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2021年8月25日 (水)

パナソニック 最大の事業会社の本部を東京に移転 「パナソニック」の不振はそんな事では解決しないと思う!

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-パナソニック-

 「松下電器産業(現:パナソニック)」は、1980年代には「トヨタ自動車」に匹敵する巨大企業グループを形成していました。兄弟会社の「松下電工」、子会社の「日本ビクター、松下通信工業、松下電子工業、松下電子部品、松下電池工業、松下冷機、松下寿電子工業、松下電送システム、松下住設機器、松下精工、松下産業情報機器、九州松下電器、松下電器貿易、パナホーム、その他」を傘下に収めていました。

 2000年代に入ると、グループ会社を完全子会社化したりして本体に取り込んでいきました。2008年10月には会社名を「松下電器産業」から「パナソニック」に変更、2011年4月には「パナソニック電工(旧:松下電工)、「三洋電機」を株式交換により完全子会社化しました。

 普通なら子会社を本体に取り込むと企業規模は拡大するのですが、「パナソニック」はリストラに次ぐリストラで企業規模は逆に縮小しています。ライバルだった「ソニーグループ」は、勝ち組となって遥か先を走っています。

 かつては関西の中で圧倒的な存在感を誇っていた「松下電器産業」ですが、現在の「パナソニック」は、時価総額 で「キーエンス、ダイキン工業、日本電産、任天堂、村田製作所」に大きく引き離されています。

日本の時価総額上位20社(2021年8月24日終値)
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01 トヨタ自動車-30,254,513百万円
02 キーエンス-15,993,337百万円
03 ソニーグループ-14,357,154百万円
04 日本電信電話-11,318,139百万円
05 リクルートホールディングス-10,801,569百万円
06 ソフトバンクグループ-10,646,131百万円
07 三菱UFJフィナンシャル・グループ-8,032,392百万円
08 KDDI-7,843,427百万円
09 ダイキン工業-7,829,074百万円
10 ファーストリテイリング-7,792,171百万円
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11 信越化学工業-7,516,597百万円
12 日本電産-7,435,667百万円
13 中外製薬-7,156,144百万円
14 東京エレクトロン-7,069,775百万円
15 ソフトバンク-7,034,710百万円
16 任天堂-7,011,374百万円
17 HOYA-6,362,572百万円
18 村田製作所-6,158,020百万円
19 ホンダ-5,943,297百万円
20 日立製作所-5,935,280百万円
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50 パナソニック-3,077,148百万円

(備考) 「ファーストリテイリング」の登記上の本社は
山口県山口市佐山10717‐1にあります。

● パナソニックは最大の事業会社の本部を東京に移転!
 「パナソニック」は、 2022年4月に持ち株会社が「パナソニックホールディングス」に社名変更し、「パナソニック」の社名は家電などを統括する事業会社が引き継ぎます。
 新パナソニックは登記上の本社は大阪府門真市に残しつつ、経営陣や間接部門などを東京に集約します。本社から離れた新本部で内向きの企業風土からの脱却やグローバル展開を加速します。

 なんか違うような気がします。「パナソニック」の不振の原因は他にあると思います。「パナソニック」 には会社を牽引する強みを持つ事業が「車載電池事業」以外に見当たりません。要するに強みや特徴の無い普通の会社になってしまったのが一番の原因です。本業が強くないと何をやってもダメです。

 「関西に本社があるからダメ!、東京に本社を置かないとダメ!」というのは、世界市場を相手にする企業としてはピント外れのような気がします。創業者の「松下幸之助氏」が生きていたら絶対に反対すると思います。

 愛知県豊田市に本社を置く自動車産業の雄「トヨタ自動車」が本社を東京に移転するという話を聞いたことがありません。関西に本社を置く「キーエンス、ダイキン工業、日本電産、任天堂、村田製作所」も東京に移転するという話を聞きません。それでも世界で圧倒的な存在感を示しています。

● パナソニックが迷走しているように見える!
 パナソニックは、アメリカのソフトウエア会社「Blue Yonder(ブルーヨンダー)」を71億ドル($=110円として約7,810億円)で買収し、完全子会社化する予定です。「ブルーヨンダー」の2020年の売上高は1,013百万ドル1$=110円として約1,114億円) しかありません。

 それに今回の東京への本社移転です。本社移転にも大きな金額がかかります。「ブルーヨンダー」の買収や本社移転に大金をつぎ込むなら、強みの「車載電池事業」や新規の「R&D(研究開発)」に積極投資するべきです。競合他社である中国の「CATL、BYD」や韓国の「LGエナジーソリューション、サムスンSDI、SKイノベーション」は莫大な投資を続けています。

 「パナソニック」が、今行うべきは本業の強化です。余計なものに大金をつぎ込む余裕はありません。私は「パナソニック」が明確な目標を見つけられずに迷走しているようにしか見えません。


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TWIN21(
撮影日1984年4月18日)
 私は、小学生からビルヲタだったので、「TWIN21」の建設現場をウォッチングしていました。「TWIN21」が着工された時は、さすが関西を牽引する松下グループと感慨無量でした。


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TWIN21(
撮影日1986年3月13日)
 「TWIN21」は、1986年3月に竣工しました。急成長する松下グループを象徴するような超高層ツインタワーでした。現在の低迷する「パナソニック」をこの頃は1ミリも想像しませんでした。



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