造に関しては、存在感がまるでないですが、半導体材料や半導体製造装置は強いです。これらの企業が「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」の精神で苦労に耐えて生き残ったので、日本の半導体産業はまだまだ復活のチャンスはあると私は希望を捨てていません。
● イビデンが1800億円投資!
「イビデン」は、岐阜県大垣市に本社を置くICパッケージ、プリント基板などの電子関連製品、セラミックス製品などを扱う、東証1部に上場する大手企業です。
「イビデン」は、2021年4月27日に、半導体関連の集積回路(IC)パッケージ基板の生産能力増強のため、大垣市内の工場に1,800億円の設備投資をすると発表しました。2021年度上期に既存建物・設備等の解体撤去開始、2021年度下期に新棟建設工事の開始、2023年度に新棟竣工及び量産稼働開始する予定です。
引用資料 イビデン(PDF:2021/04/27)
IC パッケージ基板向け設備投資計画に関するお知らせ
サーバー、画像処理などを中心とした、旺盛な顧客需要に対応するため、ICパッケージ基板の生産能力増強を図る目的で、岐阜県大垣市の「河間事業場」の一部を建て替えます。
設備投資計画の概要
◆ 所在地-河間事業場(岐阜県大垣市河間町3-200)
◆ 目的-高機能ICパッケージ基板の生産能力増強
◆ 生産能力-2023年度以降のICパッケージ基板需要に対応可能な国内生産
◆ 既存建物・設備等の解体撤去開始-2021年度上期予定
◆ 新棟建設工事の開始-2021年度下期予定
◆ 新棟竣工及び量産稼働開始-2023年度予定
◆ 総投資額-1,800 億円(予定)
ICパッケージ基盤・プリント配線板
「イビデン」の主力商品は、「ICパッケージ基盤」や「プリント配線板」です。「ICパッケージ基盤」は、インテル向けが非常に多いです。
引用資料 イビデン(PDF)
最新の「会社案内」
● 日本企業が圧倒的シェア!
コロナ禍により、インテルやAMDの「CPU(中央演算処理装置)」、エヌビディアの「GPU(画像処理装置)」などのプロセッサー需要が旺盛となっています。
これらのロジック半導体では、微細化と並行して、高密度実装技術による高機能化も進んでいます。チップの高集積化により、パッケージ基板も大型化や高多層化、細線化が不可欠となっています。CPU本体と違って、パッケージ基盤はパッと見はそんなに高度な技術には見えませんが、非常に高度な技術が必要です。
高性能パッケージ基板市場では、「イビデン」や富士通系の「新光電気工業」などの日本企業が圧倒的シェアを握っています。難易度の高さから製造できる企業は日本メーカーなどに限定されているためです。需要拡大を受け有力な日本メーカーは過去にない規模で大型投資に踏み切っています。
「イビデン」と「新光電気工業」は、「インテル」向けが強く、パソコンを開けるとインテルの 「CPU)」が見えますが、「ICパッケージ」は、「イビデン」もしくは「新光電気工業」の製品だと思ってほぼ間違いないです。
イビデンの連結決算
イビデンの連結決算を見ると売上高・営業利益共に日本経済の停滞を象徴するように伸びていません。しかし、世界を襲った半導体不足により今後数年間は業績の急拡大が予想されます。
イビデンの連結決算(売上高/営業利益)
-----------------------------------------
2010年3月 274,204百万円 21,271百万円
-----------------------------------------
2011年3月 304,968百万円 33,811百万円
2012年3月 300,863百万円 15,515百万円
2013年3月 285,946百万円 5,419百万円
2014年3月 310,268百万円 23,442百万円
2015年3月 318,072百万円 26,039百万円
2016年3月 314,119百万円 22,570百万円
2017年3月 266,459百万円 7,141百万円
2018年3月 300,403百万円 16,702百万円
2019年3月 291,125百万円 10,137百万円
2020年3月 295,999百万円 19,685百万円
-----------------------------------------
2021年3月 323,461百万円 38,634百万円
2022年3月 380,000百万円 45,000百万円(予想)
(注意) 2022年3月期は、イビデンが決算短信で発表した予想です。
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